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世界陸上でのプロポーズが話題に!対照的な日本でのプロポーズの最新事情とは!?

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(写真:アフロ)

■陸上・世界選手権で競歩選手同士のプロポーズが話題に

ハンガリー・ブダペストで行われた陸上・世界選手権で、35キロ競歩のレース直後に永遠の愛を誓い合ったというニュースが話題になりました。女子選手が28位でフィニッシュすると、先にゴールしていた男子選手がゴール地点で待っていて、驚く彼女を抱き止め、ひざまずいて指輪を渡したとのこと。世界陸連は公式SNSで「愛は競争でありませんが、今日はこの2人が優勝しました」と祝福。すると動画は瞬く間に拡散されたそうです。

記念に残るサプライズプロポーズは素敵ですが、奥ゆかしさを美徳とする日本では、日常的な落ち着く場所でのプロポーズが人気です。結婚相談所では、「年内に結婚」を決意する場合が多く、秋冬のシーズンにプロポーズが増える傾向にあります。秋の足音が聞こえ始めた今、プロポーズの最新事情をお伝えします。

■日本では、プライベート感と非日常の良いとこ取りが人気

まず昨今の流れとしては「地味婚」ならぬ「地味プロポーズ」が増加傾向です。コロナの影響もあり、レストランの営業が不安定となったことから、「自宅などリラックスできる場所で二人きりでいる時に伝えてほしい」と考える方が増えたのも一因です。地味プロポーズにした分、エンゲージリングはワンランク上に……と予算配分にメリハリを付ける方もいらっしゃいます。

私の結婚相談所では、プロポーズを儀式や記念日として大切に扱いますので、主に女性側の希望を尊重する形で、希望のプロポーズをサポートしています。主流となるシチュエーションは、夜景が見えるおしゃれなレストランのプロポーズですが、周囲に見られるのが恥ずかしいからと、密室や個室を好む方が多い状況です。都心と言えど景色の良いレストランの個室は限られていますから、婚活アドバイザーとしてお膳立てをしようにも、プロポーズの希望日に希望の場所をおさえるのが至難の業……ということも。

そこで最近は、リムジンをレンタルしてのプロポーズを提案すると喜ばれます。運転手付きでお迎えに来てもらい、いつもとは異なる豪華空間を楽しめて、好みの場所・時間に密室でのプロポーズが可能。“密室で落ち着く”地味プロポーズと、“記念になる非日常感”の派手プロポーズの良いとこ取りができ、今後、より増えていくのではと予想しています。

■超遠距離&デート1回でプロポーズの事例も

一方で、冒頭の競歩選手の例も海外カップルでしたが、海外経験のある方は情熱的なアプローチが得意な傾向があり、それはプロポーズも同じです。

実際、私の結婚相談所の会員様の例では、南米で仕事をしている男性と、国内在住の女性がマッチング。12月に日本でお見合いをし、南米に戻った後は毎日3時間のテレビ電話でコミュニケーションを取り合い、オンラインで友人を紹介したり、衣食住を見せ合ったりと濃厚なコミュニケーションを取っていました。翌1月半ば、日本に帰国した彼を彼女が迎えに行くと、そのまま空港近くの高級ホテルへ。するとロマンティックな夜のチャペルを貸し切りにしてあり、情熱的なプロポーズがあったのだとか。翌月には、彼の待つ南米へと飛び立ち、幸せに暮らしていらっしゃいます。

■プロポーズは「共同作業」と考えて!サプライズも丸投げもNG

私は、結婚を前提に交際する2人にとってプロポーズはサプライズではなく、儀式として「一緒に記念日を作る日」と捉えることをお勧めしています。私との共著でもご一緒した、大ベストセラー『「育ちがいい人」だけが知っていること』著者の諏内えみさんは、エスコートされる場合は上手に受ける技術が必要で、プロポーズも同じとおっしゃっていました。私も常日頃プロポーズをお受けする側が、上手に理想のプロポーズへ誘導することが重要と申し上げています。

ある婚活男性は、結婚相談所で出会った女性と交際していましたが、「プロポーズを見据えて真剣交際を希望します」と伝えると女性は驚き、「今までそっけない態度だったのであまり興味を持っていただけていないと思っていた。気持ちが追い付かないのでお断りを」というお返事でした。それぐらい意思表示をしてこなかったということです。婚活で出会い、結婚を前提に交際を進めていれば結婚に進むだろうと思うかもしれませんが、交際中から好意を伝え合わなければプロポーズにも成婚にもたどり着けません。

そしてプロポーズの段階になった場合、女性からでももちろん良いのですが、多くの方は男性からエスコートをされ、プロポーズされたいと願います。でも、ただ待っているのではなく、交際中から「こんなプロポーズって素敵!」「こんなプロポーズにあこがれているんです」と伝え、一緒に考えていくものだと思っていただきたいのです。

実は、既婚女性にお聞きすると「プロポーズはなかった」と答える方も多い。結婚の意志は伝わって結婚に至ったけれど、自分が思い描いていたプロポーズのイメージとは違ったから、そう認識していないのです。プロポーズを大切に想うからこそ、お互いサプライズは期待しない。お相手に丸投げは卒業して、相談して共同で行うものと考えましょう。

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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