Yahoo!ニュース

40歳。婚活迷子。年収1千万円なのに貯金ゼロの56歳男性とはお別れしました~おみおじリポート170~

大宮冬洋フリーライター
働き者の薬剤師。年収や年齢ではなく会話重視の婚活だけど迷走中です。(本人提供)

「条件がいい相手じゃなくても、私が努力していい結婚にする」ぐらいの意欲がありますか?

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

 情報や広告宣伝に溢れた現代社会で生きていると、自分が本当にやりたいことがわからなくなりがちです。他人がやりたいことが自分の欲望でもあるかのように感じてしまったり……。社会性というのはそういうものかもしれませんが、自分が心の奥底から望んでいることを見失ったままでは幸せになれない気がします。

 結婚も同じです。「この年齢で独身のままなのは恥ずかしいから」「友だちに羨ましがられるような相手と結ばれたい」といった動機では結婚後に苦しくなりかねません。「誰かと一緒に人生を歩みたい。条件がいい相手じゃなくても、私が努力していい結婚にする」ぐらいの意欲が必要だと思います。

 大阪在住の古屋利恵さん(仮名、40歳)は気持ちは十分に整っています。大学卒業と同時に一人暮らしを始め、地元を離れて東京で生活していたこともあり、「一人は寂しいので、ささいなことでいいので話せる相手が家にいてほしい」と強く思うようになりました。結婚相談所にも入って5年以上婚活をしているようですが、今のところ結婚のご縁には至っていません。

自宅の充実は趣味の一つ。「1Rの狭い部屋でも快適に過ごせるようと心がけています。インテリアはイケアとか楽天で買ったものばかりでコスパ重視派です」(本人提供)
自宅の充実は趣味の一つ。「1Rの狭い部屋でも快適に過ごせるようと心がけています。インテリアはイケアとか楽天で買ったものばかりでコスパ重視派です」(本人提供)

多くの異性を選べる場では「一見して魅力的な人」に気持ちがいってしまう、という問題

 華やかな外見の古屋さん。20代30代は人並みに恋愛は経験してきたけれど、いわゆるモテるタイプではないと自己分析します。

「以前は自分からデートに誘ったりもできませんでした。それでも結婚相談所のカウンセラーの方にはすごく良くしてもらい、MRの男性と真剣交際に進めたこともあります。私も前職は製薬会社勤務だったこともあって会話も楽しくてすぐに好きになったんです。デートの企画力もある方で、56歳というご年齢もまったく気になりませんでした。でも、年収は1千万円ぐらいあるはずなのに貯金がなく、車やマンションのローン返済計画も『よくわからない』。話し合うつもりがないようなので残念ながらお別れしました」

 古屋さんは会話が大好きで、男性を立てる傾向もあるので、派手で自己主張が強いタイプの男性と仲良くなりやすいのかもしれません。アプリで知り合った男性とのやりとりでちょっと怖い思いをしたことがある、とのこと。

 ここでマチコ先生から注意があります。相手の年齢や年収などは気にしないと言いつつも、結婚相談所やアプリなど多くの男性を選べる場では「一見して魅力的な男性」に気持ちがいってしまう、という点です。

「年収が高かったりエスコートが上手だったりする独身男性は必ず何かがあると思ってください。それでも『男性にリードしてほしい。尊敬したい』というのであれば、金銭や女性にルーズであること、頑固さやいじけやすさなどを許容して結婚するぐらいの覚悟が必要です」

こちらも自室の一角。「狭い部屋でも明るい雰囲気にしたくて緑を取り入れています」(本人提供)
こちらも自室の一角。「狭い部屋でも明るい雰囲気にしたくて緑を取り入れています」(本人提供)

話が合わなかったり、連絡が途絶えがちだったり。前に進めないことが少なくありません

 マチコ先生の話を神妙な面持ちで聞いていた古屋さん。いろいろ思い当たるところがあるようです。お見合いで「生理的に無理だと感じるのは10人に1人もいなかった」とのことですが、話が合わなかったり、連絡が途絶えがちで前に進めなかったりすることが少なくなかったとのこと。それも初対面の社会人同士で向き合う婚活ではよくあることです。

 オネットの利点としては、僕とマチコ先生がお見合いをした男女双方に直接連絡ができること。会話で生じたちょっとした誤解や連絡ミスなどはフォローすることができます。当人が積極性と素直さを維持してくれれば、かなりの高確率で良い結果を出せるでしょう。

「今ではデートも私から誘えますし、デートコースも任せてもらって構いません。自分の判断ではすぐに迷子になってしまうので、オネットでは大宮さんとマチコ先生のアドバイスに従いたいなと思っています」

 いいですね~。そのやる気をぜひ持続してください。そして、最初のうちは会話が弾まないような男性が秘めている「いいところ」を時間をかけて探していきましょう。

宅配の食材を使った時短料理(そぼろ肉じゃがと鮭)。「味付けは自分で工夫しました。家事は得意なほうだと思っているので、結婚相手とは分担しなくても構いません」(本人提供)
宅配の食材を使った時短料理(そぼろ肉じゃがと鮭)。「味付けは自分で工夫しました。家事は得意なほうだと思っているので、結婚相手とは分担しなくても構いません」(本人提供)

製薬会社から調剤薬局への転職。患者さん一人ひとりと向き合い続けたい

 古屋さんには仕事面でのこだわりがあります。15年も勤めた製薬会社を辞め、薬剤師の資格を直接的に生かせる調剤薬局に転職。「訪問医療も手がけている薬局で、一人ひとりの患者さんに向き合うこと」に大きなやりがいを感じているのです。

「私は人としゃべるのがめっちゃ好きなので、転職して本当によかったです。介護士の方からは利用者さんが薬を飲みたがらないケースもあることを聞いたりして、とても勉強になっています。現場のことをいろいろ教えてもらうのが楽しいです」

 仕事の話を家でもしたいという古屋さん。自分と同じく医療や福祉分野で働いている男性との出会いを望んでいますが、僕は必ずしも同業界でなくてもいいと思います。むしろ、別の業界で働いている相手のほうがお互いに発見も多く、会話も弾むかもしれません。大切なのは仕事熱心な古屋さんを温かい目で見てくれることです。

 できれば子育ても経験したいという古屋さん。シングルファーザーとの出会いにも前向きです。相手との話し合い次第では不妊治療にも挑戦したいとのこと。ここもマチコ先生の出番です。

「私も不妊治療を経て43歳で息子を出産しました。いろいろ相談にのれると思います。古屋さんは結婚相談所やアプリでの経験を生かして、人として練れていると感じました。そのバランスを保っていればきっと良い結婚ができます。40歳ならば不妊治療にも間に合います。滑り込んでいきましょう!」

 マチコ先生の力強い励ましを受けて、古屋さんの顔がパッと輝きました。公私で経験を重ねた、謙虚で感じ良くて働き者な女性です。来年の今ごろは大きな幸せを手にして笑っている気がします。

休日は友だちとしゃべりまくっていることが多いという古屋さん。一人で落語や演劇を楽しむこともあります。よく笑う明るい女性です。(本人提供)
休日は友だちとしゃべりまくっていることが多いという古屋さん。一人で落語や演劇を楽しむこともあります。よく笑う明るい女性です。(本人提供)

※文中の受けオネット会員は仮名です。古屋利恵さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

あなたを結婚させたい! オネット&マチコの超実践的婚活道場

税込2,970円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

大宮冬洋が自分の周囲にいる独身男女に声をかけて引き合わせる、お見合いおじさん活動「オネット」(大宮ネットワーク)の舞台裏をご紹介。オネット会員の匿名のプロフィールやお見合いの様子、成婚&退会者インタビューのほか、チームメンバーの婚活講師マチコ先生による婚活必勝アドバイスもお届けします。また、本連載の購読者は無料オプションとして、会員とのお見合いを希望することもできます。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

大宮冬洋の最近の記事