「11時に建物の入り口でお待ちしています」

そう言われて訪れた取材先は、「藤沢駅」から徒歩12分の閑静な住宅街にある「古びた工場」。

立ち入ると、終始「キーキー」「ゴリゴリ」と謎の音が響き渡るフロアに、透明な波板で区切られたな奇妙なブースが並んでいました。“工場としては使われていない”ようですが、なぜか人が次々とやってきます。

ここは一体…

「一昨年閉鎖となった町工場を『創作活動を楽しむためのシェア施設』にリノベーションした『KIKI BASE FUJISAWA（キキベースフジサワ）』です」と話すのは、運営元の「株式会社エンジョイワークス」の田島さん。

1階部分を階段から見下ろすとこのようになっています。

建物は契約者以外でも立ち入ることが可能。

1階中央がフリー席の作業場。その奥には、ひと区画ごと仕切られた「シェアアトリエブース」が並びます。

「1階2階あわせて43ブースあり、現時点で約6割が契約済みです。ブース内はDIYが可能で、道具や作品を並べる棚を設置することもできます」と説明する田島さん。

照明制作・ガラス創作・陶芸・3Dアートなど、各分野のクリエイターから趣味でモノづくりをする人までが幅広く利用していると言います。

「元は電子部品の製造工場」という特性から、ほかのシェア施設では難しい「音の出る作業＆木工作業もOK」とのこと。作業場探しに難航する木工作家さんからはとても喜ばれているそうですよ（施設内は火気厳禁）。

1階には、再生素材やオーガニック素材、アップサイクル商品を通し海と環境のことを考えるきっかけとなるブランド「After blue（アフターブルー）」のブースもありました。

「創作専門」に特化したシェアスペースではありますが、事務所としての利用や法人契約、ワークショップ開催なども可能。田島さんは「規約に合う利用方法なら、使い勝手は無限大」と言います。

2階も基本的には1階と同様の造り。

各作業ブースのほか、共同で使える洗い場や工具などもそろいます。

ちなみに『KIKI BASE FUJISAWA』には「人が多く訪れる理由」がもうひとつあります。それは...

1階に人気カフェ『VANCOUVER COFFEE ROASTERS（バンクーバーコーヒー ロースターズ）』が備わっていること。一般客の利用はもちろんのこと、『KIKI BASE FUJISAWA』を利用する人の休憩スポットとしても重宝しそうですよね。

「怪音轟く“古びた町工場”」こと『KIKI BASE FUJISAWA』。その中には、創作活動から生まれる作品とカフェを楽しむ人の姿がありました。

同施設では、地域の人と交流を深めるワークショップやマルシェなどイベントの開催もしています。詳細は公式Instagram（外部リンク）で随時配信されますので、フォローのうえチェックしてくださいね。