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「守備こそが生きる道」 デアンドレ・リギンス(クリッパーズ) 16~17シーズン未公開インタヴュー

杉浦大介スポーツライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

デアンドレ・リギンス(ロサンジェルス・クリッパーズ)

1988年3月21日生まれ、29歳

イリノイ州シカゴ出身 ポジションはSG

 ケンタッキー大で3年を過ごした後、2011年ドラフトでマジックから53位指名を受けてNBA入り。以降はジャーニーマン的なキャリアを余儀なくされると、2013年オフにはドメスティック・バイオレンスで逮捕され、当時所属していたサンダーから解雇された。しかし、その後はディフェンスに生きる道を見出して徐々に評価を回復。Dリーグでは2014、16年に2度に渡って最優秀守備選手賞を受賞した。

 2016〜17シーズンはキャブズの一員として61戦に出場(スタメンは19戦)し、平均12.3分をプレー、2.3得点と自己最高の数字をマーク。シーズン終了間際にマブスに移籍し、今オフ中にはロケッツ、クリッパーズへと所属先は変わっている。

注・インタヴュー収録はニューヨークで2017年2月4日に行われたニックス対キャブズ戦のゲーム前。当時、リギンスはキャブズに所属しており、写真はキャブズ時代のもの。

いつかNBAでもDPOYを勝ち取りたい

ーー優れたディフェンダーになるために必要なものは?

DL:まず自らディフェンスしたいと思わなければいけない。ディフェンスはジャンプシュートなどとは違い、過酷な仕事だ。リーグ全体で約440人ものNBAプレーヤーがいて、その中には力のある選手、スターが含まれている。毎晩気が抜けないし、事前にフィルムを見ておく必要もある。それらをやり遂げるためには、良いディフェンスをしようという強い意思が必要なんだ。

ーー特にDリーグではみんな得点して目立とうとするものなのに、そこで最優秀守備選手賞(DPOY)を3年間で2度も受賞というのはユニークな栄誉に思える。ディフェンスに積極的に取り組もうと心がけた理由は? 

DL:Dリーグでは確かにみんなが点を取りたがるけど、そこから這い上がろうと思ったら、僕は得点ではなく、小さなことを1つずつやっていかなければならないと感じた。数字に残らないことをやろうと思った。その努力が報われ、ここに辿り着けたことを幸福に感じているよ。

ーーNBAでガードするのが最も難しい選手は? 

DL:アイザイア・トーマス(セルティックス)のような小兵ガードは難しい。特に小柄なPGには苦労させられるよ。僕は身長6-6というサイズがあるから、普段はリーチをディフェンスに生かせる。しかし、低い姿勢で挑んでくるガード選手に対しては、より背中を曲げて対峙しなければいけない。相性の問題だね。

ーーこれまでなかなかNBAに定着しきれず、その過程で2014〜15シーズンにはロシア、ドイツのリーグでもプレーした。そういった経験も現在のプレーに役立っていると感じる? 

DL:ロシアに行くまで海外に出たことがなかったから、最初はいろいろなことがクレイジーに感じた。ライフスタイルがまったく違っていたからね。ただ、徐々にアジャストできたし、外国にいる間も、自分はNBAでプレーできる選手だと常に信じていた。その経験を通じて成長し、NBA に戻って来れたことを嬉しく思う。

ーー海外でのプレーで学んだことは?

DL:ロシアではローテーションが違うから、ディフェンスへの取り組みも同じではなかった。チーム練習が1日2回というのも新鮮だった。新しい場所では謙虚な姿勢で臨まなければいけないし、目標を持って日々を過ごさなければ意味がない。それらに気付けたことは僕にとって大きかった。

ーーNBA での今の目標は? 

DL:いつかNBAでもDPOYを勝ち取りたい。少なくとも、オールディフェンシブ1stチームには入りたい。僕がこんなことを言ったらクレイジーだと感じる人もいるのかもしれないけれど、自分では不可能ではないと思っているよ。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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