レノファ山口:秋田に3-1、退場者出すもハードワークに勝る。岸田は6戦連続弾

レノファ山口FCがブラウブリッツ秋田を下し、3連勝を飾った。7月5日開催の明治安田生命J3リーグ第19節、秋田をホームの維新百年記念公園陸上競技場(山口市)に迎えた山口はFW岸田和人の6試合連続ゴールなど攻撃陣の躍動で3-1の快勝。今節は試合のなかったAC長野パルセイロとの勝点差を8に、長野に代わって2位に浮上したSC相模原とも7ポイント差を維持し、首位をひた走っている。山口の次節は長野戦。上位決戦に向けて弾みを付ける勝利となった。

J3第19節:山口3-1秋田▽得点者=前半5分鳥養祐矢(山口)、同42分オウンゴール(秋田)、後半1分島屋八徳(山口)、同18分岸田和人(同)▽3514人=維新公園陸

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格子模様の新ゴールネット、第一発は鳥養

選手入場時に作られたコレオグラフィー
選手入場時に作られたコレオグラフィー

ゴールネットを山口カラーにしようとサポーターの呼びかけで始まった「カラーゴールネットプロジェクト」が結実。7月5日のゴールはオレンジとホワイトの格子模様に覆われ、さらにゴールネット同様にオレンジとホワイトのコレオグラフィーが選手入場時に出現し文字通りスタジアムは山口カラーに染まった。

その効果も含め、「立ち上がりがスロースタートと言われていてなんとかしたいなと。エンジン全開で行けるように話して入った」(上野展裕監督)という山口は、秋田がネットを揺らすよりも先に、前半も後半も立ち上がりにオレンジカラーのゴールを射貫いていく。

前半5分、MF福満隆貴がペナルティエリア内の攻防の中で粘り強くボールを保持すると、後ろから走り込んだMF鳥養祐矢が福満のパスを豪快に振り抜いて先制ゴール。お披露目のカラーネットがゴールに揺れる中、鳥養は手を大きく上げてその先制弾を喜んだ。

先制点のMF鳥養祐矢
先制点のMF鳥養祐矢

なおも山口はゴールへの勢いを加速させチャンスを作っていく。ただ、あと一歩が出ず追加点にまではなかなか手が届かなかった。「疲労が出ていて前半はきつかった。いろいろな要因はあると思うが、自分のコンディション調整不足で迷惑を掛けてしまった」とFW岸田和人。パフォーマンスを顕著に落としていたわけではないものの、相手陣に入ってからの攻撃の厚み、相手への脅威が発現するのは後半に持ち越すことになった。

秋田もセットプレーのチャンスはいくつか手にする一方、ボール自体は低い位置からなかなか前に出ず、守備陣の間で往復するケースが目立った。それでも前半42分、左からのMF前山恭平のCKが山口の選手に当たってオウンゴール。前半終了間際ながらしっかりとゴール前に人数を集めていたことがアクシデントを生み、同点で前半を折り返した。

岸田の6試合連続弾が決勝点。前線も連動

今年に入ってから維新公園では白星以外の星を付けていない山口。追加点は後半始まってすぐだった。岸田が受けたフィードを福満が繋ぎ、最後はMF島屋八徳がゴールイン。「数多くの選手が絡んで生まれたいいゴールだった。レノファが目指す攻撃的なサッカーを象徴していた」とは島屋。ペナルティエリアの狭いスペースを岸田、福満、島屋の3人が距離感良くボールを動かして得点を呼び込んだ。

苦しい体勢の中からFW岸田和人が追加点
苦しい体勢の中からFW岸田和人が追加点

このゴールを皮切りに、山口らしいゲームをしっかりと作っていく。MF庄司悦大、MF小塚和季を起点に、福満が中央で受けたり、鳥養や島屋がサイドから仕掛けるアイデア多彩な攻め。守備面でも個に対応するハードワークが続いた。

さらに同18分、岸田が秋田ディフェンスに動きを制限されながらも、キープしていたボールを左足で蹴り込み、決勝弾。「一つ一つのチャンスをしっかりものにできている」と岸田。6試合連続のゴールで『節数』にも近づく今季通算16点目を挙げた。

秋田でプレーするGK松本拓也とFWレオナルド
秋田でプレーするGK松本拓也とFWレオナルド

秋田は、山口市からも距離的に近い北九州市をホームとするJ2・ギラヴァンツ北九州に在籍していた選手が3人所属。北九州のサポーターも訪れ、かつての戦士たちに声援を送った。この試合ではGK松本拓也が先発出場し、FWレオナルドが途中からピッチへ。6試合ぶりにゲームに戻ったレオナルドは「体はキレていて、コンディションはいい」と話し、夏場からの活躍を誓っていた。

また、間瀬秀一監督は「連敗しているが誰も下を向いていない。弱さや欠点にアプローチしていて、ブレずにやっていきたいと思う。秋田のみなさんと必ず喜びあえる日を目指して頑張るのでスタジアムに足を運んでほしい」と話し、表情は険しくもしっかりと今後を見据えていた。

全員攻撃、全員守備。長野戦に向け決意

格子模様のカラーネットを、ハードワークと好セーブで守った
格子模様のカラーネットを、ハードワークと好セーブで守った

前線の顔ぶれを中心に躍動した山口。ただ、守備の要だったセンターバックのDF池永航が後半26分、2枚目のイエローカードを受けてピッチを去った。アディショナルタイムを考えれば20分は残した時間帯。すでに山口は2点のリードを持っていたが、「一人一人の距離感を縮めていけば素早く(対応が)できると思った。そこは意識して声を掛けた」とGK一森純。最終盤は自陣で秋田にボールを保持されてしまうも、一森自身のファインセーブやフィールドプレーヤー9人のボールへのアプローチが勝った。

笑顔を見せた上野展裕監督。立ち上がりの修正が奏功した
笑顔を見せた上野展裕監督。立ち上がりの修正が奏功した

ゲーム後、山口の上野展裕監督はゴールシーンを「思いきってパスして動いて、団体競技ですのでコンビネーションで取れたのは良かった。(新しいゴールネットを)誰が最初に揺らすんだろう、鳥養か、さすがやと。後半もサポーターのほうへ2度も揺らすことができて本当に良かった」と振り返った。また、「立ち上がりは良かったがチャンスを作られて失点した。危ないところがあったので修正したいなと思う。最後に退場者を出したが、応援がすごく後押しになっていた」と話した。次戦は長野との上位対決。池永の出場停止はネガティブな要素にはなるが、指揮官は「全員守備、全員攻撃。一丸となってやりたい」と熱を込め、岸田も「(ゴールの)連続記録を伸ばすよりも勝つことが重要。自分のゴールで勝利に繋がればいいが、勝てれば結果オーライだ」と勝点3奪取に力を注ぐ。

7月初戦も白丸を付けた山口。J2昇格への足場を築く重要な試合に向け、準備は万端だ。

コレオグラフィー:多数の参加者が衣装を合わせたり、色付きのボードを掲げたりして巨大な模様や絵を浮かび上がらせること。今回、山口では色付きの紙を使って、オレンジと白の縞模様を作り上げた。