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ANA・JAL国内線、7月から紙コップ提供のアップルジュース復活。お茶と2種類から選べるようになった

鳥海高太朗航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
紙コップでのドリンクサービスを再開したANA国内線(7月6日、筆者撮影)

 新型コロナウイルスの感染者が増え始めた3月より順次、ANA(全日本空輸)やJAL(日本航空)では国内線機内でのドリンクサービスを変更した。ANAでは3月上旬から普通席のドリンクサービスを中止し、出発前に空港で利用者自身で購入して機内に持ち込む方式が取られていたが、4月中旬からは紙パックのお茶を配る方式に変更した。JALでも普通席・クラスJにおいては3月下旬から紙パックのお茶の提供に変更していた。

 お客様と機内サービスをする客室乗務員(CA)との接触を少なくする為の措置であり、CAがドリンクサービス中にトレーの上に載せられた紙パックのお茶をお客様自身で受け取る形になっていた。お子様には子供用のアップルジュースのミニパックも用意されていたが、大人については紙パックのお茶しか選べなかったが、7月1日よりANA・JALともにお茶に加えて、アップルジュースの提供を再開した。

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機内では新型コロナウイルスにおける航空会社の取り組みをVTRで紹介している(筆者撮影)
機内では新型コロナウイルスにおける航空会社の取り組みをVTRで紹介している(筆者撮影)

紙コップでのサービスを再開

 ANA・JALでは共にアップルジュースの提供を7月1日から再開し、新型コロナウイルス前同様に紙コップに入れて提供される方式になった。筆者は7月6日にANAの羽田→函館、7日にJALの函館→羽田にそれぞれ搭乗したが、紙コップで提供されるスタイルに戻ったことで、いつもの機内に戻った感じで、まだホットコーヒーやスープなどのドリンクメニューの提供は見合わせているが、日常生活に戻りつつあることを実感することになった。

 ANAとJALでサービスが異なっていたのが冷たいお茶の提供方法。ANAは、アップルジュース同様に紙コップに入れて冷たいお茶が提供される方式に7月1日から変更されたが、JALでは紙パックに入ったお茶の提供を継続していた。

カップでの提供となったANA国内線の機内ドリンク(7月6日、筆者撮影)
カップでの提供となったANA国内線の機内ドリンク(7月6日、筆者撮影)
JAL国内線では、アップルジュースは紙コップ、お茶は紙パックで提供されていた(7月7日、筆者撮影)
JAL国内線では、アップルジュースは紙コップ、お茶は紙パックで提供されていた(7月7日、筆者撮影)

 機内で薬などお水が必要な場合には、ANA・JALともにCAにお願いすると用意してもらえるそうだ。

国内線で唯一、コーヒーの提供を継続しているスターフライヤー

 ANAやJAL以外で羽田空港を発着する航空会社の中で、ホットコーヒーの提供を継続しているのがスターフライヤーだ。スターフライヤーのコーヒーは、タリーズ社のコーヒー豆を使用しており、スターフライヤー便に搭乗する際に楽しみにしている人も多い。筆者が6月10日に利用した際にもコーヒーも提供されていた。コーヒー以外にもアップルジュースや冷たいお茶、スープなども提供されている。ただ、ホットコーヒーと一緒に出されるビターチョコレートの提供は中止となっている。

国内航空会社で唯一、現在もコーヒーを提供しているスターフライヤー(6月10日、筆者撮影)
国内航空会社で唯一、現在もコーヒーを提供しているスターフライヤー(6月10日、筆者撮影)
スターフライヤー機内(6月10日、筆者撮影)
スターフライヤー機内(6月10日、筆者撮影)

その他の国内航空会社は?

 ANA、JAL、スターフライヤー以外の主な国内線航空会社では、ソラシドエアがお茶とアップルジュースを提供しているが、AIRDOではドリンクの提供自体を見合わせている。

 またスカイマークでは、新型コロナウイルスの発生前までは一部路線でコーヒーの無料提供をしていたが、基本的にはペットボトルや(お茶、ミネラルウォーター、コーラなど)アップルジュースの紙パックなどのドリンク、インスタント珈琲や紅茶などを100円で販売する方式になっていたが、4月16日以降の機内サービスを休止している。また有料販売でドリンクを提供しているLCC(格安航空会社)各社も機内販売を一時中止している。

毛布の提供も休止中

 ANAやJAL便などを利用する際に毛布(ブランケット)を借りる人も多いが、国内全ての航空会社で毛布の貸出を中止しており、空調が効いて寒さを感じる可能性がある人は、カーディガンや膝掛けなどを利用者自身で用意する必要がある。

ANAの羽田→函館線の機内(7月6日、筆者撮影)
ANAの羽田→函館線の機内(7月6日、筆者撮影)
JALの函館→羽田線の機内(7月7日、筆者撮影)
JALの函館→羽田線の機内(7月7日、筆者撮影)
JALでは機内誌や機内ショッピングの冊子が搭載されていたが、ANAでは希望者に配布する方式が取られている(7月7日、筆者撮影)
JALでは機内誌や機内ショッピングの冊子が搭載されていたが、ANAでは希望者に配布する方式が取られている(7月7日、筆者撮影)

 新型コロナウイルスの感染者数の推移を見守りながらの利用になるが、国内線を利用する際には事前にホームページで機内サービスの最新状況を確認し、必要に応じて事前にドリンクの購入や膝掛けの準備などを搭乗前にしておくといいだろう。

航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

航空会社のマーケティング戦略を主研究に、LCC(格安航空会社)のビジネスモデルの研究や各航空会社の最新動向の取材を続け、経済誌やトレンド雑誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオなどでニュース解説を行う。2016年12月に飛行機ニュースサイト「ひこ旅」を立ち上げた。近著「コロナ後のエアライン」を2021年4月12日に発売。その他に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社)などの著書がある。

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