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吉田正尚&大谷翔平の打球で再注目!上原浩治も戸惑った巨大フェンス・グリーンモンスター

上原浩治元メジャーリーガー
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ホームランを打たれたはずなのに二塁打で助かり、レフトフライに打ち取ったはずなのに二塁打になる―。投手目線の謎かけでもなんでもなく、そんなスタジアムがある。ご存じの方も多いと思うが、正解は米大リーグ、レッドソックスの本拠地であるボストンにあるメジャー最古の球場、フェンウェイ・パークだ。

 レフトにそびえ立つ巨大な高い壁「グリーンモンスター」の存在が影響している。ボストン市内に建つフェンウェイ・パークは変則的な形状をしており、極端に左翼が短く、左中間に膨らみもない。簡単に柵越えしてしまうので、高さ11.3メートルの巨大なフェンスが設置されている。

 巨大なフェンスがあるとはいえ、打ち取ったようなレフト後方のフライもすぐに壁に当たってしまうので安打になることがある。肌感覚としては、私のようにフライアウトが多いタイプの投手には不利に思えた。レッドソックス在籍時、メジャー最古の球場のノスタルジックな雰囲気はとてもお気に入りだったが、プレーする立場からは決して好きな球場ではなかった。

 冒頭の謎かけでは、投手にも損得の両方があるのは事実だが、個人的には、打ち取ったはずの当たりが二塁打になるほうが、巨大な壁に本塁打性の当たりを救ってもらうよりも嫌だった。

 もちろん、考え方は人それぞれだろう。打者にとっても、放物線を描くような滞空時間の長い大飛球しか壁を越えることは難しく、ライナー性の打球は完璧に捉えても、クッションボールの勢いがあると二塁にも進めないケースもある。

 そうはいっても、私自身は自分の投球スタイルについて、グリーンモンスターを意識して変えるとか、レフトに打たせないようにというような意識を働かせた投球をしたことはない。結局は、自分のスタイルで勝負をし、あとは球場の形によって幸運、不運があるのは受け止めるしかないと考えてきた。

 守備に関しては、グリーンモンスターは守りやすいといえるだろう。壁近くを守って、前に落ちる打球だけに反応することに集中できる。自分の後ろに上がった打球は壁に当たるので、後方を意識した守備を考えなくていいからだ。

 今季は、エンゼルスの大谷翔平選手がグリーンモンスター越えの一発を放ったり、レッドソックスでプレーする吉田正尚選手が何度もグリーンモンスター直撃の打撃を披露したりすることで、日本のニュースでも目にする機会が増えてきた。メジャーではそれぞれの球場の形状に特徴があることがほとんどだ。日本人選手の活躍が伝えられるニュースでは結果だけでなく、ぜひ、映像で打球の行方にも注目してみてほしい。

元メジャーリーガー

1975年4月3日生まれ。大阪府出身。98年、ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目に20勝4敗で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手4冠、新人王と沢村賞も受賞。06年にはWBC日本代表に選ばれ初代王者に貢献。08年にボルチモア・オリオールズでメジャー挑戦。ボストン・レッドソックス時代の13年にはクローザーとしてワールドシリーズ制覇、リーグチャンピオンシップMVP。18年、10年ぶりに日本球界に復帰するも翌19年5月に現役引退。YouTube「上原浩治の雑談魂」https://www.youtube.com/channel/UCGynN2H7DcNjpN7Qng4dZmg

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