【名古屋市千種区】陰陽師 安倍晴明を祀った神社が名古屋に?!「晴明神社」に行ってきました
安倍晴明は現代でも突出した人気を誇る実在した平安時代の陰陽師ですが、実は晴明公を祀った神社が名古屋にあります。
2024年4月19日に映画「陰陽師0」が公開され、NHK大河ドラマ「光る君へ」にもユースケ・サンタマリアさん演じる安倍晴明が出ていますし、再び晴明公が注目を浴びています。そんな安倍晴明公を祀った「晴明神社」に行ってきました!
晴明神社は名古屋市千種区清明山にあります。バンテリンドームナゴヤ(ナゴヤドーム)の南東すぐそばの住宅街にちょこんと鎮座する、とても小さなかわいい神社です。「ナゴヤドーム前矢田」駅で下車、バンテリンドーム6番ゲートより徒歩5分の所にあります。
かわいらしい神社ですが、看板の赤い五芒星を見るとちょっと緊張感が! ただの神社ではない、陰陽師を祀った神社なのだというオーラが伝わってきます。
入口には階段とスロープがありますが、スロープは幅がちょっと狭いのでご注意を。
入口階段の壁には晴明神社の起源や晴明公に関する資料が掲示してあります。
境内のあちこちに五芒星(晴明桔梗印)があり、お賽銭箱も黒地に赤い五芒星が描いてあってちょっと普通の神社とは雰囲気が違います。10人も入れば大混雑という感じがしそうな境内ですが、紅葉の新緑がとても瑞々しい、美しい神社です。
「晴明神社」というと京都にあるものが一番知られていますが、全国各地の晴明公ゆかりの地に彼を祀った神社があるそうです。名古屋の晴明神社の掲示によると、晴明公は987年(晩年の67歳の時)にこの地、尾張国狩津荘上野邑に移り住んだそうです。この付近はその昔湿地が多くマムシが多数出た為、晴明公が祈禱をして退治された事からこの地に神社が建てられたと伝えられているそうです。
掲示物によると、晴明神社の起源は1778年(安永7年)にここに作られたほこらだそうです。江戸時代になってまたマムシに悩まされた村人達が晴明公の伝説を思い出し、晴明の神霊を勧請し、晴明を祀る塚とほこらを建てたところ、途端にマムシはいなくなったそうです。
手水舎の柄杓にも五芒星! ここに書いてあった掲示物によると、手水舎の水は普通の水道水ですが、不思議な事にカルキ臭が全くしないとの事です。「晴明神社の七不思議」の一つだそうですが、名古屋市内で雨が降っていても晴明神社に来ると降っていないなど、いろいろあるそうですよ。
なんとなくかっこいい雰囲気で気分も上がる神社です。男性は向かって左側の狛犬、女性は右側の狛犬の自分の体の気になる所と同じ所を撫でると効果があるとされているそうです。
この黒いお賽銭箱の存在が、ピリッとした緊張感を与えます。「中二心」を刺激するデザインです。
境内には陶器でできたテーブルと椅子の休憩所もあります。
安倍晴明公の像がありました。夢枕獏氏の小説「陰陽師」シリーズで付いた、現代の「イケメン陰陽師」のイメージとはかけ離れていますが、実際に晴明公が陰陽道で名をはせたのは中高年になってからだそうです。なお夢枕獏氏の小説原作の映画「陰陽師」が2001年に公開されると安倍晴明ブームが起き、以来この神社は若い女性の参拝客が多いそうです。
晴明神社は安倍晴明公を祀っているので、演目で安倍晴明公を演じていたフィギュアスケートの羽生結弦選手のファンの聖地巡礼スポットとして一時話題になりました。今も変わらないようですね。
境内の掲示板には晴明神社を扱った新聞記事などが貼ってありました。記事にあるように、恋愛成就を祈願する「恋の三社巡り」の神社の一つに当初は晴明神社も入っていたのですが(他は同じく千種区の「城山八幡宮」と「高牟神社」)、社務所に職員が常駐している訳ではないので、北区の「山田天満宮」に替わったそうです。「恋の三社巡り」は地元の女子高生の発案によるものだったそうです。
晴明神社の社務所の開所日は「火・木・土・日・祝日」となっています。残念ながら私が訪れた日は閉まっていました。呪符のお守りが大人気だそうです。御朱印やステッカー、清め砂などいろいろ販売しているようです。
社務所が開いているときはおみくじも引けます。おみくじを結ぶ所も五芒星!
「全国晴明関連マップ」というものも貼ってありました。こんなにあるんですね!
以前御神木の松の木が台風のため傾いてしまい、神殿を守るためにやむなく切ったそうです。その御神木の供養とお呪い(まじない)を兼ねて、願い事を唱えながら御神木跡の周りを男性は左回り2回、女性は右回り2回回ると願いが叶うそうです。
御神木跡には傘がさしてあり、根元にはハートがいっぱい! 恋愛成就の神様だからでしょうか。
神社の隣には大きな「県営清明山住宅」が建っています。この一帯は「清明山」という地名なので、安倍晴明がこの地に住んでいたのだという伝説に説得力を与えます。
戦時中に陸軍の兵士がここにあった晴明公のほこらを移設しようとすると、その兵士が高熱を出したそうです。戦後になり、県営清明山住宅の建設の際にほこらを撤去したところ二度の事故が起こったので、県営住宅完成後の1957年(昭和32年)に入居者たちが「きちんと晴明公をお祀りしよう」と社殿と鳥居を建てて神社としての体裁を整えたそうです。
晴明神社の近くには晴明公の一族が菅原道真公を祀って建てたとされる「上野天満宮」があります。晴明神社の社務所にはこちらから出張しているようです。こちらは堂々たる大きな神社で、「晴明殿」という結婚式場もあります。
私が撮影している20分ほどの間にもお参りに訪れる方が結構いらっしゃいました。小さな神社ながらも地元のパワースポットとしてかなり人気があるようです。
実際にいた日本史上の人物の中で、現在最も人気のある一人となった安倍晴明公ゆかりの晴明神社は、一味違う魅力的な神社です。陰陽パワーをもらいにお参りしてみては?
晴明神社
住所:〒464-0087 愛知県名古屋市千種区清明山1-6
社務所営業時間:火・木 13:00-16:00 土・日・祝 10:00-16:00
アクセス:地下鉄名城線「ナゴヤドーム前矢田」駅下車、バンテリンドーム6番ゲートより徒歩5分