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スーパーフォーミュラ・富士でもアンドレ・ロッテラーが最速タイム記録を更新!第2戦公式予選

辻野ヒロシモータースポーツ実況アナウンサー/ジャーナリスト
アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)

5月17日(土)、気持ちのよい晴天のもと、「全日本選手権スーパーフォーミュラ」第2戦の公式予選が静岡県・富士スピードウェイで開催された。鈴鹿サーキットの開幕戦に引き続き、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が従来のコースレコード(最速タイム記録)を更新するスーパーアタックを見せた。

レース1のポールポジションはオリベイラ

5月18日(日)に開催される第2戦は決勝レースが2レース制で行われることになっており、25周=約114kmのレース1と35周=約159.7kmのレース2の決勝グリッドを決める公式予選も白熱した。

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

F1に近い「ノックアウト方式」で行われる公式予選。最初の20分間の順位が決勝レース1のグリッド順となる。Q1が始まると、前日の金曜日に1時間だけ設定されたテスト走行でトップタイム(1分24秒497)をマークしたアンドレ・ロッテラーが真っ先にコースインを開始。しかし、まず最初にトップタイムをマークしたのは朝のフリー走行でもトップタイムを叩き出したジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)。セッション後半のアタック合戦では自身のベストタイムをさらに更新して、1分23秒108で見事、レース1のポールポジションを獲得。

2010年フォーミュラニッポン王者のオリベイラだが、昨年は一度もポールポジションを獲得できていないので、およそ1年半ぶりのポールスタートになり、気合いが入る。過去には2レース制で行われた富士のレースでポールトゥウインも飾っているだけに、オリベイラは見晴らしの良い位置から2年ぶりの勝利を目指す。

レース2はロッテラーがレコード更新でポール獲得

ロッテラーの走り
ロッテラーの走り

Q1の上位14台が、Q2で8台に絞られて争うQ3では、決勝レース2のポールポジションと上位グリッドが決定される。好天に恵まれた富士スピードウェイは路面温度が思いのほか上昇し、昨年までのマシン、SF13で記録されたタイムの更新はおろか1分22秒台も見られないかと思いきや、アンドレ・ロッテラーがあっさりと1分22秒572をマークしてコースレコードを更新して、レース2のポールポジションを獲得。レース1のポールを決めていたオリベイラは最終セクションでのアタック失敗などが響いて2番手となったが、ロッテラーとオリベイラの差は僅か0.134秒と接戦。Q1の結果で決まったレース1のフロントロー2人の差も0.103秒というから、決勝レースは非常に激しいコンペティションが期待される。

1位〜5位までが0.5秒以内の接戦

「クイック&ライト」がコンセプトに開発されたニューマシン、SF14の俊敏で軽やかな動きは今年のスーパーフォーミュラをより魅力的なものにしている。最終予選Q3でトップのロッテラーとオリベイラのタイムが接戦だっただけでなく、中嶋一貴、国本雄資、を挟んで5番手のデュバルまでのタイムは僅かに0.4秒の大接戦になっている。

素晴らしい快晴の富士スピードウェイで予選が行われた。
素晴らしい快晴の富士スピードウェイで予選が行われた。

予選後に行われた記者会見ではオリベイラ、デュバル、ロッテラー、中嶋一貴の4人がレース1、レース2のそれぞれの予選トップ3として登場したが、この4人ともが「フォーミュラニッポン」のチャンピオン経験者。第2戦の決勝レースの主導権は既にこの4人が握っているという印象だ。

決勝レース1を2番手から、そしてレース2は5番手からのスタートとなる開幕戦のウイナー、ロイック・デュバルは「Q3ではタイムが伸びなかったのは残念だったけど、鈴鹿でのレースを見ても分かる通り、このマシンはオーバーテイクができるマシンだと思うので、レースに向けて良いセッティングができて、うまくスタートを決める事ができれば勝てるはずだ」と自信を見せた。

上位陣は今回の予選もトヨタが独占したが、Q3の8台の中に、ホンダエンジン勢では唯一、山本尚貴が残り、7番手のタイムを獲得。ロッテラーが更新したレコードタイムからは相変わらず0.7秒ほどの差を付けられているが、さすがは前年のチャンピオンと言える存在感を見せつけた。レース1は8番手、レース2は7番手からスタートする山本尚貴の粘り強いレースをホンダファンは期待しているはずだ。

予選結果(スーパーフォーミュラ公式サイト)

モータースポーツ実況アナウンサー/ジャーナリスト

鈴鹿市出身。エキゾーストノートを聞いて育つ。鈴鹿サーキットを中心に実況、ピットリポートを担当するアナウンサー。「J SPORTS」「BS日テレ」などレース中継でも実況を務める。2018年は2輪と4輪両方の「ル・マン24時間レース」に携わった。また、取材を通じ、F1から底辺レース、2輪、カートに至るまで幅広く精通する。またライター、ジャーナリストとしてF1バルセロナテスト、イギリスGP、マレーシアGPなどF1、インディカー、F3マカオGPなど海外取材歴も多数。

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