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54歳。独身。新聞社時代は禁止されていたある手段で生活の糧を得ています~おみおじリポート(93)~

大宮冬洋フリーライター
2年前に会社員を卒業した男性。フリーランスの国際ジャーナリストです。(本人提供)

お見合いなのに人事面接のようだったと思われてしまう問題

※2022年3月8日追記。中原さんは半年間の受けオネット期間を終了し、自動退会日を迎えました。今、最後のお見合いを調整中です。彼の幸せを祈りつつ見送りたいと思います。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

<これまで2回マッチングを仲介していただきましたが、長年の職務経験から取材のようになってしまい、「面接のようだった」という感想を持たれて連絡先の交換に至りません。今後もチャレンジしようと思いますが、今後どのように改善すればいいかお知恵を貸してください>

 攻めオネット会員である中原俊之さん(仮名、54歳)からこんな相談メールをもらったのは2か月ほど前のことでした。大手新聞社を2年前に退職した中原さんはフリーランスのジャーナリスト。僕とほぼ同業ですね。「インタビューされているみたい」とプライベートでも言われがちなのも似ているので放ってはおけません。Zoomで面談するとちょっと堅そうだけど誠実な人柄を感じました。受けオネット会員にもなってもらい、口下手な中原さんの代わりに僕がプロフィールを書くことにしましょう。

画期的な先端技術を持つベンチャー企業に注目し、将来性を丹念に調べてから投資

 フリーランサーというと経済的に不安定な印象を持たれがちです。僕に関しては当たっているのですが中原さんの場合は心配ありません。新聞社の経済部時代は禁止されていた株式への長期投資で稼いでいるからです。

「私が狙っているのは新規上場の銘柄。画期的な先端技術を持つベンチャー企業に注目し、様々なメディアで将来性を丹念に調べてから投資しています。おかげさまで昨年は450万円ほどの利益が出ました。新宿区内の自宅マンションは持ち家ですし、借金はありません。無駄遣いをしなければ生活していける自信があります」

 新聞社を退職してからは無理に再就職をしたりせず、記者としての活動は興味のある在日外国人などのテーマだけをマイペースに追い続けているという中原さん。今後は私生活を大事にしていきたいそうです。

「自分で作って自分で食べても美味しく感じないので料理はあまりやりません。でも、掃除と洗濯は普通にやっています。家事に苦手意識はありません。フィットネスジムには毎日通っていろんなプログラムに参加して体を鍛えています。会社勤めの頃よりはるかに健康的な生活です」

株式投資のため日々の経済ニュースや企業情報の収集・分析は欠かさないという中原さん。経済やビジネスに関する書籍もよく読んでいます。(本人提供)
株式投資のため日々の経済ニュースや企業情報の収集・分析は欠かさないという中原さん。経済やビジネスに関する書籍もよく読んでいます。(本人提供)

「仕事の忙しさ」はプライベートを充実できない言い訳。そんな自分を変えられますか?

 90代後半に2か月ほどかけてアジアの国々を回り、「グローバルに物事を見ることへの関心が高まった」と振り返る中原さん。現在もその視点を持ち続け、コロナ前まではアジア旅行が一番の楽しみだったそうです。

「年甲斐もなく格安航空券を買って安宿を泊まり歩くバックパッカーひとり旅ですけど。結婚してコロナが終息していたら、アジアのビーチリゾートに2人で行って少し贅沢してもいいなと思っています。現地に友人がいる国もあるので紹介したいです」

 賛同してくれる女性も多そうな趣味ですね。中原さんはなぜ現在に至るまで一度も結婚をしなかったのでしょうか。

「30代40代は本当に仕事ばかりしていました。女性とお付き合いする機会もありましたが、『次はどこに連れて行ってくれるの?』なんて言われると重荷に感じて別れてしまうことばかり。仕事の〆切が常に頭から離れなかったからだと思います」

 仕事熱心な人にはありがちな理由ですが、仕事の忙しさはプライベートを充実できない言い訳にしやすいのも事実です。好きな人と交際できる喜びを働く活力に変えるぐらいの気持ちが必要だと思います。中原さん、そのへんを反省して今後に生かせますか? 

日課として通っているフィットネスジムにて。「新聞記者にはつきものの酒やタバコは嗜みません」(本人提供)
日課として通っているフィットネスジムにて。「新聞記者にはつきものの酒やタバコは嗜みません」(本人提供)

会社を辞めて今後の人生についてゆっくり考えた。このまま一人で枯れていきたくない

 年下の同性である僕からこんな厳しいことを言われても静かにうなずいてくれる中原さん。そして、結婚への決意を語ってくれました。

「この年齢になってから結婚したいと思ったのは、会社を辞めてこれからの人生についてゆっくり考えられたからです。このまま一人で枯れていきたくない、と強く思いました。40代50代で独身の人は少なくない世の中なので、『弱者連合』でもいいから助け合って暮らしていけたらと思います」

 弱者連合、という表現が素敵だなと僕は思いました。実際の中原さんは社会的弱者ではありませんが、お互いの弱みをフォローし合うような関係が良き結婚だと感じているからです。この姿勢でお見合いやデートに臨めば、「取材」のような会話にはならないはず。

 会話に関してはマチコ先生からアドバイスがあります。得意の海外旅行を話題にすることです。

「中原さんのご年齢で、フットワーク軽く海外に行けるというのは、同じくフットワークの軽い方が多いオネット女性にとっては嬉しい特典だと思います。結婚は現実であり生活そのものですが、その始まりは相手に『一緒にいて楽しそう!』とイメージしてもらわないと始まりません。初めにそのような『女性の感情を動かす』話で盛り上がって下さい」

 これなら簡単に改善できそうですね。中原さん、今後のお見合いやデートで実践してみましょう!

クーデター前のミャンマーの最大都市ヤンゴンにて。「市内を走る列車内です。現地の人の生活に触れる旅を好んでいました」(本人提供)
クーデター前のミャンマーの最大都市ヤンゴンにて。「市内を走る列車内です。現地の人の生活に触れる旅を好んでいました」(本人提供)

※文中の受けオネット会員は仮名です。中原さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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