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この瞬間も一度きり。『中山優馬 Chapter 1 歌おうぜ! 踊ろうぜ! YOLOぜ! TOUR』

杉谷伸子映画ライター

4月にシングル『YOLO moment』をリリースした中山優馬が5月1日の名古屋を皮切りに9日の大阪まで3会場6公演にわたり、ファーストソロコンサートツアー『中山優馬 Chapter 1 歌おうぜ! 踊ろうぜ! YOLOぜ! TOUR』を開催。5月3日のTOKYO DOME CITY HALLの昼公演を取材。終演後には囲み取材が行われた。

ダンスもトークも確かな腕

MC中に来年公開の映画『ホーンテッド・キャンパス』と8月開幕のストレートプレイ『ドリアン・グレイの肖像』グレン・ウォルフォード演出)で主演をつとめることが発表された中山。終演後の囲み取材でも「どちらも楽しみです。ふたつとも違うジャンルで、両方初めての主演ですし」と話し、演技への意欲と情熱をのぞかせていたあたりは、俳優としても注目度の高い彼らしいが、ファーストソロコンサートでは歌って踊るエンターテイナーとしての地力の高さも見せつけた。

なにしろ、2時間のコンサートはのっけからハードに踊るナンバーが続き、中山はバックをつとめる関西ジャニーズJr.とともにほぼ踊りっぱなし、動きまわりっぱなし。屋良朝幸が手がけた振付が踊る側にとってもいかにハードなものであるかは、MC中に関西Jr.たちが、「寝ている間も脚がカエルみたいに動いていた」「夢の中でも優馬コン1公演してる」と盛り上がっていたことからも想像がつく。

そのパワフルなステージを関西Jr.とともに表情豊かに楽しませるのは、さすが『PLAYZONE』メンバー。ダンスの精鋭揃いのステージに立ち続けてきたことの大きさを見せつけて感動的ですらある。

端正な美青年はトークが苦手という先入観を抱かれがちだが、中山は『孤独なソルジャー』を大物アーティストや堂本光一のモノマネも交えて歌うなど、ときに笑いも盛り込んで緩急自在。「“フーッ!”やない。光一くん(のモノマネ)はあかん」のくだりを二度繰り返す、笑いのツボの押さえ方といい、関西Jr.のメンバーたちとの掛け合いも いいテンポで楽しませてくれるのはお見事。ダンスでもトークでも見せていた関西Jr.のチームワークの良さも魅力だった。

この距離感もタカラモノ

そして、もうひとつ、このコンサートの大きな魅力はTOKYO DOME CITY HALLという会場ならではの客席との距離の近さ。客席からの声に「すごい声通るね」と返したりのやりとりに象徴されるように、コンサートのMC中とは思えない距離感での“会話”がアットホームな雰囲気を会場に溢れさせていた。

ツアータイトルにもなっている“YOLO”「You Only Live Once(人生は一度きり)」というフレーズの頭文字をとった造語で、アメリカを中心に流行している言葉だが、今回のコンサートに感じたハッピーさもまさにそれ。中山はキャリアを重ね、5年後、10年後にも さらにときめきに溢れたコンサートを見せてくれることだろう。けれども、ファーストソロコンサートツアーというこの時間にあるときめきもまた一度きり。まさにYOLO momentなコンサート。きっと、タカラモノになる。

『ホーンテッド・キャンパス』は2015年公開

『ドリアン・グレイの肖像』(作:オスカー・ワイルド/脚本:G2/演出:グレン・ウォルフォード)は8月16日に東京・新国立劇場で開幕。

【中山優馬 Chapter1 歌おうぜ!踊ろうぜ!YOLOぜ!TOUR】セットリスト

M0  Overture

M1  Get Up!

M2  Darkness

MC(1) 〜挨拶〜

M3   High Five

M4   ×○×○(キスハグ)

M5   VOICE

M6   おやすみ

M7   アイオライト

M8   Missing Piece

M9   舞い、恋

M10   水の帰る場所

M11   Overture

a ビリビリDANCE

b NEXT STAGE

c がらすの・魔法・

d 悪魔な恋

e バンバンッ!!

f ロマンティック

g UME強引オン!

孤独なソルジャー(1)

h 〜モノマネ〜

孤独なソルジャー(2)

MC(2)

M12   Funky Nine(Dance Inst)〜Jr.紹介コーナー

M13   Hustler

M14   Butterfly

M15   Best Friends

Saxソロ

M16   ネガイゴト〜葉桜

M17 a YOLO Overture

b YOLO moment

M18   Shinig

M19   Friday Night 〜こんなミライ〜

MC(3) 〜挨拶〜

M20   In The Name of LOVE

Encore

E1    交差点

MC4

E2   (メドレー)

High Five

Get Up!

YOLO moment

映画ライター

映画レビューやコラム、インタビューを中心に、『anan』『25ans』はじめ、女性誌・情報誌に執筆。インタビュー対象は、ふなっしーからマーティン・スコセッシまで多岐にわたる。日本映画ペンクラブ会員。

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