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LCC利用者に朗報。明日から成田空港での高速バス降車順変更で第3ターミナルへは15分短縮される

鳥海高太朗航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
成田空港第3ターミナルに新しくオープンするバス降車場(3月21日、筆者撮影)

「ようやく鉄道が乗り入れていない第3ターミナルにバスが最初に停車するようになる」。LCC(格安航空会社)の関係者やLCC利用者から歓迎の声が聞こえる。

LCC中心の第3ターミナルオープンから4年で実現

 成田空港では明日3月28日(木)より高速バスで成田空港に到着するバスの停車順を現在の第2ターミナル→第1ターミナル→第3ターミナルから、第3ターミナル→第2ターミナル→第1ターミナルの順に変更される。2015年4月8日にオープンして以来、4年かかっての停車順変更となった。

 LCCが中心の第3ターミナルは、ジェットスターグループ(ジェットスター・ジャパン、ジェットスター航空)やバニラエア、春秋航空日本、チェジュ航空が使用しており(ピーチは第1ターミナルを使用)、第3ターミナルは高速道路から空港エリアに入る第2ゲート前に位置しているが、ゲート前付近に降車場が作れなかった関係で、ターミナルの目の前を通過して、第2ターミナル(JALなど)・第1ターミナル(ANAなど)と遠回りしてから最後の停車となっていたが、かつて検問が行われていたゲート前(第2ゲート)に新降車場を新設したことで最初に停車する。基本的に高速道路経由のバス全てが対象となる。

鉄道駅がなくバス利用の比率も高いが、ターミナル前を素通り

 第3ターミナルは、唯一鉄道駅と直結しておらず、鉄道利用の場合はJR・京成の「空港第2ビル駅」から連絡通路を通って約10分近く徒歩で移動するかターミナル間の無料シャトルバスに乗車するかのどちらかになる。また、自家用車で空港に来ても第3ターミナルには至近距離に駐車場がなく第2ターミナル直結の駐車場を利用するしかない。更に都心からの高速バスも最後に停車するということで、利用者に優しくない空港アクセス事情だった。

 LCCターミナルは、空港施設の利用料も安いのだから、空港アクセスが不便である点は仕方ないだろうという意見もある。考え方としては間違ってはいないが、ただターミナルの目の前をバスが素通りするという無駄はLCC利用自体を遠ざけてしまう側面があることも事実だ。

東京駅から片道1000円の格安バスは常に満席状態

 運賃が安いことで国内線においても羽田空港ではなく成田空港へ向かうLCC利用者が確実に増えている。LCC利用者の多くが2012年夏にジェットスター・ジャパンと旧エアアジア・ジャパン(現在はバニラエア)が成田空港を拠点に路線を開設したタイミングで運行を開始した東京駅から片道1000円で成田空港まで行ける格安バス(「東京シャトル」、「THEアクセス成田」)を利用している(最安は「東京シャトル」で2日前までの予約で900円)。

 今ではLCC利用者だけでなく、フルサービスキャリアの利用者や空港関係者の利用も多く常に満席の状態だ。両バスを合わせると日中は10分間隔で乗車できるが、それでも満席で積み残しの状態で発車することも珍しくない。

東京駅八重洲南口の「THEアクセス成田」乗り場(筆者撮影)
東京駅八重洲南口の「THEアクセス成田」乗り場(筆者撮影)

東京駅から第3ターミナルまで1時間ジャスト

 以前から片道1000円以下で利用できる格安バスだけでも第3ターミナルに先に停車して欲しいという声や1時間に1本程度だけでも第3ターミナル直行バスを運行して欲しいという声があった。筆者は3月21日に東京駅から成田空港まで格安バス「THEアクセス成田」に乗車した。渋滞はなくスムーズに高速道路を走行し、ほぼ完成した新しい第3ターミナルの降車場前までピッタリ1時間で到着することができた。

新しくオープンする第3ターミナルの高速バス降車場(3月21日、筆者撮影)
新しくオープンする第3ターミナルの高速バス降車場(3月21日、筆者撮影)

 

特に早朝便利用者にはありがたい

 新降車場を利用することで、空港を運営する成田空港会社では現在よりも約10分の短縮と発表しているが、実際には15分以上の時間短縮になるだろう。筆者自身も第3ターミナルからの出発で時間が迫っているときは、第2ターミナルで下車してターミナル間の連絡バスを乗車して移動していたが、これからはスムーズに第3ターミナルにアクセスできるようになり、今までよりも1本遅いバスの乗車が可能であり、特に早朝便を利用する際には大きい。今週の土曜日(30日)から朝7時25分発で成田~下地島(宮古)線に就航するジェットスター・ジャパンの片岡優社長も3月15日の下地島空港内覧会での囲み取材で早朝便利用者のアクセスが向上すると期待する。

 現在のルート上にバス停が設置されたこともあり、第2ターミナル・第1ターミナル利用者の到着は第3ターミナルでの降車に伴う時間分のみロスになることから、2~3分程度の時間増になるだろう。

 なお、成田空港からのバスは従来通りに第3ターミナル→第2ターミナル→第1ターミナルの順で変更はされない。利便性が増すことにより、LCC利用者の増加に期待したいところだ。

航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

航空会社のマーケティング戦略を主研究に、LCC(格安航空会社)のビジネスモデルの研究や各航空会社の最新動向の取材を続け、経済誌やトレンド雑誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオなどでニュース解説を行う。2016年12月に飛行機ニュースサイト「ひこ旅」を立ち上げた。近著「コロナ後のエアライン」を2021年4月12日に発売。その他に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社)などの著書がある。

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