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まだ10年。揺るぎなき『関ジャニズム』の表明。

杉谷伸子映画ライター

新レーベル、インフィニティ・レコーズ設立後、初のツアーとなった5大ドーム公演『関ジャニズム LIVE TOUR 2014 >> 2015』。熱気に包まれた東京ドーム最終日となった12月14日の公演を取材。

会場に溢れる独特の熱さも魅力の関ジャニ∞のライブ。11月5日にリリースされたアルバム『関ジャニズム』を引っさげ、11月16日の札幌ドームでスタートした10周年イヤーの5大ドームツアーでは、30数曲を披露。2会場目である東京ドーム公演の最終日も、全編クライマックスといえるほどの熱気。

ドーム全体が常にMAXのテンションで包まれるなか、ときにコミカルに、ときにセクシーにとステージがさまざまに表情を変えるたびにドームがさらに沸きあがる。「自分らの足でお客さんと近づこうみたいなことも話し合いましたね」と公演前の囲み会見で横山裕が話していたように、メンバーがアリーナに十字形に縦横に延びた花道を行き交う。お馴染みのヒット曲や懐かしのソロ曲も次々と披露されるバラエティに富んだ構成は、記念すべき10周年イヤーのツアーならでは。そして、村上信五のキーボード、横山裕のトランペット、丸山隆平のベース、大倉忠義のドラム、錦戸亮安田章大のギター、渋谷すばるのブルースハープという7人でのセッションの半端ないかっこよさ! MCではとことん笑わせてくれる彼らだが、『キング オブ 男!』が象徴するように、泥臭い振り付けも関ジャニ∞がやるとかっこいい。そのオトコな魅力、男性客が増えているのもうなずけるのだ。

MC中に「すばるーっ!」「亮くん!」と飛び交う男エイターたちの声に、「うるさい、男」と苦笑しながらも、「ありがとう! 男も女もありがとう!」と続けた渋谷。

「こんな僕らで作ったいろんな表現をいつも目の前にいてくれて、受け止めてくれる、いつも熱い熱い声を届けてくれるeighter。本当にありがとうっ!」と繰り返し感謝の言葉を口にした彼が、ライブ終盤、何度も曲のさなかに「eighteeeeeer!」と叫んでいたのが印象的だった。その叫びは、「ありがとう」という言葉以上に雄弁に関ジャニ∞とエイターの絆の深さを物語る。同時に、そのドラマティックな光景が気づかせてくれるのは、エイターの存在そのものはもちろんだが、長音で終わる「eighter」というファンの呼び名もまた、関ジャニ∞のライブをよりいっそう盛り上げる素晴らしいものだったということ。まさに、最高で最強の呼び名。

「まだ10年なんです。まだまだです。上には上がまだまだあるし、まだまだ未熟な僕らなんですけど、これからも自分たちが信じた道をみんなで力を合わせて進んでいきたいなと思ってます」と決意を話した渋谷。

まだツアー中なので詳細は記さずにおくが、今回彼らが表明した「関ジャニズム」の概念は、これまで彼らが貫き、そしてこれからも変わらないだろう姿勢だった。関ジャニズムを掲げた彼らは、表現者としてますます眼が離せない存在になっていく。

映画ライター

映画レビューやコラム、インタビューを中心に、『anan』『25ans』はじめ、女性誌・情報誌に執筆。インタビュー対象は、ふなっしーからマーティン・スコセッシまで多岐にわたる。日本映画ペンクラブ会員。

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