FPが教える「老後資金2000万円の蓄え必要(金融庁)」の意味

写真はイメージ(写真:アフロ)

金融庁が老後資金2000万円の蓄えが必要と発表し話題となっています。ですが、FPの多くは10年以上前から老後資金2000-3000万円を作りましょうと指摘をしてきました。専門家からすると、特に新しい材料は何も出ていません。おそらく一人の専門家ではなく、金融庁が発表をした(誰が言った)ことによって大きな話題性となったのでしょう。

私は2014/7/7に厚生労働省の「年金の日(仮称)」検討会に有識者として参加をして、老後必要金額を計算をしたことがあります。その時に計算をした金額と金融庁が発表をしている金額や方法は大きくずれていません。数字を最新のものに変えて解説します。

老後に必要な資金:老後の生活費が夫婦でどれくらい掛かるか

「総務省家計調査2017年」によると、高齢夫婦、無職世帯の1カ月の消費支出および非消費支出の平均額が26万3717円です。これは、非消費支出の税や社会保障の支払いや、住居費、医療費なども込みの金額です。こちらから65歳から90歳までの生活費の総額を出すと、約7912万円となります。これはあくまでも持ち家前提でのシミュレーションになりますので賃貸の場合はより生活費がかかる場合もあります。

この莫大な生活費を一体何で補うかと言うと、大部分は年金になります。各自が年金ネットなどで年金の金額を試算して、不足額を預貯金や労働などで補う必要があります。

計算根拠 家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)II 世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯)

https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy02.pdf

老後に必要な資金 職業別 パターン

1番目が、一方が厚生年金で、一方が被扶養者であった夫婦というパターン。

例えば、夫が会社員で妻が専業主婦というご家庭の場合など。

このケースで、65歳からの夫婦2人で標準的な年金額は、月額で22万1504円です。

夫が会社員で、平均的な報酬(賞与含む月額換算)が42.8万円で40年間就業したケースです。

この場合、65歳から90歳までの年金の総額が約6645万円になります。

計算根拠 H31年金額 厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/000468259.pdf

先ほどの生活費の総額から引くと、不足額が1267万円になります。

こちらの不足額を老後の資金として貯蓄などで貯める必要があるということになります。

2番目が、自営業者の夫婦の場合というパターン。

自営業者で国民年金のみの夫婦などです。

この場合、65歳からの標準的な年金額が1人当たり月額6万5008円ということで、2人分で13万16円になります。

同じく、65歳から90歳までの年金の総額が約3900万円となります。生活費を引くと、不足額、老後に必要な資金は約4012万円となります。会社員と比べ、多くの貯金が必要になってきます。

ただし、自営業者の場合、70歳まで働く、あるいは、元気な限りずっと働くというケースも多いですので、自営業者の場合で70歳まで働く場合も出しました。

この場合、年金総額が同じく3900万円で、生活費のほうが70歳から90歳までの20年間の生活費が約6329万円になります。

こちらを差し引くと、不足額が約2429万円となります。

このようにして、老後に必要な資金というのが、老後の生活費と年金額から試算をすることができます。

こちらはあくまでも平均的な金額なのですが、ご自分の場合で出す場合は、現役時代の生活費を参考にし、現役時代と比べて7割で計算します。年金額はねんきんネットで将来の年金額を試算し、ご自分のケースでシミュレーションをすると、より正確な老後に必要な資金を算定することができます。また、賃貸か、持ち家かによって金額は変わりますし、医療費や介護などの備えも1000万円前後備えておきたいところです。また、人生100年時代とも言われ、若い世帯では100歳以上まで生きることが予測されるので不足額はより膨らむ可能性もあります。