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私が好きなものは世間的に恥ずかしい、という思いがずっと根底にありました~おみおじリポート(84)~

大宮冬洋フリーライター
深津絵里似の42歳。好きな仕事を続けつつ、結婚相手を探しています。(本人提供)

ウィズコロナの結婚生活で重要なのは、お金よりもご近所付き合いです

※2021年12月23日追記。竹井さんはオネット活動開始から半年が経過し、自動退会となりました。残念ながらオネットでは良き縁をご紹介できることはできませんでしたが、彼女の幸せを祈りつつ見送りたいと思います。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

 現代社会で生きるためにはお金は不可欠ですが、結婚生活をするうえでより重要なものは夫婦の協力と工夫だと感じています。特に地方暮らしではその傾向が顕著です。

 僕は約9年前に結婚し、長く一人暮らしをしていた東京都杉並区から愛知県蒲郡市に引っ越しました。同じ日本なのに駅前の賃貸マンションの家賃は半額以下でびっくり。蒲郡は野菜や魚介の生産地でもあるので、暮らし続けているとご近所さんから食材をもらえることが増えていきます。良き飲食店もちらほらありますが、基本は家飲みなので財布はあまり開きません。

 コロナ禍以降はインタビュー取材や打ち合わせの大半がオンラインに切り替わり、毎月の家賃と同じぐらいだった交通費まで激減。出張も旅行もできずに在宅中心で暮らす限り、お金よりも心身の健康と人間関係のほうがはるかに重要だと実感しています。

働きながら通学していた30代。恋愛する余裕はありませんでした

 竹井佐和子さん(仮名、42歳)さんは、関西地方で大学の非常勤職員をしながら、ライフワークであるボディワークのインストラクター業も続けている女性です。大学卒業後は東京の劇団員養成所にいたこともあり、「体と心のつながり」に興味を持つようになったそうです。

「30代の前半はインストラクターになるための学校に通いました。働きながら週4で通学していたので恋愛する余裕もなかったように思います」

 現在は副業でインストラクターとしても活動している竹井さん。長い間、自分が歩んできた道を認められなかったと明かします。

「ボディワークのインストラクターはあまりお金を稼げる仕事ではありません。社会ではフワフワしているように思われるかな、私が好きなものは恥ずかしいことなのかな、という自信のなさがずっと根底にありました。でも、この数年はそれが癒えてきて、我ながら面白い探究をして来たと思えるようになっています」

 冒頭でも書きましたが、これからはお金の多寡に関わらず「気持ち良く暮らした者勝ち」な時代になっていくように思います。その際、心身を同時に整えるための専門知識と実績の価値はどんどん上がっていくはず。竹井さんのパートナーになる人はそれを日常生活でも享受できるのですね!

趣味はウクレレ。「自己流で弾いています。スピッツの『猫になりたい』とユーミンの『やさしさに包まれたなら』が最近のお気に入りです」(本人提供)
趣味はウクレレ。「自己流で弾いています。スピッツの『猫になりたい』とユーミンの『やさしさに包まれたなら』が最近のお気に入りです」(本人提供)

なぜ実家にいるのか。家ではどんな役割でどのように暮らしているのか

 今後、インストラクター業は集客を頑張りながらオンライン化していく予定とのこと。結婚相手の都合次第では地元の関西に住むことにはこだわりませんという竹井さん。でも、ちょっと「こじれた」ところがあります。1つは、お見合いする男性には自分と同じく一人暮らしをしていてほしいという点です。

「自立していて自分の世界を持った人が好きです。自分もそうありたいと思っているからかもしれません」

 正直言うと、僕も少し共感します。東京から愛知に来たとき、とっくに社会人になっている独身男女の大半が実家暮らしであることに驚きました。独立したいとは思わないのでしょうか……。

 マチコ先生の意見は異なります。中には両親や祖父母の介護のために実家に住み続けている人もいるからです。

「以前は一人暮らしをしていたけれど、再出発のために一時的に実家に戻っている場合もあります。なぜ実家にいるのか、家ではどんな役割でどのように暮らしているのかを見るべきです」

 考えてみれば、一人暮らしでも家事を一切せずにゴミ部屋になってしまっている人はちゃんと自立しているとは言い難いですよね。それよりも実家で大人としての役割を果たしている人のほうが魅力的です。一人暮らしか否かという形式面ではなく、それぞれの実情と背景をちゃんと知ることが大事なのかもしれません。

旅先のヴェネツィアにて。「異文化に触れるとワクワクする」という竹井さん。結婚したらどこにでも住めるそうです。(本人提供)
旅先のヴェネツィアにて。「異文化に触れるとワクワクする」という竹井さん。結婚したらどこにでも住めるそうです。(本人提供)

アラフォー女性の婚活は想像を超えた厳しい戦い。総力戦で臨みましょう

 竹井さんのもう1つのこじれポイントは、母親との関係性です。離れて暮らしながらもほどよく仲のいい母娘なのですが、竹井さんの「今後」になると言い争いになりやすいようです。

「うちは両親が厳しくて、特に母親は専業主婦の教育ママでした。10代の頃は『男女交際は不潔!』という方針だったので、『いい子』だった私も真に受けていました。でも、30歳を過ぎたあたりから母親が『いい人はいないの? 早く結婚しなさい』と急かすようになったんです。半強制的に結婚相談所に私を入れて釣書を見せてきたり。『どの口が言うの!』と大喧嘩をしたことも何度かあります」

 この点に関しては、女子校育ちの一人っ子でアラフォーでの結婚を成し遂げたマチコ先生が深く共感します。心配性の母親には男性関係のことなど話したことがなかったそうですが、悲壮な決意をもって気持ちを切り替えて、婚活状況に関しては積極的に開示して助けを求めたそうです。

「あの時期だけは恥を捨てました。本当に親身になってくれるのは親と親戚しかいないと思ったからです。親戚にも『誰かいい人いませんか』と恥を忍んで電話したのを覚えています。結果として、今の夫は母親の知り合いからの紹介で出会いました」

 マチコ先生によれば、身の回りにいる人に紹介される異性は生育環境や職歴などが近いことが多いので、人生を分かち合う結婚相手としては適していると言えます。学校や職場での出会いと似ていますね。活用しない手はないでしょう。

 竹井さん、アラフォー女性の婚活は想像以上に過酷な戦いです。オネットももちろん全力で応援しますが、お母さんも含めて「使える手はすべて使う」ぐらいの気持ちで集中して臨んでください。一緒にがんばりましょう!

洗濯物を干すのと畳むのが竹井さんの癒しの時間です。「7年来の相棒、小さめ洗濯機くん(withスリランカから来たゾウ)の写真です。最近は調子の悪い日が多く、なだめすかしながら働いてもらってます」(本人提供)
洗濯物を干すのと畳むのが竹井さんの癒しの時間です。「7年来の相棒、小さめ洗濯機くん(withスリランカから来たゾウ)の写真です。最近は調子の悪い日が多く、なだめすかしながら働いてもらってます」(本人提供)

※文中の受けオネット会員は仮名です。竹井さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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