【サッカーW杯】最新FIFAランキング8位の強敵ポーランド。ピシュチェク(ドルトムント)に要注意。

ポーランド代表では欠かせない選手の1人、ウカシュ・ピシュチェク(写真:ロイター/アフロ)

 先日3度目のドイツブンデスリーガ得点王を受賞したロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン)が、ポーランド代表チームのエースであり、日本代表チームが最も警戒しなければならない選手であることは間違いない。

 しかし、当然ながらポーランド代表はレヴァンドフスキだけではない。攻撃陣にはジエリンスキ(ナポリ)やミリク(ナポリ)、グロシツキ(ハル・シティ)など、世界有数のアタッカーもおり、W杯欧州予選10試合で28得点の攻撃力は要注意だ。

槍の如く敵陣を突き刺すサイドプレイヤー

 ウカシュ・ピシュチェク(ドルトムント)は、最後尾から最前線まで駆け上がる攻撃的DFだ。右サイドを疾走し、ゴールを演出するだけでなく、ペナルティエリア内にも進入していき、自らゴールも決める。

ウカシュ・ピシュチェク TOP 5 Moment 【ブンデスリーガ公式】

 ブンデスリーガの公式動画でも特集されるほどの実力者であるピシュチェク。この動画の3分17秒あたりの、ペナルティエリア内に侵入して、まるで背中に眼がついているかのような華麗なヒールパスでのアシスト。偶然ではない。その後のリプレイをよく観ると、ヒールパスをする直前、3分25秒から3分26秒にかけた部分で、ボールに向かっていきながらほんの一瞬、首を小さく振って中を見ている。0.01秒くらいだろうか。トップスピードでプレーしながら、次々に迫り来る相手DFと戦いながらも中を確認し、絶妙なラストパスをゴール前に送る。ピシュチェクと対峙する際には一瞬のスキが命取りになる。

 守備時には最後までゴールを守ることをあきらめない。2分6秒のシーンでは迫り来るゴールポストを恐れることなく、身を呈してゴールを守っている。ゴールポストへの激突を恐れ、スピードを緩めていたらおそらくゴールを守ることは出来なかっただろう。勇気あるプレーはチームに活力をももたらす。

複数ポジションをこなせるポリバレント性

 EURO2012では4-4-2、4-2-3-1の4バックの右サイドバックを務め、一つ前に位置する中盤の右サイドのブワシュチコフスキ(ヴォルフスブルク)とのコンビで、幾度となく右サイドからチャンスを演出していたのは記憶に新しい。ロシアW杯欧州予選でも4バックの右サイドバックとして首位通過に貢献。ドルトムントでも右サイドバックを務めることが多いが、状況によっては左サイドバックを務めることも出来る。さらに、W杯欧州予選後から一貫して3-4-2-1のシステムをアダム・ナバウカ監督が試行していっている中で、3バックの右も務めている。

ポーランドディフェンス陣の弱点を補うスピード

 ポーランドの守備の弱点を挙げるとすれば、ディフェンスラインの背後を突かれた際に対応するスピードだろう。W杯欧州予選では10試合で14失点。ポーランドのディフェンスリーダーのカミル・グリク(モナコ)は、自分の前に入ってくるボールに対して圧倒的な強さを発揮する反面、背後を突かれた際の対応に苦戦する場面もある。直近の試合、韓国戦での3バックは、左にパズダン(レギア・ワルシャワ)、中央にグリク、右にピシュチェクという布陣であったが、左のパズダンも比較的グリクと似たタイプである。そのため、3バックを形成する際に、スピードに溢れ、ディフェンスラインの背後を突かれた際の対応にも長けているピシュチェクの存在は大きい。

 ただ、ピシュチェクの本職は幾度となく最前線へ飛び出していく「攻撃的」な右サイドバックであり、もし3バックの右に入っていても、機を見て前線へ上がってくる可能性もある。その際の攻撃力も圧巻だが、それを防ぐことができ、ピシュチェクが最終ラインにいない間に、素早くカウンターを仕掛けることが出来れば、決定的なチャンスを作れるかもしれない。

 その先に待ち構える、世界一のGK輩出国とも言われるポーランドの最後の砦、20歳から5年間にわたりアーセナルで正GKとして君臨し続けたシュチェスニー(ユヴェントス)の牙城を崩すことは容易ではないが、日本代表がポーランド戦で勝ち点を獲得するには、攻守に渡ってポーランド代表のキープレイヤーの1人であるピシュチェクのポジショニングには注意を払っておく必要があるだろう。