「損をする」職務経歴書の書き方とは?
「転職回数が多いと企業には嫌がられる」…という事は、ある程度常識かと思います。
「ウチで採用してもまた辞めるかもしれない」というリスクを感じるの
は相手が人事であれ、経営者であれ、同じ事。
しかし、転職希望者のレジュメ(転職サイト上の)を見ていると
「実際には転職していないのに転職回数が多く見える」レジュメをよく見かけます。
転職サイトの多くには、「スカウト機能」というものが付いています。
スカウトメールは、人材紹介を行うエージェントから届くこともあれば、
人事や企業経営者から直接届くこともあります。
しかし、パッと見て、転職回数が多く見えたら、
その時点で人事もヘッドハンターも、その候補者をスルーしてしまうかもしれません。
例えば、
「出向しているだけ(実質同じ会社にいる)」
「関連会社へ転籍になった(自分が転職したわけではない)」
「インターンとして仕事をしていた」
「もともと契約期間の限られている仕事だった」
「辞めたのではなく、兼務している」
…以上のようなケースは、書き方に注意が必要です。
例えば私が実際に見た転職希望者のレジュメで、
「グループ会社の合併」や「出向転籍」などが重なり
一度しか転職していないのに、4〜5社分の社名が載っている方もいらっしゃいました。
例えば、
2006年4月〜2007年4月 株式会社◎◎
2007年4月〜2008年5月 株式会社$$ ←グループ会社との合併
2008年6月〜2010年1月 株式会社@@ ←出向転籍
2010年1月〜 □□株式会社 ←転職
ちゃんと注記しておけば誤解される事は避けられるかもしれませんが、
「29歳で4社かー…。A社は転職2回までが条件だから、難しいな」
と思ってスカウトを打たないままページを閉じられてしまう事もあるでしょう。
ページの下の方までスクロールすると
「転籍です。」などと書かれていることもあるのですが、
その部分まで読まれていない可能性だってあるでしょう。
最低限、注記はわかりやすいところに書いておくべきですが
いっそのこと「実質1社」の部分はまとめて書いてしまうという手もあるでしょう。
先の例なら、例えば下記のような書き方をするのも良いでしょう。
2006年4月〜2010年1月 株式会社@@
(株式会社◎◎に入社した後、合併で株式会社$$となり、その後に出向転籍)
2010年1月〜 □□株式会社(現職)
一行が長くなるので、書き方には工夫が必要ですが
上記のような書き方をすれば「1回しか転職していない」という事がわかりやすいでしょう。
(最後に、”現職”と書いておくのもポイントです。)
ヘッドハンターや人事が、ページを開いて一番最初に目にする部分に
4つも5つもの会社名が並んでいると、
彼らはその時点で見切りをつけ、補足を書いた詳細欄など見てもらえないかもしれません。
会社の合併前後で仕事内容が変わることもあるので、経験内容は分けて書くべきですが、
それは詳細欄に書けば良いことです。
レジュメを読む作業というのは、人事にとってもヘッドハンターにとっても
非常に時間を取られる作業ですので、
「一番最初に見られる場所」にネガティブな誤解を招く部分があると
それだけで不利です。
まとめると、職務経歴書を書くときには下記のような配慮をすると良いでしょう。
◎在籍中に合併や社名変更があった場合は、なるべく「まとめて1社」として書くようにする。
◎学生時代のインターンや、学生起業などの経験は(よほどアピール材料になる場合を除いて)省略して、別の場所に特記事項として書く。もしくは、学生時代の経験だということをわかりやすく表記する。
◎転職せずに兼任している会社のことは、「兼任」だということをわかりやすく表記する。もしくは、省略して別の場所に特記事項として書く。
若手スタッフクラス〜中堅クラスの転職であれば特に、
転職回数によって大きく有利・不利が分かれます。
面接・面談にまで進めば直接説明することも可能ですが、
「直接会える」確率を高めるためには
レジュメをわかりやすく、誤解を招かないように書いておくと良いでしょう。
もちろん30代・40代の人材であったとしても、
経験社数が10社、20社もあると採用側は慎重になります。
年齢層の高い方の場合は、
顧問や監査役のような職務を任されたり、配置が変わることも多々あるでしょうから
そういった場合にも書き方に「配慮」されることをオススメいたします。