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野手として迎える2022年の漢字は『脚』 阪神・原口文仁選手

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
2年ぶりに開催された地元・埼玉県寄居町の野球教室。開会式で挨拶をする原口選手。

 阪神タイガースの原口文仁選手(29)が25日、地元の埼玉県大里郡寄居町で自身の後援会が主催する『原口文仁選手ふれあい野球教室』に参加しました。昨年は新型コロナの影響を受けて見送られ、ことしも感染者数が減ったとはいえ難しいだろうと思われていたもの。しかし阪神球団や地元後援会とも話し合って開催が決まり、本人もうれしそうでした。

 感染防止対策はもちろん、例年より規模も少し縮小されました。いつもは大里郡から100人~120人ほど参加していますが、ことしは寄居町周辺に限定。寄居町の4チーム、深谷市の1チーム、そして中学生の女子ソフトボールチームの計6チームで約80人での開催です。

上が参加した少年少女たち。下は毎回お手伝いに来てくれる深谷彩北リトルシニアの現役生たち。
上が参加した少年少女たち。下は毎回お手伝いに来てくれる深谷彩北リトルシニアの現役生たち。

 当日はまだ強烈な寒波の襲来前で、しかも予報に反して風も弱く気温も高めだったんですよね。最初、思いきり着込んでいた選手や子どもたちはイソップ寓話『北風と太陽』さながら、すぐユニホームだけの姿になって駆け回り、我々も汗が出てきて途中でコートを脱ぐほどポカポカでした。

 朝のうちにかなり降った雨も、グラウンドの土埃防止にちょうどいい感じだったかもしれません。後援会の方々が「さすがフミは持っている!」とおっしゃったように、もし次の日だったらどれだけ寒かったか、問題なく帰れただろうかと、大雪のニュースを見ながら思いました。“持っている”原口選手に感謝ですね。

後援会の田中会長(右)が開会の挨拶、正木副会長(左)が閉会の挨拶をされました。
後援会の田中会長(右)が開会の挨拶、正木副会長(左)が閉会の挨拶をされました。

 さて、まず開会式では原口文仁後援会の田中静雄会長が挨拶。いきなり原口選手が捕手から野手へ転向することに“クレーム”をつけて周囲を笑わせ、そのあと挨拶した原口選手が「コンバートは田中会長のせい。もっと試合に出ろ!って言うから。冗談ですけど」と切り返して、これまた笑いを誘いました。

 頼りになる助っ人は2年前の前回と同じく、深谷彩北リトルシニアOBのおふたり。原口選手の先輩で社会人チーム・SUBARU日置翔兼選手(31)と、後輩でルートインBCリーグ・武蔵ヒートベアーズ中嶋涼投手(23)です。それぞれの近況についてはのちほど。

 その日置選手と中嶋投手も紹介され、開会式は終了。いよいよ野球教室スタートです。まず全員でウォーミングアップとキャッチボール、それからグループに分かれてノック。ここでは日置選手もノッカーを務め、離れた場所で中嶋投手がキャッチボールを開始しました。

 やがて、ピッチャーの球を原口選手が受けるという人気コーナーへ。ただし司会の方から「捕手として受ける原口選手はこれが見納め」というコメントがあり、カメラを構えなおす方も多かったですね。最後はいつものように、速くて捕れないソフトボールの球に悪戦苦闘しながら、本当に楽しそうだった原口選手です。

原口選手の1年先輩・日置選手。ショートの位置でゴロを捕り、ファーストへ送球。
原口選手の1年先輩・日置選手。ショートの位置でゴロを捕り、ファーストへ送球。

ガチ投球に子ども驚愕!

 次はバッティング。離れたところでキャッチボールをしていた中嶋投手が、マウンドへ来て投球練習。打席付近に集まって、それを見ていた子どもたちに原口選手が言いました。「本気で投げてもらうからね!打てなくても、どんなだったかをチームに帰ってみんなに教えてあげて」と。

 なるほど、本気の球を子どもたちに見せようということですね。前もって指示を受けていたであろう中嶋投手は、本当に手加減なく投げます。3球ともバットを出せずに見送ってしまった子、勇気を出して振っても当たらない子。終わって戻りながら「速かった!」と目を見開く子…。中嶋投手はニコニコ笑うばかりです。

 でも思いきり空振りしたら原口選手が「よーし!いいよ!」と声をかけ、食らいついてファウルにしたら全員が大きな拍手を送ります。果敢に向かっていく姿も、空振り3つに悔しがる姿も頼もしかったですね。帰ってから、参加できなかったチームメイトにしっかり伝えたことでしょう。

 それにしても中嶋投手、投球練習も含めて相当な球数を投げたはず。しかも軟球でしょう?最後はワンバウンドになる球があって苦笑いしていましたけど、来季に支障をきたさないようケアしてくださいね!

果敢にバットを振る子どもに「いいよ!いいよ!」と大きな声をかけます。
果敢にバットを振る子どもに「いいよ!いいよ!」と大きな声をかけます。

 最後は皆さんお待ちかね、原口選手のフリーバッティング。これはもちろん硬球です。1球打つごとに「ああ~センター前」とか「アカン!」とか声を出しながら、でも柵越えの打球は無言で見送っていた原口選手。ただし後半になると「ホ~ッ!」と満足そうな雄叫びもありました。

 そしてラスト3球と自ら告げたものの、締めがイマイチだったようで少し追加。正真正銘のラストに大きなホームランを放ち、納得の笑顔で終了です。

 閉会式のあと、例年は花道を作っての見送りとサイン会が行われていたのですが、感染拡大防止のためサイン会や記念撮影などはなし。かなりの距離を取った花道で、参加した子どもたちや後援会会員の方々が3選手を見送りました。

これは会心の一打だったのでしょう。見送って「ホーッ!」と声が。
これは会心の一打だったのでしょう。見送って「ホーッ!」と声が。

「野球、楽しんじゃった~」

 では、終了後に聞いた原口選手のコメントをご紹介しましょう。

 2年ぶりに野球教室ができましたね。「そうですね、本当にいろんなタイミングもあると思うし、そういう中で子どもたちと触れ合うことができて久しぶりに楽しかったです。よかった。うれしかったですね。タイガースの関係者の方もそうですが、後援会の方も朝早くから設営や準備をしてくださって、僕たちがこうしてやれるので。本当にそういうところは感謝ですね。ありがたい限りです」

 子どもたちは2年前と違う顔ぶれですか?「いや、そんなことも…。でも新入団した子はいると思いますね。初めての子もね。2年空いたらやっぱり、みんな成長しているし、大きくなっているし。そういう変化はありましたね」

 後援会の人たちともなかなか会えなかったのでは?「そうですね。そういうところで対策をして準備をしてもらって、できているので。子どもたちもうれしそうだった。まあ僕が一番うれしかったんですけど。野球、楽しんじゃった(笑)。それが一番なんですよね。僕が楽しくなさそうにやっていたらね。こっちも本気だから、野球も」

「打たせない」ピッチングをしてくれと頼まれた中嶋投手。めちゃくちゃ楽しそうですよね。
「打たせない」ピッチングをしてくれと頼まれた中嶋投手。めちゃくちゃ楽しそうですよね。

 本気といえば、中嶋投手に頼んでのガチンコ勝負もありましたね。「ああやってナカジが投げてくれて、プロの球の速さとか、テレビで見たり球場で見るのとまた違うのを、自分が打席に立って感じて。わざと『本気でいってくれ』ってナカジに言った。打たせてくれるんじゃなくて、打たせないボールを投げてもらっていたから」

 「そういうすごさを打席で感じた子は、これからの成長のきっかけになるし、本当にすごい経験だと思うので。それをチームメートにたくさんしゃべってもらえたらうれしいですね」。みんな速さを実感して驚いていたのでは?「そう、『当たんね~よ~』って言っていましたね(笑)」

 中にはバットに当てた子もいたでしょう?「うん、すごい!でも、あの球を見て振りにいける勇気とか、自分のスイングができるってすごいことだから、それをさせたかった。ナカジにひと肌脱いでもらってね。うん、素晴らしかった。あとに響かないようにケアしてもらわないと(笑)」

 今回が初の試みですよね?「ことし入れたんですよ、こっちから提案して。『ナカジと勝負させよう!』って。あんな速い球見たことないでしょう? もう楽しくて。あれはうれしいでしょう。寄居町からピッチャーをどんどん輩出しないと。素晴らしい企画、あれがメインだった(笑)」。この自画自賛ぶりなら来年以降も続きそうですね。

中嶋投手と対戦する子どもたちに「本気で投げてもらうから」と説明する原口選手。
中嶋投手と対戦する子どもたちに「本気で投げてもらうから」と説明する原口選手。

キャッチャー道具との決別

 これもメインイベント、原口選手自身のバッティングはどうでしたか?「楽しかったですよ。いい打球が飛んでいたので。これはまたいい手応えがつかめたな、と。最初はちょっと強引になりかけていたんですけど」

 来年に向けて考えていることはあるみたいですが、それは今あえて言葉にはしていません。ただ最終クールだけ参加した10月の『みやざきフェニックス・リーグ』で何かヒントを得たのでしょう。「フェニックスで自分のやるべき方向性が見つかった」とだけ教えてくれました。

 「そこに向かって変わっていく、という感じですね。だからやるべきことを、このオフとかキャンプでやって、2月3日からの紅白戦でアピールする。やるべき方向性を今進んでいるところです」。その始まりが2月3日?「そう思って自主トレとかで仕上げていかないと」とのこと。なお年末年始の自主トレは地元近辺でやるようです。

 出場機会を、さらにはレギュラーポジションを求めて、来季は野手1本で勝負をかけると決めた原口選手。来年の選手名鑑からは“捕手”でなく“内野手”として登録されることになりました。野球教室終了後にも「きょうが捕り納め」と言っていたので、本当に見納めだったんですね。

この日が原口選手にとって“捕り納め”、我々は“見納め”のキャッチング姿です。
この日が原口選手にとって“捕り納め”、我々は“見納め”のキャッチング姿です。

 改めて、外野へも挑戦することについて聞くと「どちらになるか分からないですけど、どちらでも自分のできること、やりたいことを。初めての挑戦なので試合勘とかそういうものを得られるように一生懸命に練習して。その競争に割って入れるように自分のプレーを伸ばしていきたいなと思います」と答えました。

 グラブ、ミットは全部で4つくらい持っていく?「ミット?ファーストミットは持っていきますよ。キャッチャーミットは持って行かない。ロッカーもそうだけど、キャッチャーミットやキャッチャーのものは全部キレイにして、自分の目に入れないように!それぐらいの気持ちでやらないといけないし」

 キャッチャーミットだけでなく、マスクもヘルメットもプロテクターもレガースも、すべて目に触れないよう片付けると言います。トレーニングもキャッチャーとして必要だったものとはガラッと変わる?「もちろん違いますね。やっぱり走るっていうことが重要になってくるから。それなりに頑張って走れるようにしたいなと」

 走ることですか。「やっぱり外野手になったら走らないといけないから、そこは意識してやっています。もう来年に向かってね、新しい自分を見つけている」。ほほ~それは期待が膨らみますね。相変わらず、詳しくは語ってくれませんけど。

2年ぶりにこの笑顔が見られて、地元の方々もファンの皆さんもうれしいでしょうね。
2年ぶりにこの笑顔が見られて、地元の方々もファンの皆さんもうれしいでしょうね。

不退転の覚悟で迎える30歳

 今オフを迎えた気持ちはどうですか?これまで似たような気持ちの時はあった?「いや、初めてですね。すごく、また新しいことをするという(気持ち)。30歳になって、プロ野球でまた新しいことに挑戦できるって、なかなかないじゃないですか。やっぱり。矢野監督というのもあるでしょうし、挑戦することがチームのテーマだし」

 「そういうところで30歳になって、またキャッチャーから離れて違うところをやるというのは、すごくまた新しい気持ちで13年目を迎えられるというね。楽しみだったり、不安というか、どうなるかなというのはあるけど」

 「今やっているトレーニングとかは、今までやってこなかったことをまた新しくできているので。そういった意味ではすごく楽しみ!自分が目指しているところがはっきりしているから、そこに向かって行くだけ。だから自分のやるべきことをやるだけ。それがそこにつながるんですよね」

 聞きにくいことだけど…春季キャンプが安芸スタートになる可能性も?「ありますよ。でも全然そんな、全然関係ない。別にどこだろうと僕がやりたいこと、やれることは変わらないし。1軍に行けば競争だから、出られる出られないはあるし、2軍も競争だけど、別に場所は関係ない」

 「自分の、フェニックスからやっていること、やりたいことを今までずっと続けられているし。やるべき方向ももう決まっているので、もう全然どこだろうと(構わない)。そこから勝負に割って入れるように、自分のやるべきことをやるだけ。そこで自分のやるべきことをやって、ポンと1軍に送り込まれた時にやれたら、全然問題ない」

 それぐらいの覚悟で野手になると言っているわけですね?「そう」。不退転の決意、しっかり受け止めました。

後援会主催では4回目ですが、通算は5回目となる野球教室。横断幕の写真は5年前?6年前?ちょっと若いですね。
後援会主催では4回目ですが、通算は5回目となる野球教室。横断幕の写真は5年前?6年前?ちょっと若いですね。

来年の原口サンタに乞うご期待

 今季を振り返っての話は特に聞かなかったのですが、ちょうど25日にチャイルドケモハウスへの寄付をしたとのことで、そこで少し言及しています。2020年から始めたこの社会貢献活動は、神戸市内の小児がんをはじめとする医療ケア施設「チャイルドケモハウス」に対して、シーズン中の安打数と打点数に応じた金額を寄付するものです。

 ことしは安打(10本)と打点(3点)×1万円で13万円を寄付しました。2020年は39万円だったので3分の1となったわけで、本人も「金額ではないと言いながらも、そこはちょっと不本意なんですけど。まずこうやって続けられることが一番だし、これからも続けていけるようにするのが大切。もちろんそこに僕の結果が反映されるので、結果にはまったく納得していない」という言葉が出てきます。

 続けて「でもシーズンの中で自分が今、最大限やれることはやった中での結果だったので、次へと向かえる。来年に向けての切り替え、向かっていく方向性ははっきりしたシーズンだった」と話しました。向かっていくべきところ、方向性という単語は何度か出てきますが、それについては深く語らず。まあこれからを見ていてということでしょう。

 「結果を出して、さらにみんなの、子供たちやご家族のサポートが少しでもできるように、シーズンのモチベーションとして来季以降も頑張っていこうかな、と。これはもう来年、大変なことになるから。ドカーン!とクリスマスプレゼントとして持って行けるように頑張ります」

 昨年末に続き、ことしも現地へ行けなかっただけでなく、オンラインでの触れ合いさえなかったそうで…。来年は本当に、ドカーンと大きなプレゼントを持って原口サンタが会いに行けるといいですね。

フリーバッティングを終え、拍手に応える原口選手。
フリーバッティングを終え、拍手に応える原口選手。

生まれて初めての外野グラブは…

 ところで毎年、この野球教室で「来年の漢字は何?」という質問があったような。ことしも聞いていいですか?「来年の漢字は『脚』だな…。やっぱり外野手は走らないといけないので、脚を動かしていきたいと思います。『足』じゃなくて『脚』かな。そっちの方が速く見えるもんね。ポジションが変わって、やっぱり脚を使って動けないといけないので、たくさん動いて行きたいと思います」

 外野用のグラブはもう完成している?「まだしていないです。いつ来るか楽しみにしています」。誰かのモデルを参考にした?「やっぱり、それは一番有名な人の。外野手用なんて作ったことがなかったので、生まれて初めて外野手用のグラブを作るなら、一番有名でうまい人かなと…」

 えらく前置きが長いですね(笑)。で、誰のモデル?「一番有名でうまい人だから、イチローさんかなと思って。子ども心で。だいたいみんなイチローさんのグラブを参考にしているというから、最初はイチローさんのグラブで」。なるほど、そうきましたか。

 しかし、子ども心って、最初はイチローさんって(笑)。巨人の阿部慎太郎選手に憧れてキャッチャーミットを買ってもらった文仁少年は、こんな表情をしていたんだろうなと安易に想像できました。そうか~。外野用のグラブ、生まれて初めてなんですね。

 「それで、色も黒とシルバーにして。楽しみ!」。…永遠の野球少年、目がキラキラしていました。

閉会式の様子です。青空が広がり、最高のコンディションで終了しました。
閉会式の様子です。青空が広がり、最高のコンディションで終了しました。

最強助っ人も来季に勝負を!

 では最後に助っ人おふたり、SUBARUの日置翔兼選手と埼玉武蔵ヒートベアーズの中嶋涼投手の近況をご紹介します。

 日置選手が所属するSUBARUは今季、残念ながら社会人野球日本選手権も都市対抗野球も本大会には出られませんでした。都市対抗の北関東2次予選では第1代表決定トーナメント決勝で日立製作所に敗れ、第2代表決定戦ではエイジェックにその座を譲っています。しかし日置選手は第2代表・エイジェックの補強選手として都市対抗出場!

 前回の野球教室で話を聞いた2019年は、元阪神・玉置隆さんがいた日本製鉄鹿島の補強選手でしたし、これで自身通算4度目の補強出場という日置選手。まさに常連?原口選手も笑っていました。

 ちなみに今回の都市対抗は1回戦のNTT西日本戦に1番ショートでフル出場。ヒットはなかったものの、初回に先頭で四球を選び2死後に二盗成功。同じ補強の4番・生田目忍選手(日本製鉄鹿島)が放った右前打で先制のホームを踏みました!しかし9回に2点を取られて逆転サヨナラ負けを喫し、ここで敗退しています。

 来年はSUBARUとして2018年以来の都市対抗出場を!そして京セラドームの日本選手権でも、ぜひ会いたいですね。

開会式直前の深谷彩北リトルシニアOBトリオ。右から中嶋投手、日置選手、原口選手。防寒対策は万全ですね。
開会式直前の深谷彩北リトルシニアOBトリオ。右から中嶋投手、日置選手、原口選手。防寒対策は万全ですね。

 中嶋投手は2年前の野球教室の際、ちょうどゴールドジム・ベースボールクラブからルートインBCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサスへの入団が決まったところでした。それから2シーズン目のことし途中には東地区の埼玉武蔵ヒートベアーズへ移籍。中継ぎで11試合に登板し、チーム初となる地区優勝にも貢献しています。

 9月に行われたプレーオフでは、中地区(群馬)、西地区(オセアン滋賀ブラックス)と対戦して、中嶋投手も2試合に投げて2イニングを無失点!しかし残念ながらチームは10月の決勝ラウンドへ進出できませんでした。

 とはいえ今季は大きな手応えがあったようで、振り返る表情や口調がとても明るく感じられます。2年ぶりに会って、大きくなった体格にビックリしましたが、コロナ禍で試合ができない間も鍛えたのでしょう。

 そこから自身の球速も上がり、結果を残して、プロスカウトの目にも留まったはず。来年はきっと原口先輩同様、勝負をかけるシーズンになると信じています。

こちらは野球教室が終わり、くつろぐ3人。右から日置選手、原口選手、中嶋投手です。
こちらは野球教室が終わり、くつろぐ3人。右から日置選手、原口選手、中嶋投手です。

   <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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