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女子バレーはメダルへの大一番! 米国にどう立ち向かうのか

柄谷雅紀スポーツ記者
攻守の軸である主将の木村沙織がキーパーソンになることは間違いない(写真:Enrico Calderoni/アフロスポーツ)

バレーボール女子日本代表は、苦戦しながらもリオデジャネイロ五輪の準々決勝に進んだ。対するのは世界ランキング1位で、B組を全勝で突破した米国。強敵である。ここを突破し、銅メダルを獲得したロンドン五輪の再現はできるだろうか。

隙のない米国

米国は穴のないチームだ。攻撃の核がウイングスパイカーの10番ラーソン、15番ヒル、オポジットの12番マーフィー、ミドルブロッカーの16番アキンラデウォと4人おり、それぞれが高いスパイク効果率、決定率を残している。特徴的なのは、ミドルブロッカーのアキンラデウォの打数の多さ。1次リーグの5試合でのスパイク打数は100本に上る。ウイングスパイカーのラーソンが141本、ヒルが128本、オポジットのマーフィーが115本であり、それと遜色ない本数を打っている。ベストスコアラー部門でも9位に入っており、ミドルブロッカーとしては唯一ベスト10入り。スパイク効果率も45%と高い。4人の柱があることで、米国は安定した攻撃力を常に発揮している。

守備も大崩れしない。レセプション(サーブレシーブ)も良く、ブロックとディグ(スパイクレシーブ)もしっかりしている。日本がこれまでと同じような試合をすれば、おそらく一蹴されてしまうだろう。

リズムを乱す工夫を

立ち向かうために、米国に少しでも「いつもと何か違うな」と思わせるようなプレーをしたい。もっとも大切になるのがサーブでの戦略。例えば、アキランデウォをスパイクの助走に入りにくくするためにサーブを前に落として揺さぶる、もしくは徹底して奥を狙うなど、相手が嫌がることをやり続けることだ。リベロのバンワース、ラーソンよりもレセプションの成功率が低いヒルを徹底的にサーブで狙い、つぶしにかかるのも一つの手かもしれない。何とかして少しでもリズムを乱せば、米国といえども付け入る隙は生まれるはずだ。

好き勝手に、気持ちよく攻撃できるような状況を米国に作らせては立ち向かうのは難しい。真鍋ジャパンがどのような戦略を持って米国と戦うか注目したい。

スポーツ記者

1985年生まれ、大阪府箕面市出身。中学から始めたバレーボールにのめり込み、大学までバレー一筋。筑波大バレー部でプレーした。2008年に大手新聞社に入社し、新潟、横浜、東京社会部で事件、事故、裁判を担当。新潟時代の2009年、高校野球担当として夏の甲子園で準優勝した日本文理を密着取材した。2013年に大手通信社へ。プロ野球やJリーグの取材を経て、2018年平昌五輪、2019年ジャカルタ・アジア大会、2021年東京五輪、2022年北京五輪を現地で取材。バレーボールの取材は2015年W杯から本格的に開始。冬はスキーを取材する。スポーツのおもしろさをわかりやすく伝えたいと奮闘中。

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