子供同士の付き合いで新しい友達との連絡手段、アメリカでは何が使われているのか
子供時代においては新しい学校への入学やクラス編成替えをはじめ、新たな友達を創る機会が生じる場面は多々存在する。今後もこの人と連絡を取りたいと思った時、子供達はどのような情報を相手に手渡すだろうか。大人のように名刺交換を行うわけでもなく、気になる話ではある。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerが2015年8月に発表した報告書「Teens, Technology and Friendships」(2014年9~10月に電子メールでの応対方式。13~17歳の男女が対象。有効回答数は1060件)を元に、同国の子供達における友達同士の意志交換のための情報ツール事情を確認していく。
次に示すのは自分を特定できる情報を列挙し、新規の友達にどのような情報を優先して渡すか、あるいは渡しているかを上位3つ、順序立てて挙げてもらったもの。見方を変えれば、今のアメリカ合衆国の子供達において、どのような手段が意志疎通のツールとしてよく利用されているかが分かる内容でもある。わざわざ滅多に使わないルートの手法を、好んで今後友達になりたい人に手渡す人もいないからだ。
もっとも多くの人が挙げているのはSMS(ショートメッセージサービス)をやりとりするための電話番号。これをトップに挙げている人が54%、2番目が18%、3番目が8%で、上位3位までで8割を占めている。相手がスマートフォンを持っていなくとも従来型携帯電話であれば送受信が可能でやりとりができ、さらに直接の通話よりも面倒が無くて良い。要は一番普及率が高く、容易に直接やり取りできるツールとの認識がなされている。
相手が使える可能性が高いとの観点で、SMSに続くのはソーシャルメディアのアカウント名。これが18%・26%・17%で、合わせて61%。さらに通話用の電話番号が合わせて52%で続く。
電子メールアドレスはトップで6%、全部合わせても39%でしかない。今や若年層では電子メールアドレスを持っていない人、それどころか存在をぼんやりとしか認識していない人も多い状況は、ネタ話として良く持ち上がるが、今件調査結果でSMSやソーシャルメディアのアカウントより下にあるところを見ると、あながち冗談とも言い切れなさそうだ。
これを男女・年齢階層別に見たのが次のグラフ。
SMSや通話番号は男女共にほぼ変わりはないが、ソーシャルディアのアカウントは年上の方が、そして女子の方が手渡す率は高め。さらにメッセンジャーのユーザーネームも女子の方が高い。一方でゲーム内のハンドル名は圧倒的に男子の方が上となっている。
これはアメリカの子供におけるコミュニケーションスタイルでは、男子はオンラインゲーム、女子はソーシャルメディアをはじめとした「文章によるおしゃべりツール」を多用する傾向があるからに他ならない。そして多分に「友達」となるのは同性である以上、相手も自分と同じ利用性向を有すると考えるのは当然の話である。
一方、男女、年齢を問わず、電子メールアドレスはソーシャルメディアやSMSと比べて低い値に留まっている。電子メールがアメリカの子供達の間で廃れつつある状況は、男女を問わず、年齢を問わず、であるようだ。
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