J2レノファ山口FCは11月25日、維新みらいふスタジアム(山口市)でジェフユナイテッド千葉と対戦し、1-2で敗れた。5連敗となり、順位は22位のまま。

明治安田生命J2リーグ第36節◇レノファ山口FC 1-2 ジェフユナイテッド千葉【得点者】山口=イウリ(後半23分)、千葉=クレーベ(後半7分、同36分)【入場者数】1124人【会場】維新みらいふスタジアム

 4連敗中のレノファはゲームメークに直結する部分でのメンバーを大きく変更し、古賀俊太郎を初先発させたほか、古巣対戦となる佐藤健太郎もスタメンで試合出場。前節の後半から試合のリズムを作った森晃太も右ウイングで先発させた。一方で、連戦で毎試合のようにピッチに立っていた高宇洋と田中陸はベンチスタートにした。

 千葉は前節と同じスタメンで水曜日のナイトゲームに臨んだ。レノファでのプレー経験がある高橋壱晟はベンチで戦況を見つめ、山下敬大はメンバー入りしなかった。

前半は千葉ペース

 前半は千葉の形でゲームが進んでいく。レノファは相手のプレスでパス精度が下がったほか、「相手のロングボールに付き合うような形になり、セカンドボールが拾えず、相手のリズムになった」(佐藤)ことで、攻撃面でのレノファらしさを全く出せず、45分間を通して我慢の時間帯となる。

 ただ、レノファは守備では集中が切れず、千葉が前線に当てるボールに対しては確実に対応。最前線へのクロスにもマークが外れず、相手にフリーでシュートを打たせる場面を削った。これによって、千葉もなかなかレノファのブロックに入れなかったほか、セカンドボールからの二次攻撃にも移れず、千葉としても必ずしもフィニッシュに持ち込みやすい状況にはならなかった。

 千葉の土俵の上にいるような前半戦になったとはいえ、致命的なエラーは起きず、45分間を0-0で戦い終える。

 試合が動くのは後半に入ってからだった。

 ハーフタイムで霜田正浩監督はビルドアップ面の修正を指示。「後半は(セカンドボールを)拾ったあとにしっかりつなぐ。一回返してもいいし、幅を使ってもいい。自分たちのリズムでボールを回す」と話し、前半に起きていたセカンドボール回収後のボールの動かし方を改善させる。

 物理的な変更も行い、後半の早い段階で高宇洋を投入して中盤を組み替え。また、後半の飲水タイム前には小松蓮を前線に残したまま、FWのイウリを入れて、フィニッシュに持ち込める戦力を増やしていく。

イウリが豪快な一撃

 とはいえ、そのような策が効果を発揮する前に、千葉が先にゴールネットを揺らす。それぞれの監督がハーフタイムで修正を図り、主導権争いのただ中にあった後半7分、レノファにとっては不運としか言いようのないゴールが起きてしまう。

 千葉の堀米勇輝が中央突破してミドルレンジから左足で鋭くシュートを放つと、ボールはそれをブロックしようとした右サイドバックの川井歩の背中に当たり、コースが変化。これに左サイドバックの安在和樹が反応して何とかクリアしようとするが、千葉のFWクレーベが飛びついてヘディングでシュートを放った。

 ボールの行方をしっかりと見ていたクレーベの冷静さがゴールを生んだと言えるが、レノファから見れば、集中した守備で堀米のシュートコースも限定していただけに、ピンボール状態でボールが動くというアクシデントは想定外の出来事だった。

 これでレノファはまたしても先に得点を差し出すことになったが、幸か不幸か割り切りやすい失点だったため、混乱は起きずにその後の時間帯は落ち着いてプレー。ハーフタイムでの修正を生かして主導権を握り、右サイドから森が仕掛けたり、高井和馬が敵陣の深い位置でボールを引き出したりしてゴールに迫る場面が増えていく。

右足でシュートを放つイウリ
右足でシュートを放つイウリ

 待望のゴールは後半23分。その高井が左サイドからクロスを入れると、一度は相手DFに跳ね返されるが、詰めたイウリが豪快にボレーシュートをたたき込み、同点ゴールを奪取する。

 公式記録上のイウリの投入時間は後半22分で、投入からわずか1分での一撃となった。「チャンスがある試合だった。結果を残すため、ピッチに入ったらすぐにシュートを打っていこうと思っていた」(イウリ)。これで試合は1-1の振り出しに戻った。

不運の失点。勝ちきれず

 レノファは途中からゲームに入った高と田中陸を起点に、自由にボールを動かすようになっていたが、千葉も後半30分、前線の3枚替えで再びレノファの動きを制限すると同時に、攻撃を活性化させる。

吉濱遼平(左)が復帰。セットプレーでもチャンスメーク
吉濱遼平(左)が復帰。セットプレーでもチャンスメーク

 選手交代によって双方がゴールを目指す動きを強めていく中、次のゴールも予期しない形で生まれる。

 後半36分、レノファのGK吉満大介がボールを蹴り出す際に足元が滑り、ライナー性のフィードがレノファ陣内で千葉の熊谷アンドリューに渡ってしまう。熊谷からボールを預けられた田口泰士はすぐに縦にスルーパスを通し、右からボックス内に入ったクレーベが再びネットを揺らした。

 最終盤は1点を追うレノファが攻め込み、ケガから復帰した吉濱遼平が前線で起点を作って好機を広げていくが、追加点は挙げられなかった。1-2で千葉が勝利。レノファは連敗を止めることはできなかった。

画像

 5連敗を喫したレノファ。戦績だけを見ていけば、「泥沼の5連敗」と表現したくもなる状態だ。しかし、攻撃面で良さが全く出せない試合はなく、戦略や戦術を放棄して前線に蹴り込むだけの試合もない。

 「もう少しのところ、あと少しで(勝利に)手が届くところまで来ているが、なかなかその壁を越えられないという試合が続いている」(霜田監督)

 吉濱の復帰や流れの中からのゴールが戻ってきたことなど、前向きな要素は探さずとも見つかるが、前向きな要素をいくら積み上げても結果が出ないもどかしさを、誰もが痛感した5連敗となった。

 もっとも、得点を競うスポーツである以上、ミスをすれば失点し、決定機を決めきれなければ勝てないのは当然だ。数センチ先まで手を伸ばせば勝利をつかめるなら、数センチを伸ばす努力を続け、細部にこだわって結果を追い求めたい。

 レノファはまだ泥にも、沼にもはまってはいないが、あたかも泥沼にすくわれるように真水に溺れていては先に進めない。残り6試合。このままでは終われない。

 次戦は11月29日午後4時から敵地で栃木SCと対戦する。5連戦の残り2試合はホーム戦となり12月2日にナイトゲームでヴァンフォーレ甲府、同6日に午後2時からギラヴァンツ北九州と対戦する。

次回掲載について:甲府戦のマッチレビューコラムは掲載せず、その内容を含めながら、いわゆる「関門海峡ダービー」のプレビューを12月5日までに掲載する予定にしています。