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紫陽花名所・三千院と惟喬親王墓

山村純也京都の魅力を発信する「らくたび」代表
天台三門跡寺院のひとつ三千院の山門

秋には紅葉の名所としても知られる大原。この季節は三千院の紫陽花が見頃を迎えています。アクセスは地下鉄国際会館駅、もしくは京阪電車の出町柳駅から京都バスが便利です。大原のバス停の少し手前の「戸寺」のバス停で降りると、徒歩400mほどで惟喬親王の墓参道の石碑が見えてきます。

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山際に向かって進むと、のどかな山道となり、石碑から10分足らずで宮内庁が管理する惟喬親王墓にたどり着けました。惟喬親王は平安中期の文徳天皇の第一皇子で、父にその才能を愛されながらも母親が紀氏であったことから後継者となれず、母親が藤原氏であった第四皇子の惟仁親王(後の清和天皇)が皇太子となりました。その後、政争を避けて都を離れて暮らしたとされる惟喬親王は、滋賀県の小野、洛北、水瀬、この大原など各地を転々とし、「木地師の祖」と呼ばれるような逸話も残しました。

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そんな惟喬親王が建立した寺院はこの地には複数あったとされ、その寺院の仏像を今に伝えているのが、横の大杉が目印の浄楽堂という町の人々が守っているお堂です。残念ながら堂内は非公開ですが、成人の日や8月後半の日曜日など年に2度ほど公開されるとか。内部に祀られている平安後期作とされる美しい十一面観音立像は、ぜひ機会があれば見てみたいものです。

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その後、大原全体が見下ろせるのどかな山際の道を5分程進むと、三千院に向かう道路に合流でき、途中には上京区から2012年に移転をしたことでもニュースとなった出世稲荷神社が見えてきます。現在は社務所にて堂本印象の龍の絵も無料公開しているのでぜひお立ち寄りください。神社を出ると徒歩5分ほどで三千院に到着。紅葉の時期とは違って静けさが漂う境内の奥には、まさに今見頃を迎えた紫陽花苑が広がっていました。この時期は苔が一番美しい時期でもあります。往生極楽院前の苔の間にそっと顔をのぞかせるわらべ地蔵も探してくださいね。

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京都の魅力を発信する「らくたび」代表

1973年、京都生まれ。立命館大学在学中にプロの観光ガイドとして京都・奈良を案内。卒業後は大手旅行会社に勤務。2006年4月、京都観光を総合的にプロデュースする「(株)らくたび」を創立。以後、ツアープロデューサー、ツアー講師として活躍。2007年3月に「らくたび文庫」を創刊。現在、NHK文化センター、大阪シティーアカデミー、ウェーブ産経、サンケイリビング新聞社の講師、京都商工会議所の京都検定講師も務める。著書・執筆に『幕末 龍馬の京都案内』、『京都・国宝の美』、『見る 歩く 学ぶ 京都御所』(コトコト)など。京都検定1級取得。

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