鳴尾浜で初の1試合5本塁打は、14年ぶりに出たチーム最多タイ記録でした。《阪神ファーム》

8日と9日に連続で先頭打者HRを放ち、オリックス戦3連勝に貢献した江越大賀選手。

 7日から9日まで、阪神鳴尾浜球場にオリックスを迎えて3連戦が行われました。結果は阪神の3連勝です。これで55勝31敗6分け、2位のソフトバンクの試合がない間にゲーム差を3.5に広げ、貯金は今季最多をまた更新して24となっています。一番近いところでは2005年にシーズン最多貯金31というのがあったので、それ以前の記録を調べるのはまだ大丈夫でしょうかね。今季は久々に“○年ぶり”が多くて大変です。

 このオリックス戦でも8日に、1試合に5本のホームランが出ました。1試合4本というのは昨年に2度、2015年と2014年に1度ずつあり、その前は少し遡って2006年は3度、2005年にも1度記録しています。でも1試合5本はさらにもう1年前、2004年のこと。この年は前後期制だったウエスタン・リーグの後期が始まって1週間、6月29日に行われた近鉄-阪神戦の後期1回戦(藤井寺)でした。懐かしい名前が出てきますよ。

チーム14年ぶりの1試合5本塁打

 先発バッテリーは阪神が筒井和也投手と浅井良選手、近鉄が山本省吾投手と近沢昌志選手。ホームランは庄田隆弘選手、藤原通選手、秀太選手(ここまで山本投手)、的場寛一選手(栗田雄介投手)、松下圭太選手(香月良太投手)です。試合は10対0で阪神の勝ち。2004年なので、近鉄という球団も、藤井寺球場も最後の年だったんですよね。近鉄のスタメンには、翌年から別々の違うユニホームを着ることになる下山真二選手、牧田朋久選手、筧裕次郎選手、坂口智隆選手らがいました。

 阪神ファームの1試合5本塁打は、BISでの記録が残る1991年以降に限られますが、2004年以前にも5度あったので敬称略でご紹介します。懐かしんでください。ただし打った順番ではないと思われます。

 ・1992年7月30日 広島戦(みろくの里) 岡本、桧山、桧山、鮎川、鮎川

 ・1999年4月17日 近鉄戦(藤井寺) 吉田浩、平尾、北川、曽我部、中里

 ・2000年4月16日 中日戦(ナゴヤ) 上坂、松田、浜中、山田、曽我部

 ・2001年8月7日 広島戦(広島) 平下、松田、曽我部、曽我部、吉田浩

 ・2003年8月23日 ダイエー戦(雁の巣) 藤原、藤原、関本、早川、平下

 6本というのは見つかりませんでしたので、1試合5本塁打が阪神ファームの最多。今回は14年ぶり7度目のタイ記録となりました。ちなみにウエスタン・リーグの最多は1981年の南海(神勝寺)、1989年の中日(ナゴヤ)、2015年のソフトバンク(雁の巣)が記録した1試合7本です。ついで1試合6本は広島、中日、近鉄、ホークス(南海、ダイエー、ソフトバンク)の4チームで計10度…。上には上がありますね。

  

★8日は7発!鳴尾浜花火大会

 では8日の試合結果を書いておきます。1回に江越大賀選手が、今季自身7本目の先頭打者ホームランで先制して同じ回に板山祐太郎選手もソロ。1イニング2本というのは今シーズン既に4度ありますが1回は初でした。でもこれは序章。5回にも緒方凌介選手が2試合連続の勝ち越し3ラン、岡崎太一選手もソロを放ち、8回には高山俊選手が3ランの計5本です。

 オリックスの方も、T-岡田選手がセンターバックスクリーンのてっぺんに当たる豪快な1発、そして9回にルーキー・西浦颯大選手が打ったプロ1号は満塁ホームランと、かなり強烈な2本でしたね。

《ウエスタン公式戦》8月8日

阪神-オリックス 20回戦 (鳴尾浜)

 オリ 020 000 005 = 7

 阪神 200 040 04X =10

◆バッテリー

【阪神】○青柳(6勝2敗)-S福永(7勝1敗1S) / 岡崎-小宮山(7回~)

【オリ】●山崎颯(2勝7敗)(6回)-佐藤世(1回2/3)-戸田(1/3回) / 飯田

◆本塁打 神:江越14号ソロ、板山5号ソロ、緒方5号3ラン、岡崎2号ソロ(山崎颯)、高山2号3ラン(佐藤世)

     オ:T-岡田1号ソロ(青柳)、西浦1号満塁(福永)

◆二塁打 神:荒木

◆打撃  (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]右:江越  (2-1-1 / 0-3 / 0 / 0) .213

2]一:荒木  (3-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .206

〃一:西田  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 1) .183

3]中:高山  (4-1-3 / 0-1 / 0 / 0) .294

4]遊:板山  (5-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .289

5]指:緒方  (3-1-3 / 0-1 / 0 / 0) .277

6]三:今成  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .214

7]捕:岡崎  (3-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .308

〃捕:小宮山 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .241

8]左:島田  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .215

9]二:熊谷  (4-2-1 / 1-0 / 0 / 0) .207

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

青柳 6回 76球 (4-4-3 / 2-2 / 3.30) 145

福永 3回 66球 (3-2-1 / 5-1 / 3.42) 149

《試合経過》※敬称略

 まず1回に江越の先頭打者ホームランと板山の5号ソロで2点を先取。しかし先発の青柳は2回、先頭のT-岡田にバックスクリーン弾を打たれ、続く小島への四球などで2死二塁として西浦に右前タイムリー。早々に追いつかれました。2対2のまま迎えた5回、先頭の高山が四球を選び、板山の右前打で無死一、二塁として緒方がセンター右へ2試合連続の5号3ラン!1死後には岡崎が2号ソロを放って4点追加です。

 8回の攻撃は先頭・小宮山の中前打などで1死二塁として熊谷が中前打!小宮山がナイスラン&ナイススライディングで生還し、熊谷も二塁へ。江越が四球を選んで、2死後に高山が2号3ラン!これで10対2、とどめの1発と言ってよかったはずなのですが…最後に予想外の展開になります。青柳は3回以降、ヒット2本と1四球があったものの追加点は与えず。福永と小宮山のバッテリーに代わって、7回と8回は三者凡退でした。

 しかし、味方が4点を加えた直後の9回、福永は内野安打や四球などで1死一、二塁として、小島に左前タイムリーを浴びます。続く飯田の一ゴロを西田がスルー…。このエラーにより1死満塁のピンチを迎え、次の後藤は1球で右飛に。2死となってホッとしたのも束の間、続く西浦の打球は風に乗って左中間へフワフワと上がり、ホームランとなりました。8回の時点で予想できなかったのは福永の5失点(自責1)と、それによってプロ初セーブがついたことでしょう。

 

春だけじゃない、夏も充実!緒方選手

2戦連発で盛り上げた緒方選手。写真は7日のものです。
2戦連発で盛り上げた緒方選手。写真は7日のものです。

 ヒーロースピーチは勝ち越し3ランの緒方凌介選手が担当しています。

 「きょうは最後まで応援ありがとうございました。今、甲子園は高校野球で盛り上がっていますが、鳴尾浜は僕の2試合連続ホームランで盛り上がっているので、あすも甲子園でなく鳴尾浜に、僕の3試合連発を見に来てください!ありがとうございました」

 緒方選手は7月28日の広島戦(丸亀)で第2号ソロを打って、31日の中日戦(ナゴヤ)では第3号がプロ初の満塁ホームランとなっています。29日が中止だったということは、これも2試合連続ですね。その前の25日はBCリーグ・福井戦(福井)でソロがあり、次の試合(27日の広島戦)は出ていないので、緒方選手自身にとっては“3試合連発”と言えます。

 でも今回は“2日連続”ですからね。これはプロ初でしょう。この日の3ランも、初球でフルスイングして、カウント1-1からの3球目(143キロの真っすぐ)を打ったものです。9日に3戦連発はなりませんでしたが、この3連戦すべて5番を打って結果を残した緒方選手。「残り試合も少なくなってきたけど、しっかり頑張ります!」という言葉で締めてくれました。

 なお矢野燿大監督は、ホームランを放った5人について「みんな意図したバッティングができていた。場面、場面で自分はどうしたらいいかというのが見えていたのでよかった」と話していたそうです。

★9日 どこまで続く?先頭弾

 オリックス3連戦の最後も、またまた江越選手の先頭打者ホームランで始まりました。これが今季15号で、そのうち8本目となる先頭打者アーチ。2試合連続にスタンドも大喜びです。しかも9日はホームラン1本に終わらず、4回には右前タイムリー、8回は中前打で3安打2打点という内容でした。

 これには矢野監督も「ホームランだけで終わってしまう場合が多い気がして、第1打席で1本打ったら、もう1本打つとか走るとか、そういうプラスアルファが江越には必要だと思っていた。1軍ではそうじゃないと必要とされないので。だから、きょうは結果が出てよかった」と話しています。

《ウエスタン公式戦》8月9日

阪神-オリックス 21回戦 (鳴尾浜)

 オリ 010 001 000 = 2

 阪神 111 300 00X = 6

◆バッテリー

【阪神】飯田-○竹安(4勝)-谷川-マテオ-歳内 / 長坂-小豆畑(8回~)

【オリ】●本田(2敗)(2回2/3)-戸田(1回1/3)-張(1回)-鈴木優(1回)-斎藤(1回)-青山(1回) / 高城-稲富(6回~)

◆本塁打 神:江越15号ソロ(本田)

     オ:縞田1号ソロ(飯田)、杉本2号ソロ(谷川)

◆二塁打 神:今成、山崎

◆盗塁  神:荒木(11)、長坂(4)

◆打撃  (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]指:江越  (4-3-2 / 1-1 / 0 / 0) .222

2]一:荒木  (2-1-0 / 0-0 / 1 / 0) .211

〃一:山崎  (2-1-2 / 1-0 / 0 / 0) .321

〃一:西田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .181

3]右:高山  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .288

4]二:板山  (4-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .292

5]左:緒方  (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .278

6]三:今成  (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .220

〃三:森越  (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .262

7]捕:長坂  (2-2-0 / 0-1 / 1 / 0) .271

〃打捕:小豆 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .136

8]遊:熊谷  (3-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .209

9]中:島田  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .212

 ※小豆=小豆畑

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

飯田 3回 47球 (3-3-2 / 1-1 / 3.82) 144

竹安 3回 20球 (0-2-0 / 0-0 / 1.25) 144

谷川 2回 32球 (1-1-0 / 1-1 / 2.59) 146

マテ 1回 11球 (0-0-0 / 0-0 / 1.42) 151

歳内 1回 15球 (0-1-0 / 0-0 / 3.72) 148

 ※マテ=マテオ

《試合経過》※敬称略

 先発の飯田が1回、2死から杉本に中前打されながらも無失点で立ち上がると、その裏に江越が先頭打者ホームラン!まるでデジャヴのように、前日と同じくカウント1-0からの2球目を打ったものです。しかし飯田は2回1死から縞田に初球の真っすぐをレフトへ。このホームランで同点になりますが、そのあと味方が援護しました。

 2回は四球を選んだ緒方が今成の打席でスタートを切り、ピッチャーが振り向いて送球したのが大きく逸れたのを見て二塁へ。今成はセンターのフェンスを直撃する二塁打、長坂は四球で無死満塁!熊谷の右犠飛で1点勝ち越し。3回は江越が四球(盗塁死)、荒木は左前打と二盗など2死二塁で投手交代。代わった戸田から板山が中前タイムリーを放って3点目です。

 そして4回は長坂と熊谷が連打、島田のバントで長坂はアウトになるも、1死一、二塁で江越が右前タイムリー。途中出場の山崎は初球を打って右翼線二塁打!これで2人を還し、この回3点を加えて6対1としました。これ以降、6回を除いて毎回ヒットを打ちますが得点にはつながっていません。

 投手陣は飯田が3回にもヒットと四球などで2死二、三塁のピンチを招いたものの0点に抑え、予定の3イニングを終了。ついで竹安が登板して4回、5回を10球ずつで三者凡退!6回は谷川に代わり、先頭の杉本にセンターへのホームランを浴びますが、そのあとは7回まで完ぺきに抑えています。8回からは小豆畑のマスクで、マテオと歳内がパーフェクトリリーフ!5投手で被安打は4本のみ、ソロホームランによる2失点でした。

「初めまして!」と飯田投手

写真は3日のウエスタン・ソフトバンク戦で移籍後初登板した飯田投手。
写真は3日のウエスタン・ソフトバンク戦で移籍後初登板した飯田投手。

 9日のヒーロースピーチは、移籍後初先発となった飯田優也投手です。

 「えー、お疲れ様でした!」という挨拶に、スタンドのお客様も「お疲れ様でした~」と返して、そこから自己紹介へ入ったのですが「ソフトバンクか…、き…、から来た飯田です」とカミカミになってしまい苦笑。後ろに並ぶ選手たちもズッコケていました。くじけずに「初めまして!」と続けると、スタンドから拍手と笑いが起きます。「初めてじゃないと思うんですけど」とつけ加えて、また苦笑する飯田投手。

 そして「まずは顔と名前を皆さんに覚えてもらえるように頑張りますので、これからも応援のほどよろしくお願いします。きょうはありがとうございました」と締めて拍手喝采。大丈夫です!スタメン発表の際に「ピッチャー飯田」で声が上がっていましたし、“色白な飯田投手”と既に皆さん認識されていますよ。名前も安藤優也コーチと同じですもんね。

 次にヒーロースピーチが聞けるのは少し先で、8月21日から倉敷と鳴尾浜で予定されている広島戦になります。もちろん勝てば、ですけど。今回の3連戦みたいに日替わりでマイクを持ってくれると嬉しいですね。そんな活躍と、矢野監督の“人選”も楽しみにしましょう。

    <掲載写真は筆者撮影>