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安芸キャンプ ドラ2・高橋遥投手がシート初登板!横田選手は屋外での打撃間近《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
実戦形式のシートバッティングに初めて登板したルーキー・高橋遥人投手。

 阪神タイガースの高知県安芸市でのファームキャンプは、きょう15日から第4クールに入っています。気温は16度あったものの曇り空で寒かったとか。あすから再び安芸に戻りますが、きょうと同じような天気予報ですね。でも練習試合が予定されている17日(西武戦・春野)、18日(四国ILplus高知戦・安芸)は日差しが期待できるでしょう!

 さて、きょうは第3クールの最後、13日に行われたシートバッティングと、17日にも屋外でのフリーバッティングを始めるであろう横田慎太郎選手の話をご紹介します。まずはシートバッティング。この日は(登板順に)昨年、故障等で力を発揮できなかった歳内宏明投手や横山雄哉投手、それから新加入の呂彦青投手、ドラフト2位・高橋遥人投手と育成ドラフト1位・石井将希投手の5人が投げました。5人とも前のクールでフリーバッティングに登板、シートは初。打た昨年11月に右足を手術した上本博紀選手も、初めてシートバッティングの打席に立っています。

 ちなみに投手陣は対戦打者数ではなく、15という球数をメドに交代。呂投手(17球)以外は、ちょうど15球で終わりました。結果は以下の通り。投手の右の( )はキャッチャーです。

歳内投手
歳内投手
横山投手
横山投手
呂投手
呂投手
石井投手
石井投手

歳内(小豆畑)

 【上本】 右前打

 【西田】 空三振

 【板山】 左前打

 【今成】 右前打

 【小宮山】左前打

横山(小豆畑)

 【森越】 投ゴロ

 【岡崎】 四球

 【荒木】 一ゴロ

 【山崎】 左前打

 【緒方】 一飛

(小宮山)

 【伊藤隼】右飛

 【上本】 三ゴロ

 【西田】 左飛

 【板山】 遊ゴロ

高橋遥(小宮山)

 【森越】 右前打

 【荒木】 見三振

 【小豆畑】見三振

 【山崎】 ニゴロ

石井(岡崎)

 【上本】 四球

 【小豆畑】中飛

 【西田】 右本塁打

 【上本】 中飛

高橋遥に「楽しみが増えた」と監督

 シートバッティングを終えた矢野燿大監督は、まずドラフト2位ルーキー・高橋遥投手がいいボールを投げていたと記者に振られて「よかったね。細かいコントロールで抑えるピッチャーじゃない。球の強さで抑えるピッチャーだと思ったけど、この寒さ(最高気温8度)で145キロくらい出ていたからね。この時期はバッターの仕上がりを考えると押し込んでほしいと思ったが、それでも十分。十二分!」と満足そうな表情でした。

キャンプ前、金本監督が「沖縄へ連れていきたかった」と話した高橋遥投手。
キャンプ前、金本監督が「沖縄へ連れていきたかった」と話した高橋遥投手。

 「変化球も強い。ブルペンでもスライダーはブレーキがかかるといいか角度があったので、けっこう空振りも取れるし。ツーシームもカウント球と、追い込んでからとを変えていると言っていた。けっこう強めに変化するので、バッターはイヤなんじゃないかな。まずは、きょうの段階で、あのボールを投げられたってのは楽しみが増えたな。どれくらいのものかなと思ったら、ブルペンでだんだんよくなっていることが、ある意味そのままマウンドで出たからね」

 次は試合で?「まだ短いイニングになると思うけど、実戦で投げてランナーが出たら課題も出てくるし。ブルペンでも、すごく早く投げたいタイプ。ピンチになれば焦る可能性もあるかなと思う。経験しないと、わからへんから」。17日の西武戦?「どっちかなあ。17日か18日、どっちか1イニングで入っているはず。そこでイキのいい、若々しい、投げっぷりのいいところを(見せてほしい)。三振を取るようなピッチャーやと思う」

初シートで打席に立つ上本選手。
初シートで打席に立つ上本選手。
最初の打席でヒットが出て、少し笑顔。
最初の打席でヒットが出て、少し笑顔。

 続いて初めてシート打撃に臨んだ上本選手については「バッティングとか、そういうのは練習から“さすがな”感じはあるし、そんな心配はしていない。次の試合から出られると思うから」と、ヒットも打って当然という回答です。「ライバルもいっぱい出てきている中やから、ただ出るだけやなく結果ってのも本人はほしいやろう。ここまで十分できているし。何より、こんな寒くても、手術したところの不安がないってのはね。競争に入っていける準備もできたかな」

 西田選手にホームランが出ましたね。「やっとな(笑)。よう練習してるんよ。練習したから結果がすぐ出るかどうかはわからへんけど、やり続けるしかないんや。信じて。結果が出ることで本人も前向きにやっていける。きのう(練習試合で)ヒットがほしいってのはわかったけど、しっかりスイングしてくれたらいいからと。たとえファウルになっても。合わせるようなスイングとか止めようって言っていて、きょうもしっかりスイングしてくれた。本人の気持ちが前を向いていたね。きょうの特打もね」

打った西田選手と、打たれた石井投手

 では選手のコメントです。まず上本博紀選手に初シートの感想を聞いたものの「特に…ないです」という答え。ピッチャーの生きた球を見て、どうですか?「パッピもあったので」。確かにフリーバッティングでピッチャーの球は何度も打っていました。17日の西武との練習試合に出場予定とのこと。しっかり動き回れるよう、暖かくなって欲しいですね。

11日の練習試合前、サイン会に臨む西田選手です。寒そう…
11日の練習試合前、サイン会に臨む西田選手です。寒そう…

 ルーキー・石井投手の真っすぐをライトポール際へ放り込んだ西田直斗選手は、ナイスホームラン!と言ったら、とっても小さな声で「シートです…」と。確かに前日までの試合でなくてシートバッティングですけど。監督も前向きになれるだろうと話していますからね。打ったのは?「インコースよりの真っすぐ。たまたまです」。ご両親とお姉さんが安芸に来られていたのは前日で、見てもらえなくて残念!でも監督の「よう練習してるんよ」という言葉通り、今キャンプでも最後まで残って1人で打っています。それは必ず自分を支えてくれすはず。

 横山雄哉投手は初シート登板に「ダメでした。でも最初なんで。球自体はよくなかったけど、投げられたことは本当によかったです。次また課題ができたので。次は指にかかったボールが多くなるよう、ブルペンで修正していきたいと思います」とコメント。

初シートを終えてホッとしたような、でも悔しそうな石井投手。
初シートを終えてホッとしたような、でも悔しそうな石井投手。

 ルーキー・石井将希投手は前日、初めての“実戦形式”での登板を「楽しみですねえ」とニコニコしていました。終わったあとはホームランに苦笑い。「真っすぐです」。ちょっと中に入った?「はい。打ち損じみたいな感じがしたんですけど…振り抜いて、そのまま行っちゃいました」

 思った球は投げられた?「感覚は悪くなかったんですが、抜け球だったり、カウント有利に持っていくという細かい部分が全然できなかった。今後はブルペンから、試合にいけるようなピッチングをしていきたいです」。試合で投げる日も近づいてきましたよ。「はい。10割中、12割くらいでいきます。全力で!」。なんとも初々しいですねえ。

先輩から2つの見逃し三振!

 

 最後に、同じくルーキーの高橋遥人投手。投げたのは真っすぐとスライダー1球、ツーシーム2球だったそうです。最速145キロの、真っすぐの強さを感じた初シートでした。自分では及第点?「ストライクをしっかり取りたいと思ったので、そこはよかったですし、置きにいってストライクを取るんじゃなくて、しっかり腕を振って取れたのでよかったです」

寒い中での“初登板”でも145キロを計測した高橋遥投手。
寒い中での“初登板”でも145キロを計測した高橋遥投手。

 見逃し三振は?「2つともストレートです」。バッターが対応しきれなかったように見えた。ああいう反応はよくある?「しっかり指にかかった2球だと思うので。空振りを取れたら一番いいと思うんですけど、見逃しでも空振りでも三振が取れたことは自信になりました」。空振りが一番?「ああ…いや、見逃しもいいんですけど、当てられないくらいのストレートが一番魅力だと思うので。でもまずストライクを取ることを大前提。ブルペンでしっかりやっていきたいです」

 次は実戦と矢野監督が期待を込めていました。「しっかり頑張りたいと思います!」

 高橋遥投手の話を聞く前に、板山祐太郎選手が出てきたので「亜細亜大の先輩と後輩の対決が見たかった」と言ったら「そうですよ。ギリギリでなかったですもんね。やりたかったなあ。打ち負かしてやりたかった~」とニヤリ。しゃべりながらバットを出してきて「曲がってる」と。あ、ほんとだ。折れているのかな?「折れてないっすよ」…キレてないっすよ、を意識したわけではなかった様子。「しなっているというか。同じとこで打っているから」

 そして「このバットが今、一番いいんですよ!」と言って壁に立てかけ「きょうもありがとう」とバットにささやいて帰りました。

あの打球がもうすぐ屋外で見られる

サブグラウンドに出てトレーナーさんとキャッチボール。
サブグラウンドに出てトレーナーさんとキャッチボール。
外野でノックを受ける横田選手。1球だけ軽くスライディングキャッチも。
外野でノックを受ける横田選手。1球だけ軽くスライディングキャッチも。

 ちょうど1年前の沖縄・宜野座キャンプで体の不調を訴えて離脱、約半年後に戻った鳴尾浜で『脳腫瘍』により療養中だったことを公表した横田慎太郎選手。もちろん別メニューではありますが、安芸キャンプに参加してみんなと汗を流しています。アップからベースランニングくらいまで全体練習に入っていて、その後はドーム内でバッティング。

 マシンはカーブもストレートも打ち、先日まではトレーナーに打撃投手をしてもらっていたのが、13日は新井良太育成コーチが投げる本格的な球を打ちました。そのあとはサブグラウンドに出てキャッチボールとペッパー、さらに外野ノックもやっています。

 第3クールが始まった10日、横田選手のマシン打撃を矢野監督が初めて視察しました。いつもブルペンで投手陣が投げている時間帯に、横田選手は安芸ドームで打っているのですが、この日は連絡を受けてブルペンから移動。「浜中、新井両コーチから想像以上にいいと聞いていた。実際に見てみて、想像以上に振れていると思った。あとはボールの見え方とかが大事だから、反復練習を重ねていくことになる。そのあたりは慎重にね」と感想を述べ、屋外での打撃練習も「中旬以降に、外で打てるならば」と近いことを示唆していました。

 そして13日の練習後に再び聞いてみたところ「予定では春野(17日、西武との練習試合)の時に。外で打つってのは、まだ緊張感があるだろうし、プレッシャーをかけたくないなと思って。(本隊が)春野に行っている時がいいかなと。みんな期待が大きい。それは本人もわかっている。でも地道にやっていくしかない。地道にやっているからね。頑張ってほしいなと思う」とのこと。本人に負担がかからないような気配りでしょう。

安芸ドームの中で新井コーチと話をしながら打撃練習をしていました。
安芸ドームの中で新井コーチと話をしながら打撃練習をしていました。

 帰り際の横田選手に、外野ノックは前から?と尋ねると「はい。ずっとやっていますよ」という答え。マシンだけでなく新井コーチの“投球”も打ったし、あとは外で打つだけですね。「はい。トレーナーさんと相談しながらになると思いますけど」。楽しみ?「はい、頑張ります!」。明るい声と、穏やかな笑みが返ってきました。焦ってはいけないし、焦らせるつもりはないけど、でも一歩前進ですね。太陽の下で、ただ元気にバットを振っている横田選手が見られるだけで、私たちは本当に嬉しく思います。

     <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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