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あなたもうんちマンになりたくなる。世界を笑顔と誠意で練り上げろ?

佐多直厚コミュニケーションデザイナー
うんちマン・うんちウーマンになって常識や否定から解放され、幸せになろう

うんちマンとの出会い

2月中旬、月に2回開催している会議体「パラディス」に彼はやってきました。パラディスはダイバーシティ&インクルージョンにおけるビジネス構築を目指して運営しているもの。障害者の方、LGBTの方、外国人の個人から大企業などの組織関係者まで正規メンバー54、情報共有者107を抱える会議体です。紹介してくれるメンバーに事前情報として彼のウェブサイトを見せていただき、聞きました。

「着替えの部屋を用意しますか?」

回答は、「不要。日常をその姿で通している」というのでした。驚きつつ、期待と不安が膨らみました。うんちマン公式ウェブサイト

その日、会議室に登場した金色のとぐろを頂く全身黄色のコスチューム。軽やかな足取りで近づいて、ご挨拶。その瞬間に理解しました。この人は実に真面目であること。奇をてらっているのではなく、必殺技を持つ剣豪であると。誠実さという刃を持って。

うんちマンのできるまで

4月のパラディスにおいてメンバー共有研修として有名な絵本「うんちができるまで」のごとく、輝くうんちマンとは何者かを語ってもらいました。

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うんちマンと申します。よろしくお願いします。

つながる、うんちの輪ということで実はうんちマンというのはたくさんいるんですね、仲間が。ハロウィンの時に、みんなでこの格好をして楽しくやってきました。自己紹介をさせていただきます。

世界各国でも再生されましたうんちマンの紹介動画をご覧ください。

私は子供の頃からうんちが大好きです。うんちは、人々を幸せにできるから。ことしのテーマはダイバーシティにつながって、多様な参加者をその幸せに巻き込もうとしています。本業はダイスクリエイティブというゲーム制作会社を26年間、経営しています。3年前、既存事業を若手に任せて「世界のうんちゲーム・プープライド」といううんちの素晴らしさを伝えるゲームをプロデュース。私は国内外を事業の宣伝にうんちマンとなって飛び回りました。ゲームの動画をご覧ください。

やってみてうんちの持つ非言語コミュニケーション力を発見しました。もう全世界で言語は関係なく、どこの国に行っても非常にうんちは好まれます。世界各国の大きなゲームショウでうけまくり。うんちマンスピリットを開眼しました。

世界のゲームショウでうんコミュニケーション
世界のゲームショウでうんコミュニケーション

その頃流れていた森山直太朗さんの名曲「うんこ」にはスピリットと理念を共有している感覚がありました。理念を共有するうんちマンミラクルワークショップでも使わせていただいてましたら、ミラクル発生!偶然にも参加してくださったのです。導かれたかのように。

森山直太朗さんと一緒に
森山直太朗さんと一緒に

*「うんこ」はアルバム「レア・トラックス vol.1」「15周年記念オールタイムベストアルバム『大傑作撰』ボーナスディスク」に収録されています*

ミラクルなゲームは日常へ

ワークショップのメインはNOからの解放ゲームです。NO=やな感じ、じゃなくなる=解放。

つまり否定から解放されて超腸兆イイカンジになるゲームってことですね。否定的なことを言ったら、指摘してもらい、指摘してもらったらお礼をします。自分でまず1年やってみました。自分の会社の部下、家族にも結構払いました。常にお金を払い続けるということで、結果として自分の現実に覚醒するというゲームなんですね。わたくし基本、人間ができてないもんですから。普通に指摘されるとムカッとするので、指摘するときは「あ、否定ちゃん」と可愛く言っていただく。そうすると否定された人…私なんですけども、今、まちがっちゃったーと我に返って、気づきを受け入れて感謝する…そういう好循環が生まれます。しかし「否定ちゃん」だけやってたら、皆さん恐れをなして発言を控える人が多かったんです。そこで「いいじゃん!」ルールも入れました。これは人がいいこと言うな、いいこと言うじゃんと思ったら、いいじゃん!と言ってお礼するのです。

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否定ちゃん!と指摘をされた時に積極的に発言をして、悪意なく人を傷つけてしまうこともあります。これを認識するためにも追加しました。もう止めどなくお金を払っていくっていう、すごく私の周りにいると得するゲームということになってました。否定っていうのは人間の本能なんで、なくならないものです。セクハラと同じで、相手次第という面もあります。私が何を言おうと嫌な感じと思ったら、否定してきてくれるともれなく払う。もし私が否定じゃないよ、と言ったらまた払わなくちゃいけない。でも否定を緩和することによって、どんどん良くなるのです。否定発言、怒り、嫌悪感など関係悪化の結果、不幸の連鎖で喧嘩になり、最後には戦争。そういう世の中になってんじゃないかなと。それをこの好循環で改革すると、否定を緩和して笑いにし、親近感のある関係の活性化、対話を創意工夫して効果がアップしやすい好循環作用というふうになると信じています。大人というものは、誰も人から否定されたくない。もう恐らく世界中の人が。でも日常において、なんか思わずしでかすことも多いのですが、人間というのは指摘されると、「あ、今こんなこと言ってしまった」

っていうことで心あらずの状態からハッと我にかえります。これはマインドフルネスという状態であると人間科学の領域で言われているものです。今、本業にも関連してこのマインドフルネスな自分になれるAI、マインドフルネスな人々とつながれるAIを開発しようと頑張っています。

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そしてダイバーシティな展開へ

うんちマンとダイバーシティについてお話します。多様な人が一体になる社会。子供や老若男女はもちろん、難病や希少疾患の方、うつ病の患者さん、養護施設の少年たちや介護人の方など様々な方たち。何で私がうんちに共鳴して集めてやっていたものをダイバーシティをテーマにやろうと思ったかというと、昨年のハロウィンで100人のうんちマンフラッシュモブというのやっておりましたら、私の友人で難病の患者さんがいまして、実は俺も参加したかったんだよっていうふうなことを今年になって聞きました。そういう方々にも私がやっているこういう活動が、なんか勇気付けというか、そういうことになるのかなというふうに思いました。

私をパラディスに紹介してくれた重光さんも、昨年参加したいとおっしゃってくださったんですけど、体調を崩して当日は参加できなかった。うつ病の患者の友達なんかもぜひ参加してほしい。つまりそのダイバーシティな個性がある人たちがこの日だけはもうみんな黄色いうんちマンになって一体化、インクルージョンしようと。僕らって本当はみんな元々は繋がってたよね。もともとはアフリカのひとりの女性から私たちみんなが全部生まれてる…そういうことを実感できるイベントをやろうと決めました。今年のハロウィンは昨年の100人から1000人のうんちマンフラッシュモブをやります。2018年はNY国連本部前で。2019年は国連本部の中で。うんちマンは笑顔と誠意で世界を練り上げます。

参加すると初めはもちろん恥ずかしいんですけど、やってみると一気に男子はジャニーズみたいに、女子はAKBのように超腸兆人気者になれるんですね。本当に気持ちいいんですよ。周りの方も、ものすごく喜んでくれる。生きててこんなに人に歓迎されたことは、初めてだと参加した皆さんがおっしゃっています。もう本当掛け値なく、私はこのことに関しては嘘はつきません。

ほかのことでは、ちょいちょい嘘つきますけど。はい。

筆者はうんちマンレスキューと名乗る

さて筆者から読者の方へ。あなたもうんちマンになってみませんか?わたくしは初めて会ったうんちマンにシンクロし、すぐにコスチューム一式を購入し、パラディスでうんちマンデビューしました。

筆者とうんちマンの合体うんちハンドサイン
筆者とうんちマンの合体うんちハンドサイン

直感したのは進化のチャンスです。58歳の筆者には社会における自分のカタチが出来上がっており、それを脱することはなかなかできません。自分を捨てて恥をかく勇気も発揮しにくいものです。それができたのは被災現場ボランティア活動との類似性です。ボランティアは互いをニックネームで呼び合い、現実の自分をは違う無名の活動家。現地の方や支援組織において貸し借りの関係なく、感謝の言葉だけで動きます。シリアスな災害現場が時間を経て、段々と未来を拓く共同作業になってきた時に、うんちマンは活躍できると思うのです。早速、宮城県石巻市牡鹿半島の漁業支援ボランティアでもデビューしました。自称うんちマンレスキュー。

石巻・狐崎浜にて牡蠣の出荷お手伝い

漁師の方々とのコンタクトは気の遣いあいとなりました。都心の持つノリではなく、ここには互いの前向きさ、思いの確かさが重要です。気を遣ってもらえる喜びを感じつつ、まずは精いっぱいのうんちマン活動2日間。早朝5時から15時間、ヘトヘトになりました。それは活動後の月曜日にも。通常では現地で元気をいただいて、元気いっぱいなのですがグロッキー状態。これは2011年の4月、石巻専修大学で野営していたころとそっくり。慣れない活動なのです。うんちマンという変身、人間進化はやはり大変なこと。慣れるしかないでしょう。元祖うんちマンは日常ずっとうんちマン。真似したくてもできない日常です。

うんちマン漁師もゲット。そしてうんちマンの弱点を痛感

男気が自慢の漁師さんたち。うんちマン勧誘は難しいかと思われましたが、男気の懐は広くて暖かい。しっかりと写真も撮らせていただきました。お二人は福貴浦の復活に尽力し、ボランティアの若者の漁師体験にも精力的な方々。お二人をきっかけにハロウィンフラッシュモブに牡鹿半島とも中継したいと思っています。

福貴浦浜の高橋美智夫さん
福貴浦浜の高橋美智夫さん
福貴浦浜の阿部芳生さん
福貴浦浜の阿部芳生さん

今回はワカメとカキの出荷作業の手伝いでしたが、うんちマンの弱点を痛感しました。それはトイレ。作業装備をつけたうんちマンコスチュームは脱着にひと苦労。危機的な事態もしばしば。ダイバーシティな参加を考えて、カラダの特性配慮をすれば、衣装なしでうんち帽のみもありですし、衣装のカスタマイズも進めたいところです。自分が加わって変わるダイバーシティそのものですね。

だれもがなれるうんちマン

パラディスに紹介してくれた重光さんは、希少難病の脳脊髄液減少症と闘いながら、知的・発達障害児及び育成者と彼らに関わる人が、ともに学び合える社会の実現に向けて活動するNPO法人「両育わーるど」を運営しています。思うに任せない体調で、うんちマン講演の回にはFacebookメッセンジャー動画で参加。誰もがなれるうんちマンであり、なれる用意を整える。ダイバーシティであるためには、情報の共有や対話、体験をどう実現するか、それもうんちマンそしてパラディスの課題としてこれからも追及していきます。参考:NPO法人両育わーるどウェブサイト

コミュニケーションデザイナー

金沢美術工芸大学卒。インクルーシブデザインで豊かな社会化推進に格闘中。2008年、現在の字幕付きCM開始時より普及活動と制作体制の基盤構築を推進。進行ルールを構築、マニュアルとしての進行要領を執筆し、実運用指導。2013年、豊かなダイバーシティ社会づくりに貢献する会議体PARADISを運営開始。UDコンサルティング展開。2023年7月(株)電通を退職後2024年1月株式会社PARACOM設立。 災害支援・救援活動を中心に可能な限りボランティア活動に従事。ともなってDX事業開発、ノウハウやボランティアネットワーク情報を提供。会議体PARADISの事業企画開発を担います。

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