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流行語大賞ノミネート「蛙化現象」は婚活現場でも!コロナ禍や推し活ブームも影響

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(提供:イメージマート)

■流行語大賞ノミネートの「蛙化現象」は婚活でも!

先日、話題となった「ことば」を選ぶ「ユーキャン新語・流行語大賞2023」のノミネート30語が発表されました。

その中に、「蛙化現象」ということばがあり、「Z総研2023年上半期トレンドランキング」にもランクインしていました。

Z世代と呼ばれる若い女性を中心に使われている恋愛用語で、おとぎ話における「お姫様が待ち望んでいた王子様が、いざ迎えに来ると蛙になってしまう」というイメージから、「片思いの相手が振り向いて両想いになれたり、相手から好きだと言われると、気持ち悪いと感じてしまう」という心理を指しています。幼さゆえに、恋に恋するだけで、勝手に冷めたり逃げたりしてしまうのが本質です。

でも、実は、婚活現場でも同様のことが起こっています。結婚相談所の交際はお互いがマッチングしてこそのお見合いや交際ですから、片方が片方を一方的に追いかける片思いとは違うように見えるのですが、恋愛経験が少ない人や異性と真正面で向き合うことが苦手な人は、蛙化現象に似た心理になりやすいもの。この「婚活蛙化現象」について、事例を交えてお伝えします。

■蛙化現象に陥りがちな女性の特徴とは?

20歳から30歳くらいの女性の場合、コロナ禍による学生時代の人間関係、社会的な距離感が広がったことが背景のひとつです。生身の男性を知らないまま、アイドルやアニメ、SNS、ゲームなどのバーチャルな世界にハマっていくと、現実の男性よりもそちらのほうが身近となり、理想どころか、それが当たり前となってしまいます。その結果、生身の人が自分に好意を抱いて近づいてくる、という現実に生々しさや嫌悪感を抱く結果に。

例えば、男兄弟がいたり、授業やサークルなどで異性と交流したり、同じ職場の同僚に様々な世代の男性がいたりすると、性別を意識しすぎずに自然な交流ができます。その中で、感謝する出来事や尊敬する部分が出てきて人間性に惹かれれば、違和感なく恋愛に発展するはずです。推し活のような一方的な視点ではなく、食事や雑談を楽しむ場を設けたり、一緒に趣味の時間を過ごすなど、まずは交流する場を持つことが対処法になるでしょう。

婚活の場合、出会って3か月~半年で成婚するケースもあり、「とんとん拍子で進んでいるけれどまだ向き合う覚悟ができていない」「気持ちがついていかない」という場合も。その結果、真剣交際になった途端に、マリッジブルーのような感覚に陥る方もいます。

こういうお悩みを持つ方には、「すぐに恋愛しなくてもいいんです」「ラブラブ状態にならなくてはいけないと思い込みすぎないで」とお声がけします。結婚は生活の一部ですから、はじめは友人とシェアハウスをするような気持ちでもいいのです。価値観の変化や成長を待ってくれて、ゆっくりと寄り添ってくれるような優しい男性と出会える場所で婚活をしていただくことをおすすめします。

■破談4回!女子高育ち&アイドルファンの女性が成婚したお相手は…

27歳の婚活女性は、幼いころからアイドルファンで女子高育ち。年収は600万円もあり、清楚で印象の良い方でしたが、男性とご縁がありませんでした。婚活では、お見合いや仮交際までは明るくお話が弾んで縁談が進むものの、真剣交際に入ると足踏み状態になり、お相手が待ちきれず破談になる……という状態を4回も繰り返してしまいます。

話を聞いてみると、「デートは楽しいけれど、一対一で向き合って見つめ合ったり、手をつないだりすると、生々しく感じてしまう。体毛があったり、息をしていたり、匂いがあったりするのを感じると、男臭くて拒否したくなってしまう」というのです。そこで私は、それ以降のお見合いで、より詳しく状況を確認することにしました。

次にマッチングしたのは、穏やかで物腰の柔らかい男性で3歳年上のシステムエンジニアでした。交際2か月半になったとき、彼女がまた交際を引き延ばし始めたので、「彼のどこが気になるのか正直に言って。なんとかなることなら、私が交渉してきます」と提案しました。彼女は「いい人だけど、髭や体毛を近くで見るとムリ」というので、相手の結婚相談所に「実は、どうしても〇〇様の体毛が受け入れられないということでして、出来ましたら脱毛をしていただけないでしょうか。。。」と相談しました。破談もやむなしと覚悟しましたが、彼は受け入れてくださったのです。

彼女は、「僕で良ければ、喜んで脱毛でもなんでもしますよ」と言った彼の優しさ、そしてデートでツルツルの肌を見て感動し、彼と向き合う未来が見えたそうです。相手としっかり交流し、幸せな未来を想像できれば回避できるという事例のひとつです。

蛙化現象に陥りがちな自分に悩んでいる方は、たくさんの出会いだけでなく、ひとりひとりの相手とじっくり向き合える婚活スタイルに挑戦してみることをお勧めします。

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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