Yahoo!ニュース

41歳。「いつかは結婚したい」と思っているうちにこの年齢になりました~40歳からの婚活入門(6)~

大宮冬洋フリーライター
品川駅近くの「つばめグリル」にて。一緒にビールを飲みながら話を聞きました。

***営業事務、平川佳美さん(仮名、41歳)の話***

高校1年生ぐらいから「いつかは結婚したい」と思っていたんです。ズルズルとこの年まで独身で来てしまいました。

自分で言うのも変ですけど、私は「美人だね」と言ってもらえることもあります。長く付き合っている人がいると思われたり、結婚していることを前提に「ご主人は何をしていらっしゃるの?」と年配の女性に聞かれたり。受け答えをするのが面倒に感じることもあります。

結婚相手がいたら楽しいだろうな、とは今でも思います。でも、一人暮らしを始めて14年も経つので、独身生活が気楽になったのも確かです。何をするにも自由だし、生活に困ることもありません。大きなものを買って運ぶときと大掃除をするときに男手がほしくなるぐらいです。

母からは心配されていますよ。実家に帰ると、「私の娘にしては性格も外見も上出来なのに、いい人はいないの?」と聞かれたりしています。いま、付き合っている男性はいません。

ローンを組んでマンションを買ったら「重たい」女ですか?

女子高から短大に進んで、男性とお付き合いする機会はあまりなくて、初めて恋人ができたのは20代前半です。自動車関連の会社で働いていたときの先輩社員でした。

6歳年上の男性で、ちゃんとした言葉もなくて付き合っていました。2年間、振り回されただけだったな……。私は男性経験が浅かったので、彼の言いなりになってしまいました。すごく束縛をする人で、「オレがいるんだから友だちなんていらないよね」とか「ライブなんてつまらないよ」なんて私の行動を制限してくるのです。でも、私は彼が他の女性とも付き合っているのを知っていました。最後までわけのわからない人でしたね。

しばらく恋愛から離れていて、次に好きな人ができたのは28歳のときです。合唱サークルで一緒だった同い年の男性でした。歌のカラオケ音源を作ってもらったお礼に食事をご馳走したのがきっかけです。私は童顔が好きなんだな、と彼と付き合って気づきました。

最初のうちは結婚の話も出ていたんです。でも、エンジニアだった彼がコンサルティング会社に転職してあたりから距離ができてしまいました。仕事が忙しすぎ、好きな音楽にも時間がとれない彼は、毎週のように私と会うことが億劫になっていたのかもしれません。最後は、「重たい」と言われて振られてしまいました。

彼と付き合う前に、私はマンションを買って住んでいました。1400万円のローンは自分で払うつもりで、結婚しても彼には迷惑をかけないと伝えていたんです。自分たちで住まなくても他人に貸せばいいですよね。でも、30歳前の独身女なのにマンションをローンで買ったことも彼は「重い」と感じたのだと思います。

穏やかで芯の強い人が好き。でも、私に無関心なのは困ります

30代前半は恋愛関係ではろくなことがありませんでした。自分は時間にすごくルーズでマイペースなくせに、ツッコミで私の頭を叩いたりする音楽業界の人。精神的に病んでいて入退院を繰り返している人。最初はちょっといいなと思うのですが、デートしてみると変な男性ばかりと会ってしまいました。

私自身、自己評価が低いところがあります。中学校時代から24歳ぐらいまでデブだったことがコンプレックスになっているのかもしれません。今と比べて15キロ以上も太っていました。

だからなのか、男性に対して壁があるように思われることもあります。好きになることはあるのですが、その感情を抑制してしまうんです。あえて好きなタイプを言えば、「優しいけれど芯は強い人」かな。漠然としていますね……。

私は感情の起伏が激しいほうなので、相手の男性は穏やかな人でいてほしいです。私にもやりたいことはいろいろあるので、束縛はされたくありません。

でも、どんなに穏やかでも私に無関心な人は嫌です。一昨年、ある社会人サークルで3歳上のバツイチ男性と出会い、「この人は悪くないな」と思って、少しお付き合いをしました。でも、デート中に私が道端のぬかるみで滑って転んだときに、彼は「何しているんだよ~」と笑い飛ばしてくれるのでもなく、手を差し伸べて助けてくれるのでもなく、何事もなかったように歩き続けたんです。私の気持ちも冷めかけていた頃だったので、お別れをして今に至ります。

ひとりでいるのは平気です。でも、まだ続く人生ならば好きな人と一緒にいるほうがずっと楽しいだろうな。人を求めているのになんとなく人を遠ざけているようにも自覚しています。その矛盾した様子がいまの私なのでしょう。

***筆者より平川さんへ***

「自分」は少し脇に置いて、好きな人には好きだと伝えてみませんか

華やかで明るい雰囲気の平川さん。でも、しばらく話していると「距離感が近いようで遠い」と感じることがあります。平川さんとはある食事会でお会いして、会食をしながらのインタビューも快諾してもらいました。失礼なことはしていないと思います。だけど、なぜか「平川さんは居心地が悪そうだな」と感じてしまいました。筆者が平川さんに好意がある男性だったとしたら、踏み込んでいいのか悪いのか戸惑うことでしょう。

平川さん自身が言っているように、「自己評価の低さ」が原因なのかもしれません。結婚願望があるのであれば、もう少しだけ他人との距離感を縮められたほうがいい気がします。

筆者は心理学の専門家ではないので「自己肯定感を高める方法」などは知りません。でも、ひとつだけ言えることがあります。たいていの人は自己評価が高いようで低く、低いようで高いのです。筆者も「オレってポンコツだな」と感じることはよくありますが、そうやってウジウジと自分のことばかり考えている時点で自意識過剰なんですよね。

好きな異性がいることはいいことだと思います。優しくて芯の強い人、素敵ですよね。いきなり告白しなくてもいいので、彼の前で気持ちを素直に開いてみたらどうでしょうか。恋愛前提でなければ、相手が既婚者であっても構いません。自分がどう思われているかはさておき、好きな人には好きだと伝えるのです。その繰り返しの中で、平川さんの感情もより柔らかで安定したものに変っていく気がします。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

あなたを結婚させたい! オネット&マチコの超実践的婚活道場

税込2,970円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

大宮冬洋が自分の周囲にいる独身男女に声をかけて引き合わせる、お見合いおじさん活動「オネット」(大宮ネットワーク)の舞台裏をご紹介。オネット会員の匿名のプロフィールやお見合いの様子、成婚&退会者インタビューのほか、チームメンバーの婚活講師マチコ先生による婚活必勝アドバイスもお届けします。また、本連載の購読者は無料オプションとして、会員とのお見合いを希望することもできます。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

大宮冬洋の最近の記事