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モテていると、相手の立場や気持ちをないがしろにしてしまう自分が怖い~スナック大宮問答集(42)~

大宮冬洋フリーライター
8年間でのべ2400人と飲み交わしてきたスナック大宮のこぼれニュースコラムです(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

スナック大宮」と称する読者交流飲み会を東京、愛知、大阪などの各地で毎月開催している。2011年の初秋から始めて、すでに120回を超えた。お客さん(読者)の主要層は働き盛りの独身男女。毎回20人前後を迎えて一緒に楽しく飲んでいる。本連載「中年の星屑たち」を読んでくれている人も多く、賛否の意見を直接聞けておしゃべりできるのが嬉しい。

 初対面の緊張がほぐれて酔いが回ると、仕事や人間関係について突っ込んだ話になることが多い。現代の日本社会を生きている社会人の肌からにじみ出たような生々しい質問もある。口下手な筆者は飲みの席で即答することはできない。この場でゆっくり考えて回答したい。

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 年下の恋人との別れと、その後の婚活で私の悪い癖を発見しました。それは「傲慢」。モテていると感じると調子に乗り、相手の立場や気持ちをないがしろにしてしまいがちなのです。結婚に遠ざかることを自分からしていると気づき怖くなりました。(30代半ばの独身女性)

恋愛の刺激を求め続け、他者と支え合って一緒に同じ方向を見ることができない人

 好きな人には逃げられてしまうけど、あまり好きではない人から追いかけられると逃げたくなる――。昔から変わらない恋愛のジレンマである。交際が始まってからも事態はあまり変わらない。常にどちらかがせつない想いをしていて、どちらかは調子に乗っている。時間の経過とともに愛情の格差は広がっていき(どちらの愛情も小さくなるケースもあるが)、ある時点で交際が続けにくくなる。恋愛はいずれ終了するのだ。

 結婚は違う。恋愛感情は少し残しつつも、家族という運命共同体になるからだ。恋愛のようにお互いの都合がいい部分だけを見せて向かい合うのではなく、自分の短所も相手に見せて共有して支え合い、一緒に同じ方向を見つめる。そして、自分たちと周囲の人たちの人生をできる限り豊かに味わい深くすることを目指す。そのプロセスにはせつなくなったり調子に乗ったりする余地はほとんどない。

 筆者の体感調査では、日本の成人の1割ぐらいは結婚に向いていない。年齢を重ねても恋愛の刺激を求め続けたい人、もしくは「他者と支え合って一緒に同じ方向を見る」ことができない人が該当する。無理に結婚すると自分も周囲も不幸にしてしまいがちなので、独身のままで楽しい人生をまっとうしてほしい。

 残りの9割も、自分をあまりに知らぬままで結婚すると「こんなはずじゃなかった」と思ってしまうだろう。自分は何ができて何ができないのか、どのような環境を確保すれば安心と自由を覚えるのか、絶対に守りたい価値観は何なのか。大げさなことではない。両親や友人との付き合い方からお金の使い方に至るまで、譲れる部分と譲れない部分がある。それが価値観だ。

 自分を知るためには多くの人の助けがいる。恋愛によって傷つけたり傷つけられたりする経験も必要だと筆者は思う。ちなみに、冒頭のつぶやきを聞かせてくれた女性は先日結婚をした。その大きな幸せの底には、「モテると傲慢になりやすい」という自分への戒めがあるはずだ。経験からの学びほど心強い味方はいない。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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