■増加するオンラインでの出会い…トラブルは少なくない

長引くコロナ禍で、オンライン婚活を始める人が増えています。特にほぼ無料で気軽に繋がれるマッチングアプリの使用率は婚活現場の体感でも、かなり増えてきている印象です。

一方で、一部にはトラブルも聞こえてきています。先日のニュースでは、マッチングアプリで知り合った就職活動中の大学生や会社員の女性に睡眠作用のある薬を飲ませて性的暴行を加えた31歳の男が再逮捕されたと報じられました。被告男性の逮捕は9回目で、スマホにはおよそ40人の裸の女性の写真が残っていたことから、警視庁はまだまだ余罪があるとして調べているそうです。

初公判を終えたばかりで、今後あらたな情報が出てくる可能性もありますが、現時点で分かっている内容を踏まえながら、マッチングアプリや婚活アプリを使用する際に気をつけなければならないことについて解説していきます。

■まず確認したい「プロフィールと利用目的」のウソ

各マッチングアプリがセキュリティ強化をしているとはいえ、「なんの保証もない、知らない人に出会う」ということには、一定の危険性やリスクを伴います。個人的には婚活目的での利用はおすすめしていませんが、自己判断で使用する場合、まず個人でできる対策として確認したいのは、次の2つです。

・プロフィールにウソがあるか?

・自分の利用目的と合っているか?

まずは「プロフィールにウソがあるか?」。

結婚相談所では「独身証明書」や「収入証明」の提出が必須のため、身分を偽ることはほぼ不可能です。その代わり、書類をそろえる手間や、入会金や月会費がかかるというデメリットもあります。一方で、多くのマッチングアプリはユーザー個人が自由に書き込める“自称プロフィール”が可能なので、既婚者が独身のふりをする、職業や年収の欄に虚偽の内容を書き込むことも起こりえます。

続いては「自分の利用目的と合っているか?」。つまり、主催者側や相手となるユーザーの目的と、自分自身の利用目的のマッチングが合っているかを確認しておきましょう。

マッチングアプリの場合、女性側はあくまで「婚活アプリ」として登録し、「まずは気軽に会って、好きな人に出会えばいずれ結婚したい」と考えるケースが多いです。しかし、男性側は「気軽に後腐れがない女性を探したい」と、「出会い系」として登録していて、男女それぞれに違った広告を出しているケースもあります。同じ「気軽に会いたい」という文面を使っていても、出会いの目的のミスマッチングが起こってしまうケースを見聞きします。

今回の被告は4つのマッチングアプリを使い分けていたことが明らかになっています。そのうちのひとつ、「Matcher(マッチャー)」は就活アプリやOB訪問アプリと呼ばれるものの3大大手でした。こちらに限らず、どの就活・OB訪問アプリも、大手転職支援サービス等が運営しており、それなりのセキュリティ対策やアラート機能は搭載しているので一見安全に見えます。しかし実態は、別の目的で入り込むユーザーの拡大に対して、対策が後手に回っている印象もあります。2019年にも別のアプリで大手企業の元社員の男性が強制わいせつ等で逮捕されています。

また、今回の事件では被告が「課題を手伝おうか?」「就活対策をしようか?」と被害女性を誘っていました。こういった大義名分があると、密室に誘われたり、手製のカクテルを飲ませたりするような危険な香りがする行為に対して、目をつぶったり正当化してしまいがちなので、注意が必要です。

■婚活現場でマッチングアプリ利用の後悔を吐露する女性も……

私の結婚相談所にいらっしゃる婚活女性の中には、マッチングアプリを利用して痛い目にあったり、セクハラまがいのメッセージに困惑したことで、婚活方法を改めた方が多くいらっしゃいます。

特に多いのは、「一人暮らしだと思っていたら、実は既婚者の単身赴任だった。自分の両親に挨拶にも来ていたが、煮え切らない態度に父親が探偵を雇って発覚した」

「独身だと信じて海外駐在までついて行ったが妻子がいて、奥さんからの電話で不倫だと言われて気づいた」――いずれも相手が独身と偽って既婚者だったケースです。みなさん、どこかおかしいと思っていたものの、すでに性的な関係にあったことで情に流されてしまった、違和感に目をつぶってしまった、と過去の後悔を吐露されています。

とはいえ、今後賢く利用したいオンラインサービスは今後もあらゆるジャンルで増えていくことでしょう。オンライン婚活での出会いも拡大していくとは思いますが、まさに玉石混交の時代です。

トラブル防止のためにせめて実施していただきたいのが、初回デートの時点で「私は本気で結婚相手を探しているから」とはっきりと伝えることです。そこで相手が引いたら、そもそも出会いだけを求めているということです。

また本人確認書類を出してもらいましょう。免許証や保険証のコピーを持っておけば、けん制にもなります。収入証明や独身証明書を提出してもらいたい旨も伝えてください。結婚相談所の仲人がおこなう本人確認を、自分自身で実施するつもりで行うことで、相手のウソを見抜くことができます。プロフィールに保証がない相手というのはそれくらい警戒してしかるべきなのです。会社経営者を名乗っていれば会社概要や帝国データバンクに名前があるか、結婚前には法務局で財産や土地を確認するくらい慎重に。

悪質な利用者は一部でも、実際に少なくない数の被害者がいる現実に目を向け、自分の身は自分で守る気持ちで賢く利用していきたいものです。