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大谷翔平は侍ジャパンに規格外のパワーをもたらした!だがWBC優勝のキーマンは別にいる!

上原浩治元メジャーリーガー
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は9日、いよいよ日本代表「侍ジャパン」の初戦を迎える。2月の強化合宿を経て、壮行試合、強化試合を積んできたチームにとっては、ここからが本番となる。

 6日の阪神戦、7日のオリックス戦と強化試合2戦までをみてみると、順調に仕上がってきた選手と本調子とは言えない選手が分かれてきている。WBCはシーズン開幕前に実施され、選手は本来とは違う早めの調整をしいられる。使用球も違い、適応していくのは決して簡単ではない。9日から22日(日本時間)の決勝までの「短期決戦」は1戦1戦が勝負。調子がいい選手を起用していくのがセオリーではないだろうか。

 初の日系人代表であるラーズ・ヌートバー選手(カージナルス)はうまく1番にはまった。2番を担う近藤健介選手(ソフトバンク)は四球も選べる。1、2番を固定できるのは大きい。ともに左打者だが、左右を気にするレベルにはないだろう。

 3番が想定される大谷翔平選手(エンゼルス)は日本野球に「規格外のパワー」をもたらした。阪神戦での2発はまさに圧巻である。4番は、7日のオリックス戦でも結果を出した吉田正尚(レッドソックス)を据え、セ・リーグ三冠王の村上宗隆選手(ヤクルト)は5~7番で気持ちを楽に打たせるほうが本来の打撃ができるようにも思う。

 日本代表の打線については、大谷選手が「核」となるとの見方が大勢だろうが、相手が歩かせてくることは十分にある。いざ開幕してみれば、実際に「核」となるのは、大谷選手の前後を担う打者ということも十分にある。近藤選手のしぶとい打撃と選球眼、長打力を兼ね備えた吉田選手を候補に挙げた「2番、4番」をキーマンに挙げたい。

 5番以降では、7日のオリックス戦で当たりが戻った山川穂高選手(西武)か、岡本和真選手(巨人)で一塁手はうまく併用していくことになるのではないだろうか。やや不安なのは7番を担う二塁手の山田哲人選手(ヤクルト)の状態が上がっていないことだ。牧秀悟選手(DeNA)とどう使うか、栗山監督ら首脳陣の起用法に注目したい。

 捕手も一塁手と同様、中村悠平(ヤクルト)、甲斐拓也(ソフトバンク)両選手をどう併用するか、第三捕手の大城卓三選手(巨人)も相性がいい投手のときには、マスクをかぶる機会があるだろう。

 第1、2回を連覇した日本の野球は「スモール・ベースボール」と称されてきた。長打に頼らず、犠打や小技、走塁を絡めて得点を積み重ねてきた。大谷選手らのパワーが加わり、「スモール」だけではなく、頭脳も駆使した「緻密野球」が円熟味を増してきたのが、今回の侍ジャパンだと思っている。中南米勢の高い身体能力や北米勢のパワーに対し、日本野球の醍醐味を存分に発揮してほしい。

元メジャーリーガー

1975年4月3日生まれ。大阪府出身。98年、ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目に20勝4敗で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手4冠、新人王と沢村賞も受賞。06年にはWBC日本代表に選ばれ初代王者に貢献。08年にボルチモア・オリオールズでメジャー挑戦。ボストン・レッドソックス時代の13年にはクローザーとしてワールドシリーズ制覇、リーグチャンピオンシップMVP。18年、10年ぶりに日本球界に復帰するも翌19年5月に現役引退。YouTube「上原浩治の雑談魂」https://www.youtube.com/channel/UCGynN2H7DcNjpN7Qng4dZmg

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