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しずちゃん結婚に学ぶことは?錯綜し交差する40代男女の結婚願望

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(写真:Keizo Mori/アフロ)

■南キャン“しずちゃん”が深夜ラジオで結婚宣言して話題

お笑いコンビ・南海キャンディーズのしずちゃんこと、山崎静代さん(43歳)が、俳優の佐藤達(とおる)さん(47歳)と婚約したことを発表されました。21年6月の舞台共演をきっかけに、今年3月に交際開始。結婚の挨拶も済ませ、近々婚姻届を提出する予定とのことです。おめでとうございます。

また、山崎静代さんは「40歳くらいで結婚したい」と周囲に話していたとも報じられていて、婚約発表をした深夜ラジオでも「舞台で共演して、お芝居がすごいなと思って(中略)私から追いかけて初めて振り向いてくれた人」と語り、交際は自身のアプローチから始まったことを明かしていらっしゃいます。

山崎静代さんはテレビ番組では恋愛経験が少なく、プライベートでは口下手で奥手であることも明かしていましたが、結婚したいと意識し始めてからは積極的にアプローチしたということ。結婚相談所に入会してからも相手のアプローチ待ち姿勢のまま……という女性にお伝えしたい好例です。

また、多くの婚活女性は、「収入・年齢・学歴」という3大条件から、お相手を絞り込んでいきます。その内容が高望みであればなかなかマッチングが難しくなりますが、項目としては、数値化できる明確な条件として、婚活現場では当たり前の項目となっています。

一方で山崎静代さんは相手の佐藤さんに対し、実力やセンスという同業者だからこそ感じられる中身の相性に絞って、積極的なアプローチをされています。芸能界の事例ですから一般的な婚活と単純比較できるものではないと思いますが、社会的に成功した40代以上の女性が、「収入・年齢・学歴」という3大条件から離れ、数値化できない独自の視点でマッチングしてみるのも、違った世界が開けるのかもしれません。

結婚相談所で担当した例では、42歳の女性医師で、プロフィール文だけを見てお相手を決めたいという方がいらっしゃいました。年収や年齢はもちろん、顔も見ずにお見合いを決めました。結果、ゲームが趣味という一般会社員の男性と、お会いしてからお互いの価値観をすりあわせたことで、幸せな結婚生活を継続されています。

■婚活目線で見る、「40代男女の結婚願望」

40代という年齢は、男女ともに結婚願望がある同士で出会う婚活現場でも同床異夢にすれ違うものですが、どういったマッチングが成婚に結び付くのでしょうか? 続いて、お二人の年齢に注目しましょう。

あくまで婚活現場での所感ですが、男性の結婚願望は、平均初婚年齢~30代後半に大きな波が来ていて、40代に入ると「結婚してもしなくてもいい、むしろ、よっぽどのことがなければこのまま独身でいい」という考えになる方が多いです。そのまま独身で過ごし、一部の方は、50歳の壁を前にもう一度、結婚願望が再燃する印象です。

一方で、女性の場合は出産を意識した壁があり、35歳、40歳が一つの区切りとなっているのですが、40代前半はまだ出産可能、子供が欲しいなら最後のチャンス、と考える方も多くいらっしゃいます。40代前半で婚活と同時に妊活し、すぐに妊娠出産したいという方もいます。一方で、「もしかしたら子供はできないかもしれない。だからこそ、子供がいてもいなくてもいいと思えるような人と出会いたい」と考える人も増え始め、内面の相性を見極めたいと考えはじめる人が多いのもこの年代です。

昨今は50代の婚活が増えていて、50代再婚男性が20代女性とマッチングする例もあるにはありますが、子育て・子作りを前提としない同世代同士が、パートナーシップの構築を目指す例もあります。趣味や話題、センスが合い、残りの生涯において“茶飲み友達”になれるような相手を望む、そんな大人の婚活事例も増えてきています。

■ワインにグルメ・・・似た者同士40代カップルの婚活事例

南海キャンディーズの相方・山里さんは「(しずちゃんと)同じ空気、同じ時計な感じがする」とコメントされていたと言います。

婚活現場でも、40代の似た者同士カップルに、こんな事例がありました。48歳の商社マン、年収1800万円の男性と、43歳ITコンサル、年収1000万円の女性の40代パワーカップルがマッチング。3回のデートでスピード結婚を決めました。

男性は転勤族であちこち飛び回って仕事をしてきて、40代前半で日本に戻ります。しばし独身貴族として過ごし、ワインソムリエの資格を取り、料理とのペアリングに凝るなどしていましたが、コロナ以降に孤独感から婚活を始められました。女性も国内外の転勤を経験して、旅行やグルメが大好き。デートに行く店のフィーリングが合い、選ぶワインのセンスが好みだった、と言い、二人とも驚くほど軽やかにスピーディーに、気軽に成婚を決めたのです。

お二人に決め手を聞くと、「お互いがお互いの負担にならないこと。年収に寄っかかってくる相手や依存してくる相手だと、相手のために自分を変えなくてはいけないと結婚のイメージがわかなかった。しかし、二人ともが自立していて、仕事も地位も稼ぎもあるので、似た者同士で気軽に結婚していいと思えた」というのです。子供が出来たら出来たでどうにかなるし、出来なければ出来なくても、二人で今のライフスタイルを継続していけばいい、と思えたのも大きかったようです。

また、男女ともに40代以上になると、男性から見て、性別を超えて尊敬できる女性であることがプラスに働くケースが多々あります。

特に、年収1500万円、2000万円、士業や経営者というバリキャリ女性の場合、これほど知的で成功されている女性ってどんな人だろうと半ば興味本位で、お見合いを申し込んだ、という男性もいらっしゃいます。実際にそういったハイクラスな女性とマッチングするのは、男性が若くて容姿端麗であったり、逆に、似た者同士の知的で社会的地位の高い男性であったりと様々です。

40代まで仕事に打ち込んできた働く女性が婚活する際は、自分のキャリアが自分の魅力になるとお伝えしています。婚活でも、経済的・精神的に自立していること、仕事の成果も、生き方の一つであり、輝く魅力になります。そういった部分を婚活でのプロフィールで強調していただきつつ、積極的なコミュニケーションや、相手をリードできる人間力をアピールしていただくのがよいでしょう。

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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