11月の消費者物価指数(除く生鮮)は前年同月比2.5%の上昇に
総務省が22日に発表した11月の消費者物価指数(除く生鮮食品、コア)は前年同月比で2.5%の上昇となった。伸び率は2か月ぶりに前月から縮小し、2022年7月の2.4%以来16か月ぶりの水準となった。
生鮮食品を含む総合指数は2.8%の上昇、生鮮食品とエネルギーを除いた総合指数(コアコア)は3.8%の上昇となった。
品目別では生鮮食品を除く食料品が前年同月比で6.7の%上昇となり、10月の同7.6%から伸び率が縮小した。伸びの縮小は3か月連続となるが、価格転嫁の動きが落ち着いてきた。
政府の負担軽減策や燃料価格の低下で「電気代」や「都市ガス代」の下落幅が拡大したことも上昇幅の縮小に繋がった。
人件費の増加が反映されやすい「サービス」の上昇率は2.3%となり、消費税率引き上げの影響を除くと1993年10月の2.4%以来、30年1か月ぶりの高い水準となった。
「サービス」の部分は粘着性が高いといわれ、これにより企業物価指数のように急速に上昇幅が縮小してくることはむしろ予想しづらくなっている。
宿泊料が主導する形ではあるが、より人件費のウエートが大きい「持家の帰属家賃を除くサービス」は前年同月比3.4%の上昇となっている。
ある意味、日銀が目指しているような状況となっていることはたしかであり、サービスの部分で2%を超えて推移しているにもかかわらず、日銀が正常化に向きを変えることすらしていない姿勢に疑問を投げかけることとなろう。