Yahoo!ニュース

4年前の因縁。窮地に立たされた韓国の前に立ちはだかるのは

柴村直弥プロサッカー選手
(写真:ロイター/アフロ)

我らが日本代表がオーストラリア代表を2−0で下して6大会連続でのW杯出場を決めた日、海を渡った中国は武漢市にある武漢体育中心では、スタジアムを埋め尽くした中国サポーターが歓喜の渦に包まれていた。

2018年ロシアW杯アジア最終予選、日本と別グループであるA組。2位の韓国に勝ち点差1でつけている3位のウズベキスタンに対して、中国は1−0で大金星をあげ、W杯出場の可能性を残したからである。

0-0で迎えた後半、4年前の前回W杯アジア最終予選で20歳で代表デビューを飾ったウズベキスタンの若きストライカー、イゴール・セルゲエフがゴール前で絶好の得点チャンスを外してしまうと、82分、ペナルティエリア内で胸でボールをコントロールした中国のフウ・ショウテイに対して、ボールに触ろうとしたウズベキスタンDFイスマイロフの足が馮 瀟霆の胸に当たりPKの判定。これをガオ・リンが決め、これが決勝点となった。

混沌とするA組。窮地に立たされた韓国

他会場では韓国がイランと引き分け、シリアがカタールに勝利し、A組の2位争い、そしてプレーオフ進出の3位の行方も混沌とした。

最終節で韓国がウズベキスタンに敗れ、シリアがイランに勝利した場合は、韓国は4位に後退し、プレーオフに進出することもできず、8大会連続で出場しているW杯出場を36年ぶりに逃してしまうことになる。

ウズベキスタン悲願のW杯出場へ

一方で韓国と対戦するウズベキスタンは、前回の2014年ブラジルW杯アジア予選、3次予選で日本を退け、グループ1位で突破するも、最終予選で勝ち点で韓国と並び、得失点差でわずかに1点韓国に下回り、W杯出場を逃している。

4年前の2014年ブラジルW杯アジア最終予選最終戦、それまで最終予選で調子の上がらなかったウズベキスタンは,、最終戦に力を発揮し、カタールに5対1で勝利。韓国がイランに勝利か引き分ければ、ウズベキスタンの悲願のW杯初出場が決まっていたところを、韓国はイランに0−1で敗戦。この場合は勝ち点で韓国と並び、得失点差の勝負となる状況であったため、ウズベキスタンにとっては、同時刻に他会場で行われていた韓国対イランは、最小得失点差で韓国が敗れるという、最悪の結果となった。

参考記事:W杯アジア最終予選、日本のライバルとなるのは?

4年の時を経て、今度は最終戦で直接対決する両雄。

カリモフ大統領の急死を乗り越え、最終予選2連勝で好発進をしたウズベキスタン。

参考記事:W杯アジア最終予選。A組はウズベキスタンが2連勝で単独首位に。急死したカリモフ大統領に捧げた勝利

その後調子を落とすも、4年前のように最終戦で力を発揮し、故カリモフ大統領にW杯出場を捧げることができるのか。

8大会続いているW杯出場を途切れさせるわけにはいかない韓国が意地を見せるのか。

運命の一戦は、9月5日 24:00 ウズベキスタンの首都タシケントにあるブニョドコルスタジアムでキックオフされる。

プロサッカー選手

1982年広島市生まれ。中央大学卒業。アルビレックス新潟シンガポールを経てアビスパ福岡でプレーした後、徳島ヴォルティスでは主将を務め、2011年ラトビアのFKヴェンツピルスへ移籍。同年のUEFAELでは2回戦、3回戦の全4試合にフル出場した。日本人初となるラトビアリーグ及びラトビアカップ優勝を成し遂げ、2冠を達成。翌年のUEFACL出場権を獲得した。リーグ最多優勝並びにアジアで唯一ACL全大会に出場していたウズベキスタンの名門パフタコールへ移籍し、ACLにも出場。FKブハラでも主力として2シーズンに渡り公式戦全試合に出場。ポーランドのストミールを経て当時J1のヴァンフォーレ甲府へ移籍した

柴村直弥の最近の記事