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WHO I AM HOUSEが特別オープン!子どもボッチャ大会が開催された

佐々木延江国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表
WHO I AM HOUSEでの「TOMA CUP」に挑む子どもたち 筆者撮影

 11月3日、東京オリンピック・パラリンピックに向けて豊洲(東京都)に建てられた「WHO I AM HOUSE」で、子どもたちが主催・運営するボッチャ大会「TOMA CUP」が開催された。

 この企画は、トリノパラリンピック・アルペンスキー日本代表の野島弘さんの企画で、主催は、障害のある子、ない子を率いて全力で遊びまわる「ZEN」の活動に参加する子どもたち。

WHO I AM HOUSEを会場にしたTOMA CUPボッチャ大会のようす 筆者撮影
WHO I AM HOUSEを会場にしたTOMA CUPボッチャ大会のようす 筆者撮影

 「TOMA CUP」リーダーの賀川統馬(小4)くんら子どもたち6名が運営チームを結成し、準備、受付、司会進行、表彰式など会場を切り盛りした。

 参加者が会場に到着すると、健康チェック表の提出、検温、消毒、入場者確認と求められ、WHO I AM HOUSEへ。

 文化の日に、選手・スタッフ総勢50人がともに体を動かし楽しんだ。

 WHO I AM HOUSEとは、正式名を「IPC & WOWOW パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM HOUSE Powered by TOKYO GAS」という。

WHO I AM HOUSE、正式名「IPC & WOWOW パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM HOUSE Powered by TOKYO GAS」 筆者撮影
WHO I AM HOUSE、正式名「IPC & WOWOW パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM HOUSE Powered by TOKYO GAS」 筆者撮影

 テレビ局のWOWOW(東京都港区・田中晃社長)と、東京ガス株式会社(東京都港区・内田高史社長)により建てられた、パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ 「WHO I AM」のコンセプトをもつ家である。

 国際パラリンピック委員会(IPC)とWOWOWにより共同制作された「WHO I AM」は、世界最高峰のパラアスリートたちが「これが自分だ!」という輝きを伝え、障害のある人との多様な社会をともに築いていくことを目指している。

作戦タイム。ボッチャ世界チャンピオン・ワッチャラポン・ボンサーの等身大写真の側で 筆者撮影
作戦タイム。ボッチャ世界チャンピオン・ワッチャラポン・ボンサーの等身大写真の側で 筆者撮影

 パラリンピックが延期となり、HOUSEの7月オープンの予定も延期となった。

 しかし、もとより「ノーバリアゲームズ*」など、子どもたちとの運動会を開催したのがWHO I AMチーフプロデューサーの太田慎也さんである。野島さんからの提案をうけ、パートナー企業である東京ガスに協賛してもらうなど、子どもたちのチャンスへの陰の立役者となった。

 TOMA CUPは、4人1組が色のついたマスクで8チームに分かれて4つのコートでそれぞれ7試合」、合計28試合が行われた。

特別ゲストにはドキュメンタリーWHO I AMの主人公の一人でもある、パラリンピック・チェアスキー銀メダリスト森井大輝が参加し、ボランティアには、上智大学で東京2020を応援しながら見聞を広める学生団体「GO Beyond」のメンバーが集まり、子どもたちの進行をサポートしていた。

ゲストのパラリンピアン森井大輝、ボランティアにきた上智大学の学生団体GO Beyondの皆さんと記念撮影 筆者撮影
ゲストのパラリンピアン森井大輝、ボランティアにきた上智大学の学生団体GO Beyondの皆さんと記念撮影 筆者撮影

 「子供たちにリーダーになるということを教えたい」と企画した野島さんは話していた。

 試合は、途中に休憩やレクリエーションが挟まれ、ゆっくり進んだ。ボッチャの得点にはレクリエーションのボーナスポイントが加算され、純粋なボッチャ大会とは言えない点もあったが、勝ち抜いた上位3チームには手作りのメダルが贈られた。

 豪華景品については、最終的にくじ引きで全チームの参加者に交換された。紆余曲折のすえ、誰が勝者なのかはわからないのでは?というところで、お開きとなった。

表彰式。WHO I AM プロデューサーの泉理絵さん(左)もすっかりチームに溶け込んでいた 筆者撮影
表彰式。WHO I AM プロデューサーの泉理絵さん(左)もすっかりチームに溶け込んでいた 筆者撮影

 「より、本来の理想に近い形になったと感じました!」

 ドキュメンタリー・プロデューサーのひとり、泉理絵さんはいう。ドキュメンタリーの取材現場で多くのトップアスリートに触れた泉さんは、パラリンピック期間中、選手と観戦客をつなぐ場所にしたいとHOUSEの準備をしていたが、この日は小さなアスリートたちとのボッチャ大会にすっかり溶け込み、楽しんでいた。

 また、太田チーフプロデューサーも「こんな雰囲気がいいなら、ぜひまたやりたい!」と、野島さんに次回の企画の約束を取りつけていた。

お掃除タイム。語り合う主催者リーダーの賀川統馬くんと太田慎也チーフプロデューサー 筆者撮影
お掃除タイム。語り合う主催者リーダーの賀川統馬くんと太田慎也チーフプロデューサー 筆者撮影

 日が暮れるまで、子どもたちと一緒に遊び、表彰式のあと、みんなでボッチャ仕様の体育館となったHOUSEを片付けるころ、辺りは暗くなっていた。野島さんや子どもたち、ボランティアの大学生たちが別れを惜しみながら豊洲での1日が終わった。

日が暮れるまで楽しんだ豊洲でのボッチャ交流。1日の終わりを惜しむ子どもたちとボランティアの大学生たち 筆者撮影
日が暮れるまで楽しんだ豊洲でのボッチャ交流。1日の終わりを惜しむ子どもたちとボランティアの大学生たち 筆者撮影

<参考>

  • ノーバリアゲームズについて

「みんなちがってみんないい、ただ楽しい一夏の記憶を刻んで!〜WHO I AM ノーバリアゲームズが開催された!〜」(パラフォト記事)

国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表

パラスポーツを伝えるファンのメディア「パラフォト」(国際障害者スポーツ写真連絡協議会)代表。2000年シドニー大会から夏・冬のパラリンピックをNPOメディアのチームで取材。パラアスリートの感性や現地観戦・交流によるインスピレーションでパラスポーツの街づくりが進むことを願っている。

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