日本のシニアを元気にする「シニアモンスターズ」とは何者か?

シニアモンスターズのMIMIさん(写真提供:オースタンス)

人生100年時代と言われる今、いかにして人生の後半を豊かに過ごせるか、多くの人には悩ましい事かもしれない。リタイアしたあと、何もすることが見つからず、日がな一日テレビにかじりついている人も少なからず存在する。一方、それまで未経験だったことに新たにチャレンジし、新たな活躍の場を切り開く人もいる。今回紹介するシニアモンスターズは、まさに人生後半戦におけるハイパー・チャレンジ・ピープルだと言えよう。

では、シニアモンスターズは、「“カッコいい”に、年齢は関係ない。」をキャッチフレーズに結成されたエンターテイメント集団だ。加入条件としては、55歳以上、人生を楽しむカッコいい人物 、表現活動に打ち込んでいる、若さ、エネルギッシュさのあるもの、シニアの概念とギャップのあるものといった条件を元に集まった集団だ。

実際のシニアモンスター、Shige-bohさん(男性・72歳)とMIMIさん(女性・61歳)にお話をお伺いした。

Shige-bohさんとMIMIさん(撮影筆者)
Shige-bohさんとMIMIさん(撮影筆者)

Shige-bohさんは72歳のストリートダンサー。それまで趣味はテニスぐらいだったが、定年を前に何かやらなきゃという思いもあり、世田谷区が主催する「おやじダンサークラブ」に参加した。もともと、これは市民のメタボ対策クラブだったが、何故かこれがShige-bohさんはぴったり来た。その後、別のスポーツクラブでもダンスを続け、いつの間にかストリート・ダンス、ハウス・ダンス何でもOKのシニア・ストリートダンサーとなった。

MIMIさんはストリートダンサー(レゲエ)でファッショニスタ。若い頃からソウル・ミュージックや、ヒップホップなどにはずっと親しんでいた。ジャマイカ出身のご主人の影響もありレゲエにもはまった。ファッションは昔から大好き。自分が明るいファッション・スタイルでいることで、周りの人を幸せにしたいと語る。

このお二人以外にも、多様な才能がシニアモンスターズには集結している。

MCのMC HULKさん(男性・58歳)、DJのDJ NAGATAさん(男性・62歳)、ストリートダンサーのミッチーさん(女性・68歳)、ポールダンサーのashidayさん(男性・70歳)、アイドルのmyunとyayo~さん(女性・二人合わせて117歳)など、いわゆるユースカルチャーにチャレンジするシニアたち約30人が集まっている。

シニアモンスターズを組織化しているのは、株式会社オースタンス代表の菊川諒人さん。創業当時は、結婚式場での各種演出がメインで、数多くのパフォーマーを抱え、フラッシュ・モブや、オリジナル・ソングで会場を盛り上げ演出していた。近年では、TikTokなどの動画SNSでのショートムービー・インフルエンサーの育成も手がけている。

シニアモンスターを発足させよう考えた契機も、ある動画制作が発端だった。ダンス界では著名なブルーノ・マーズのファン・ムービーを現シニアモンスターである、たちフラワーさん(女性・62歳)、ムッシュさん(女性・59歳)、TORIさん(女性・64歳)に出演してもらい制作したところ、話題を呼び、その後、テレビ出演も相次いだ。

左からムッシュさん、TORIさん、たちフラワーさん(写真提供:オースタンス)
左からムッシュさん、TORIさん、たちフラワーさん(写真提供:オースタンス)

これがきっかけとなり音楽、演劇やダンスをしているシニアの人と話をしてみて分かったのは、「とにかく彼ら彼女らは表現したいという欲求を持っているという事実」(菊川さん)。加えて、「人が集まることにより生まれる価値がある」(同)ことに気づき、それを促進するプラットフォームとしてシニアモンスターズを結成した。

 現在、具体的な活躍の場所としては、年2回、「シニアモンスターズ祭」を開催。同時に、彼らに対し、TikTokやインスタグラムの講座を行い、自らの活動を自主的に発信できる機会の促進などを図っている。

 これ以外にも、菊川さんは大人を元気にするさまざまなプロジェクトを仕掛けていきたいと考えているそうだ。今後、直近で開催する予定なのは、50代・60代~の出演者×100人で、日本のおとなを元気にするステージ「ダンス&リーディングシアターおとな公演」。演出堤幸彦、衣装協力コシノミチコで、9月14日(土)の開催。現在、クラウドファンディングによるプロジェクト支援者も募集中だ。

シニアモンスターズたちの集合写真(写真提供:オースタンス)
シニアモンスターズたちの集合写真(写真提供:オースタンス)

 菊川さんとお話をして感じたのだが、最近、高齢化社会を元気にしようと活躍する若者が増えている。多世代交流のひとつとも言えるが、若者とシニアが積極的に交流することで、お互いに元気になっていける社会が作れれば、これも新しい超高齢社会のすぐれた課題解決事例となっていくのではないだろうか。

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