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42歳。女として一番大事な10年間を不倫で浪費しました~40歳からの婚活入門(4)~

大宮冬洋フリーライター
「気配りができて話が面白い男性が好き」と小林さん(仮名)。某イタリア料理店にて

***派遣社員、小林由佳さん(仮名、42歳)の話***

高校を卒業してから約20年間、化学メーカーの正社員として働いていました。高校時代に付き合っていた彼氏とは22歳のときに別れて、次に社内で恋人ができたのは27歳のときです。でも、相手のAさんは既婚者でした。

Aさんは私より9歳年上の中途社員です。仕事で困ったときはパッと対処してくれて、私の同世代に比べると頼りになるなと思っていました。彼が部署を異動になったのをきっかけに2人で食事に行くようになり、付き合い始めました。

彼には奥さんと子どもがいて、私の前でもやたらと子どもの話をするのです。どうして私にそんな話をするのかずっと疑問でした。

家庭が大事なのはわかります。会うのをやめるべきでした。でも、どうしてもやめられなかった。今ではAさんの顔すらもよく思い出せないぐらいなのに、当時は(不倫の恋に)洗脳されちゃっていたんですね。

私は一人遊びも得意なほうだし、女友だちはいるので、彼と会っていないときも寂しくはありませんでした。そのことが不倫関係(の継続に)拍車をかけていたのだと思います。実家暮らしだし、給料もけっこう良かったので、生活にも不安はありませんでした。「私はずっと結婚せずに陰の存在になろう」なんて、ゲスな考えをしていたんです。

親からは「結婚はどうするの?」といつも急かされていましたが、仕事が楽しいことを言い訳にして……。もちろん、彼のことなんて親には話せません。

一人遊びが得意な私。35歳を過ぎてから急に将来が不安になりました

将来のことが不安になり始めたのは35歳を過ぎてからです。ちょうどあの頃、仕事でも新任の上司との関係がうまくいかなくて悩んでいました。精神的に追い込まれてしまい、37歳のときに会社を辞めました。それからは派遣社員としていろんな会社で働いています。

気持ちにもお金にも余裕がなくなったので、Aさんと会うのもやめました。しばらくはメールが来ていましたが返信はしていません。

完全に離れてみると、なぜあんな人のために我慢ばかりしていたのか自分でも信じられません。(不倫中も)合コンには参加しましたよ。でも、(参加者の男性とAさんを心の中で比べて)Aさんのほうが良く見えてしまうんです。30代の前半だったら私もまだモテたのに……。私は女として一番いい時期をAさんに使ってしまった。バカだったな、と思います。

30代後半になると合コンの誘いはパッタリなくなります。だから、お見合いパーティーに出かけました。この5年間で30回ぐらいは参加したと思います。2年前には気になる人もできたんです。農家の独身男性とのお見合いバスツアーでのことでした。

お見合いバスツアーで一目惚れ。でも、私から連絡先は聞けません

私の1歳年上のBさんは素朴で話しやすい人でした。少年っぽい外見で若々しい。でも、私は「いいな」と思う相手には自分から話しかけたり連絡先を聞いたりできません。特に他の女性と話しているのを見ると、遠巻きにして眺めてしまう。私のダメなところです。結局、LINEの交換をできないままにバスツアーが終わってしまいました。

同じく農家のCさんとはLINE交換できたので、飲み会をやってもらいました。農家同士のつながりでBさんも来てくれることを期待したんです。実際、Bさんも来てくれて、会話することもできました。でも、やっぱりLINE交換ができません。Bさんのほうからも私に連絡先を聞いて来ませんでした。脈がなかったのだと思います。

でも、やっぱりあきらめきれなかったので、またCさんにお願いしたんです。今度はBさんと3人か、女性をもう一人入れて4人で会いたい、と。返事は「Bは少人数だと気が進まないらしい」とのこと。フラれてしまったんです。

その代わり、なぜかCさんとデートすることに。「また次は映画でも」と誘われましたが、私はCさんを恋愛対象としては見られないので断りました。今から考えると、Bさんに直接連絡していたら結果が違っていたかもしれません。ああ、後悔……。

昨年末からは大手の結婚相談所に登録しました。2人の男性とお見合いしましたが、プロフィールと実際が違うんです。47歳で無職の男性は、プロフィール写真が8年前のものでした。私と同い年の男性は「会社員」と書いてあったのに派遣社員でした。私自身もまだ派遣の立場で、今は正社員になれるかどうかの瀬戸際です。結婚相手には安定した仕事に就いていてほしい。贅沢は言いません。年収も500万円ぐらいあれば十分です。

救いは、職場の女性たち。特に3人の既婚女性と仲が良くて、私の婚活を親身になって応援してくれています。ダンナさんの会社にいる独身男性との飲み会を企画してくれたり。本当にありがたいです。

この5年間で婚活をいろいろやってきました。いい加減に引退するべきなのかもしれません。でも、女友だちが応援してくれるので、今年いっぱいは頑張ってみようと思います。

***筆者より小林さんへ***

小林さんとはある食事会で会い、少しおしゃべりしました。自信なさげで遠慮がちなのに、なぜか面白いのです。話し方が暗くなり過ぎず、「自虐芸」のように感じることもあります。もちろん、こちらの話もちゃんと聞いてくれます。つまりは人柄がいいのですね。優しく頼もしい女友だちに囲まれているのも納得です。

そんな小林さんは、かつて10年間も既婚男性とお付き合いをしていました。20代半ばの頃は「仕事ができる年上男性」がとりわけカッコよく見えるので仕方ないと思います。「一人遊びが得意なので寂しくはなく、それが不倫関係の継続に拍車をかけた」という自己分析は鋭いですね。小林さんと同じような感覚で既婚男性との恋愛関係がなんとなく続いている独身女性は少なくないと思います。

筆者はすべての不倫がいけないとは思いません。そこまで高い倫理観は持ち合わせていません。小林さんは「相手の家庭は壊したくない」と言っていましたが、本当に好きだったら略奪婚をしてもかまわないと思います。

ただし、不倫関係が長引くと、独身(たいていは女性ですよね)のほうが最終的に傷つき後悔する結果になりやすいのが現実です。付き合うのであればちゃんと期限を決めて、「楽しかったけれど、もう会わない。もしも会いたいなら、奥さんとちゃんと別れてからにして」と厳しく言い渡すべきでしょう。それが難しいんですけどね……。

かつての自分を「バカだったな」と振り返る小林さん。反省した今ではもう「バカ」ではありません。親切な女友だちにも恵まれています。ダンナさんの会社の同僚まで紹介してくれるなんて尋常な親切ではありませんよ。大げさに感謝しましょう。

これからは「婚活」という言葉にこだわらず、友だちの力も借りて、いろんな人との交流を気軽に楽しんだらいかがでしょうか。その先に良縁が待っている気がします。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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