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6月27日~30日、大阪への飛行機出張・旅行は要注意。伊丹空港・関西空港はバス全面運休など大幅規制へ

鳥海高太朗航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
伊丹空港発着のリムジンバスの多くが6月27日~30日まで運休となる(筆者撮影)

 G20サミットが6月28日(金)・29日(土)の2日間、大阪の大阪国際見本市会場(インテックス大阪)で開催される。大阪府内では要人が来日する6月27日(木)~離日する30日(日)までの4日間、大阪市内一般道、阪神高速道路、関西空港と大阪市内を結ぶ高速道路などで通行止めを含む大規模な交通規制が敷かれる。

 東海道・山陽新幹線を含む鉄道は通常通りの運転となるが、大阪国際空港(伊丹空港)や関西国際空港を利用する際には、空港アクセス、空港ターミナルビルも含めて規制が強化される。飛行機も要人が利用する場合など、関西国際空港では遅延便が出る可能性もある。

伊丹空港では大阪市内へのリムジンバスがほぼ全面運休

 まずは国内線での利用が多い伊丹空港。最大の規制は、空港リムジンバス(大阪空港交通)の運休となる。伊丹空港から大阪駅前(梅田)、なんば、上本町、あべの橋(天王寺)、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)、東大阪、関西空港への路線は往復共に6月27日(木)~30日(日)の4日間、全便が運休となる。ただし、新大阪、京都、姫路への路線は運行予定となっているほか、神戸(三宮)便は伊丹空港から神戸へは運行するが、神戸から伊丹空港へは全便運休となる。路線によって一部運休の場合もあるのでバス会社のホームページで確認することをおすすめしたい。

伊丹空港のリムジンバス乗り場。期間中(6月27日~30日)は多くの便が運休となる(筆者撮影、以下同じ)
伊丹空港のリムジンバス乗り場。期間中(6月27日~30日)は多くの便が運休となる(筆者撮影、以下同じ)

大阪モノレールの利用がおすすめ

 時間が最も読めるのは大阪モノレールを利用することになる。大阪市内方面へは、ターミナルと直結している大阪空港駅から1駅乗車して蛍池駅で阪急電車に乗り換えて大阪駅(梅田)へ向かうことができるほか、大阪モノレールで千里中央駅まで乗車し、大阪メトロ御堂筋線に乗り入れる北大阪急行に乗り換えて梅田やなんば、天王寺方面へ向かうことも可能だ。

 大阪モノレールは6月27日~30日まで臨時列車を運転することで乗客増に対応するが、時間帯によっては満員で乗車できない可能性もあることから、特に伊丹空港から飛行機に搭乗する場合には早めの利用を呼びかけている。今回の場合、阪神高速が通行止めになることから、飛行機の時間が迫っている場合にタクシーに乗車しても一般道の走行になることでより時間を要する可能性があるので注意が必要となる。

伊丹空港へは、蛍池駅もしくは千里中央駅から大阪モノレールの利用が便利。臨時列車も運転される予定
伊丹空港へは、蛍池駅もしくは千里中央駅から大阪モノレールの利用が便利。臨時列車も運転される予定

ターミナル内に入る際に航空券もしくは手荷物のチェックも

 また、伊丹空港では6月27日~30日までの期間、旅客ターミナル入口で警察官によって航空券のチェックが行われる。飛行機に乗らない人のターミナル内への入場は通常通り可能ではあるが、手荷物検査が行われることになる。ANAやJALでは便出発15分前に保安検査場を通過する必要があるが、期間中は1時間以上前には空港に到着するように向かうのがいいだろう。

 レストランやショップなどは通常営業となるが、展望デッキも6月27日~30日まで閉鎖されるほか、コインロッカーも6月24日~30日まで利用できなくなる。

伊丹空港の到着ロビー。昨年4月にリニューアルされ、綺麗な空港ターミナルビルに生まれ変わった
伊丹空港の到着ロビー。昨年4月にリニューアルされ、綺麗な空港ターミナルビルに生まれ変わった

関西空港は連絡橋が通行止めの時間帯も

 関西国際空港では、海外からの要人が利用する政府専用機やチャーター便などが発着することで伊丹空港以上に警備が強化される。来日が集中する6月27日・28日、離日が集中する29日・30日においては各国首脳が関西空港の連絡橋を通過する時間帯は通行止めとなることから、大阪市内での交通規制も含めて、鉄道(南海電鉄もしくはJR)の利用を推奨している。

 来日が集中する6月27日の関西空港リムジンバスは全路線・全便が運休となる。大阪市内、兵庫県、岡山県、四国を結ぶ路線では深夜時間帯などの一部を除き、28日~30日もほぼ全面運休となる。その他の路線も運休便が多数出る計画となっている。また、関西国際空港と神戸空港を結ぶ海上アクセス「神戸-関空ベイシャトル」27日と29日は全便運休となり、28日・30日も運航予定となっているが関空島内の交通規制によっては急遽運休になる可能性もあることから船会社も鉄道の利用を推奨している。

南海電鉄とJR西日本の関西空港駅
南海電鉄とJR西日本の関西空港駅

特別機の発着前後に遅延の可能性も

 また、ピーチ便などが発着する第2ターミナルへは、関西空港駅近くのエアロプラザからシャトルバスを利用することになるが、交通規制の影響で通常よりも時間を要する可能性もあることから、第1ターミナル以上に時間に余裕を持って空港へ向かう方がよさそうだ。伊丹空港同様に旅客ターミナルビル入口で航空券のチェック(飛行機に乗らない人は手荷物検査)が行われる。

 更に6月27日~30日の期間、特別機の運航に伴い、定期便が遅延する可能性もあることから、多少遅延する可能性も考えて予定を組むのがいいだろう。展望スポットである関空展望ホール「SkyView」も閉鎖されるほか、コインロッカーも6月24日~30日まで利用できなくなる。

関西国際空港第1ターミナル4階の国際線チェックインカウンター
関西国際空港第1ターミナル4階の国際線チェックインカウンター

6月27日~30日に大阪へ出かける人は時間に大きな余裕を

 大阪でこれほどの大規模な規制がされるのは初めてのことであり、最も規制が強化される6月27日~30日は木曜~日曜となる。出張や旅行の両方で大阪方面へ出かける予定がある人は時間に相当な余裕を持ったスケジュールを組む必要があり、この4日間に限っては新幹線利用が可能な場合には、新幹線を使った方が時間読める可能性が高いだろう。

航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

航空会社のマーケティング戦略を主研究に、LCC(格安航空会社)のビジネスモデルの研究や各航空会社の最新動向の取材を続け、経済誌やトレンド雑誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオなどでニュース解説を行う。2016年12月に飛行機ニュースサイト「ひこ旅」を立ち上げた。近著「コロナ後のエアライン」を2021年4月12日に発売。その他に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社)などの著書がある。

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