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鈴鹿で初開催のホンダレーシングサンクスデー!「HRC」の名の下に戦うドライバー&ライダーの競演

辻野ヒロシモータースポーツ実況アナウンサー/ジャーナリスト
HRCのロゴが入ったSUPER GTマシン【写真:本田技研工業】

モータースポーツはシーズンオフの真っ只中だが、2月6日(日)には鈴鹿サーキットでホンダのモータースポーツイベント「Honda Racing THANKS DAY 2021-2022」が開催される。

ここ2年はコロナ禍の影響でキャンセルされていたが、今回は舞台をツインリンクもてぎから三重県の鈴鹿サーキットに移す。鈴鹿での開催が決まってからは、ホンダとして最後となった2021年にチャンピオンを獲得したF1が走行するのではないか、という期待が高まったが、入国制限が厳しい状況であり、今回は国内のライダー&ドライバーが中心になってイベントを盛り上げることになった。

2019年、ツインリンクもてぎでの集合写真【写真:本田技研工業】
2019年、ツインリンクもてぎでの集合写真【写真:本田技研工業】

2022年からはHRCの名の下に

昨年、2021年はF1でホンダのパワーユニットを使用するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が最終戦アブダビGPでチャンピオンを決定し、ホンダとしては30年ぶりに4輪レースの最高峰で栄冠を獲得する最高の年になった。

F1でチャンピオンに輝いたマックス・フェルスタッペン(右)
F1でチャンピオンに輝いたマックス・フェルスタッペン(右)写真:ロイター/アフロ

また、F1だけではなく、海外ではダカールラリーでホンダが1-2フィニッシュで優勝。さらにトライアル世界選手権でもチャンピオンを獲得。米国のインディカーシリーズではホンダエンジンを積むエリオ・カストロネベスがインディ500を制し、日本国内でも人気ドライバーだったアレックス・パロウが年間チャンピオンに輝いた。

インディ500で優勝争いをしたカストロネベスとパロウ。ホンダはインディカーでも好調だった。
インディ500で優勝争いをしたカストロネベスとパロウ。ホンダはインディカーでも好調だった。写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

そして、国内では4輪のスーパーフォーミュラで野尻智紀(Team MUGEN)が王者に輝き、2輪ではホンダCBR1000RR-Rに乗る渡辺一馬が全日本ロードレース選手権ST1000の王者に輝いたほか、全日本モトクロス選手権IA1では山本鯨、IA2では大城魁之助がそれぞれチャンピオンを獲得。全日本トライアル選手権IASでは小川友幸が9連覇を達成するなど、ホンダは国内外のレースで数多くのチャンピオンを獲得したのだ。

2輪、4輪のありとあらゆるモータースポーツに参戦するホンダだが、今シーズンからは体制が大きく変更となる。MotoGPなど2輪レースの舞台で活動してきた株式会社ホンダ・レーシング(HRC)が4輪レース活動の活動も担っていくことになり、今季からは4輪も「HRC」の新ロゴをつけてレースに参戦することになる。

HRCの新ロゴにも注目だ。【写真:本田技研工業】
HRCの新ロゴにも注目だ。【写真:本田技研工業】

2輪ファンにはお馴染みの「HRC」が4輪でも活動することにちょっとした違和感はあるものの、元々ホンダは2輪から始まったメーカーであり、2輪レース活動で世界を席巻した後、その開発者たちがF1で4輪のレース活動に進出していった経緯がある。活動規模が今のように巨大化するにつれて細分化されていった組織が一つになり、お互いに情報やノウハウを共有しあうことで、原点回帰を図るというイメージだろう。

なお、今回の「Honda Racing THANKS DAY 2021-2022」では来場者に新しい「HRC」のロゴが入った応援フラッグがプレゼントされる。

国内のトップドライバー&ライダーが出演

今回のイベントは鈴鹿サーキットの東コース区間を使用した走行イベントが軸になっており、スーパーフォーミュラ、SUPER GTのデモンストレーションレースが行われるだけでなく、国内のトップドライバー&ライダーがホンダの様々なマシンを操ってバトルを繰り広げることになっている。

鈴鹿サーキット
鈴鹿サーキット写真:アフロスポーツ

特に注目はホンダの軽自動車「N-ONE」を使ったN-ONEオーナーズカップのワンメイク車両を使ったデモンストレーションレース。大湯都史樹や塚越広大らSUPER GTで活躍するドライバーたちが軽自動車でスリップストリームを使った楽しいレースを見せてくれるはずだ。

2輪ではロードレース、モトクロス、トライアルのジャンルを超えた選手たちが東コースでホンダの電動スクーター「PCX ELECTRIC」を使ったレースに出場。こういったレースでは土のダート路面を得意とするモトクロスやトライアルの選手が大胆な走りを見せてファンを楽しませるのがお約束にもなっている。

また、選手たちはレーシングコースだけでなく、遊園地「モートピア GP Field」エリアにあるレーシングカートコースなどでのイベントにも出演予定で、こちらでもファンの近くで楽しいレースを展開してくれるだろう。

子供も乗れるレーシングカートやキッズバイクを使ったイベントはHonda Racing THANKS DAYの人気コンテンツ【写真:本田技研工業】
子供も乗れるレーシングカートやキッズバイクを使ったイベントはHonda Racing THANKS DAYの人気コンテンツ【写真:本田技研工業】

そして、残念ながら走行はできないが、グランドスタンド裏のGPスクエアには2015年から参戦したホンダパワーユニットのF1マシンが展示される。近年は「レッドブル」「アルファタウリ」のマシン展示が中心だっただけに、「マクラーレン」も含めて勢揃いするのは珍しいだけに、貴重な機会になりそうだ。

2017年のマクラーレン・ホンダ
2017年のマクラーレン・ホンダ写真:アフロスポーツ

なお、「Honda Racing THANKS DAY 2021-2022」のチケットは事前購入の前売り券のみで、当日券の販売は行われないことになっているので注意が必要。

レーシングコースでの走行など、見て楽しむイベントが中心にはなってくるが、シーズンの開幕まではまだ2ヶ月ほどの時間があるので、一足先にエキゾーストサウンドを堪能できる日曜日になりそうだ。

【イベント公式サイト】

Honda Racing THANKS DAY 2021-2022 (本田技研工業ウェブサイト内)

モータースポーツ実況アナウンサー/ジャーナリスト

鈴鹿市出身。エキゾーストノートを聞いて育つ。鈴鹿サーキットを中心に実況、ピットリポートを担当するアナウンサー。「J SPORTS」「BS日テレ」などレース中継でも実況を務める。2018年は2輪と4輪両方の「ル・マン24時間レース」に携わった。また、取材を通じ、F1から底辺レース、2輪、カートに至るまで幅広く精通する。またライター、ジャーナリストとしてF1バルセロナテスト、イギリスGP、マレーシアGPなどF1、インディカー、F3マカオGPなど海外取材歴も多数。

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