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大阪天満宮の福玉まきで、タイガースファンに力をもらった2年目の戦士たち

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
福玉まきが終わった後、中庭で記念撮影をする選手たち。2年目の戦いが始まります。

 吉例の大阪天満宮『初天神梅花祭』の福玉まきがことしも行われ、24日はオリックス・バファローズの5選手、そして25日は阪神タイガースの7選手(故障していた浜地真澄投手を除く)が参加しました。本殿にズラリと7人も並ぶなんて、私が取材に伺い始めてからは最多のこと。天満宮の方々も「ことしは7人も来てくれて」と喜んでおられました。だいたい5人くらいというのが多いですね。

 福玉まきに参加しようと早くから境内を埋めた参拝&タイガースファンの皆さんに、まず実施要領と注意事項の説明。16時から御祈祷があり、いよいよ選手たちが本殿の舞台に姿を現したのですが、司会進行の方の“呼び込み”が最高でしたねえ。そのあと選手1人ずつの紹介では、それぞれのプロフィールを読み上げて拍手喝采です!

見事な司会で盛り上げてくださった、大阪天満宮の権禰宜・中村さん。
見事な司会で盛り上げてくださった、大阪天満宮の権禰宜・中村さん。
すみません、藤谷投手が入っていなくて…。糸原選手の顔にもボールが重なっていますね。
すみません、藤谷投手が入っていなくて…。糸原選手の顔にもボールが重なっていますね。

 7人を紹介し終えた後、なぜか「身長164センチ…」とまだ紹介が続き、選手たちは「あれ?」とキョロキョロ。私も「欠席の浜地投手の?いや身長はもっと高いよね」と考えていたら、なんと「わたくしは司会の中村です!」と自己紹介。舞台下で見ていた関係者の皆さんも爆笑でした。司会を務めた大阪天満宮の権禰宜・中村さんは今回が初で、徹夜で選手の紹介文を考えられたそうですよ。いいお仕事ぶりでした。

 そして本番の福玉まき。例年通り10分も持たずに福玉がなくなって終了。選手たちは本殿から渡り廊下を通って中庭へ移動し記念撮影、取材へと続きます。大山悠輔選手と、沖縄キャンプメンバーに抜擢された才木浩人投手はテレビインタビューもありました。では選手のコメントをご紹介しましょう。

【大山悠輔選手】 一番重要なのは優勝

◆テレビインタビュー

 福玉まき、1投目から大遠投でしたね。「寒い中、何時間も待ってくださっているというのは聞いていたので。すごくありがたいですし、そういうファンの方の期待に応えないと、しっかりやらないといけないなと改めて思いました」。大山選手は今季、何をもって“福”としますか?「やっぱり優勝なので、それに向かってやるだけだと。個人的にしっかり貢献できるように、一つ一つやれることをやっていけたらと思います」

 このオフはどんな意識をもって?「重点的にというよりも全体的にやってきました。すべての面でまだまだ力不足ですし、すべてにおいてもっともっとレベルアップしないといけないと思ったので。オフも全部やってきましたし、これからも全部やっていきたいと思います」。どんなキャンプに?「やっぱりアピールすること、しっかり自分を出していくことが一番ですけど、その中でしっかり自分のレベルアップというか、シーズンを戦い抜ける力というのをつけていきたいと思います」

◆囲み取材

大山選手は本当に楽しかったようで、終始ニコニコとしていました。
大山選手は本当に楽しかったようで、終始ニコニコとしていました。

 神様に祈願は?「もちろん、そこは。はい、させてもらいました」。優勝が一番?「優勝を狙ってやらないチームはないので。そこはやっぱり一番重要なところ、そこに向かってしっかり頑張りたいと思います」。神様は信じるタイプ?「いや、どうですかね、いると思ってやりますけど。まあでも、しっかりやらない限りは見てくれないと思うので。まずは自分がしっかりやりたい」

 大阪のファンと間近で対面して、この人たちを喜ばせたいという気持ちになる?「それはもちろん。はい、思います。やっぱりファンの方の声援というのはすごい力になりますし。もっともっと応援していただけるように頑張らないといけないと思います」

 天満宮は学問の神様ですが、野球の勉強や頭を使うこともレベルアップしていきたい?「もちろん考えないとレベルアップできないし、ただコーチの方からやれと言われてやるよりも、その中で自分で考えてやることによっていろいろ引き出しもできると思う。やっぱり考える力もしっかりつけたいです」

 

【小野泰己投手】 ことしは最初から勝負!

 初めての体験?「そうですね、初めてです。たくさんの人に来ていただいて、楽しかったです」。才木投手と一緒に(お客さんが構えた)網を狙っていた?「狙っていました。一番目立つので、アレが。狙っていました」。入った?「入らなかったです」

小野投手も、肩車された子どもの網を狙っていたみたいですね。
小野投手も、肩車された子どもの網を狙っていたみたいですね。

 以前は梅田でも道に迷うと話していましたが、大阪の熱気にはだいぶ慣れてきた?「だいぶ慣れてきましたね。本当にたくさんの方に声援をいただいたので、ことしはもっと結果を出せるようにがんばりたいと思います」

 寒い鳴尾浜でかなりの球数を投げていましたね。「そうですね、58球ですね」。どういう意図でそれだけ投げた?「いや、最初はよくなかったので、投げているうちにだんだんよくなってきたので。その感覚を覚えようという感じで投げていたら、それなりの数になりました」

 ことしも1軍キャンプスタートですが、去年とは違う気持ち?「そうですね、去年は1年目ということで、やっぱり最初は慣れからという感じだったので。ことしからはしっかり勝負して、アピールしてやっていきたいと思います」

【才木浩人投手】 まずキャンプを完走

◆テレビインタビュー

 福玉まきに参加しての感想。「普段からこういう機会はなかなかないし、初めての機会なので、すごく楽しかったです」。お客さんの数もすごかったですね。「すごく思ったよりも多かったので、すごかったです」。壮絶な取り合いになっていたような…。「そうですね、後ろの方に網を構えている子がいたので、そこをめがけて投げました」。届いた?「ちょっとコントロールが悪くて…入らなかったです(笑)」

19歳の才木投手は、最初から最後までガンガン投げていたような(笑)
19歳の才木投手は、最初から最後までガンガン投げていたような(笑)

 そのコントロールも含め、オフはどんな取り組みを?「自分の真っすぐと、総合的な部分をレベルアップできるように、トレーニングをしっかりやってきました」。沖縄キャンプメンバーに選ばれて、今の心境は?「まだ選ばれただけで。1軍で結果を残していないので選ばれただけで満足せず、しっかりこれからアピールして1軍のマウンドで投げられるようにやりたいと思います」

 どんなキャンプにしたい?「自分に負けないことと、自分を持って最後までしっかりケガなく完走できるようにしたいと思います」

◆囲み取材

 神様にどんなお願いを?「ケガなくしっかり、2月のキャンプをしっかり完走できるようにお願いしました」。福玉は?「網を構えている子がいたので“届け!”と」。お客さんの顔も見られたでしょう?「お父さんに抱っこしてもらっていたので、そこは見えました。楽しかったですね、初めてだったので」

 金本監督が大きな期待をかけてくれています。秋から成長したところを、また打席に立って見てほしい?「そうですね、まあもちろん監督にアピールできる部分ではたくさんしていきたいと思っているので。前よりもさらにいいボールを投げて、試合でも使っていただけたら、しっかりその試合で結果を出せるようにやっていきたいと思います」

 最初の試合から結果にこだわる?「そうですね、自分は本当にアピールしていかないといけない立場だと思うので。結果にこだわって、もちろん内容にもこだわりたいですけど、やっていきたいと思います」

【糸原健斗選手】 2月からガツガツ

中庭での糸原選手。巫女さんにも人気でしたよ~。
中庭での糸原選手。巫女さんにも人気でしたよ~。

 壇上でも「ケガなく」と話していたが、神様にもそう願った?「お願いはしていないです、誓いました!」。しっかり活躍する、と?「はい」。神様は信じて祈るタイプ?「いや、ことし1年の誓いを、神様に言っただけです」。やはり去年はケガが悔しかった?「調子いいときにケガしてしまったので、ことしは1年間通してケガのないように、1年間1軍の戦力として優勝に貢献できればと思います」

 そのためにやってきたことは?「いやもうオフからというか、ケガしてからですね。体を鍛えて1年間戦える体を作ってきたので。2月からガツガツ、アピールしていきたいと思います」

【福永春吾投手】 100%の力で勝負する

 最初の挨拶で「本日は福永春吾のためにお集まりいただき…」と。さすがのトーク術ですよねえ。「いや糸原さんから、茶化してくれと言われたんですよ」。そういう指令があったとは知らなかった。「だって(そこまで)みんな淡々と来てるからって」。なるほど。「え、そこですか?餅を投げた感想でしょう?」。あ、そうですね。餅じゃないけど。では感想を。「キャンプに向けて肩も仕上がった感じ」。用意していましたね、これ。

 こういう行事は?「初めてです。ここ入れて~!と言われたので狙ったんですけど、入らんかった」。司会の方もなかなか盛り上げていたのでは?「いいネタ持ってはりましたね(笑)」

 

マイクの前ではさすがのトーク術、福永投手。お立ち台を楽しみにしています!
マイクの前ではさすがのトーク術、福永投手。お立ち台を楽しみにしています!

 いよいよ2年目のキャンプインが近づいて。「早い段階からゲームの予定が入っていたので、しっかり投げられるように1クール目からいきたいです。最初から結果を出せるように。ことしはオープン戦の早い段階で(1軍に)上がって、そのまま帰ってこないように頑張ります」

 去年と比べて、ここが変わったという点は?「真っすぐ自体がよくなっていると思います。投げている感じが。変化球は軽くで、まだ全然本格的に投げていないけど、感覚としてはまとまっているなっていうのは感じますね。実際にバッターが立ったら、まだどうなるかわからないですが」

 矢野ファーム監督とは?「矢野さんとはフェニックスリーグで割としゃべりました」。ことし“学びたい”こと。「1軍の、一流と言われる方々と対戦して、自分のボールの反応を見てみたい。それには1軍で投げないといけないので、投げられるよう努力します。1軍ではもう100%の力を出せるようにするだけ。100%出し切って勝負したいです」

【長坂拳弥選手】 沖縄キャンプで飛躍を!

 初めての沖縄キャンプについて。「嬉しい気持ちと、緊張感と、やってやろうという気持ち。そんな感じですかね」。片岡打撃コーチが、今回は夜間練習をなくしてみようかという話を。そうなると少し時間ができて、ピッチャーとのコミュニケーションに充てられる?「コミュニケーションを取れる時はしっかり取りたい」

長坂選手も中庭でのショットです。真面目な顔もなかなかイケています。よね?
長坂選手も中庭でのショットです。真面目な顔もなかなかイケています。よね?

 改めて、自分のここは他の3人(原口選手、梅野選手、坂本選手)に負けないというのは?「できることを本当に、しっかりやるのが一番大切だと思います。僕は目立った能力とかがないので、ワンバウンドを止めるとか、ミットでしっかり止めてあげるとか、ピッチャーへの声かけだとか、そういう誰でもできることをやっていきたいです」

 1軍のピッチャーに聞きたいことはある?「まずは、そのピッチャーの方それぞれの考え方や、投球スタイルを僕が覚えないといけないので、そういうところから話をしていけたら」。いい経験になりそう?「そうですね。こんなにいい機会がいただけたので、何とかモノにしたいですね」

 最後に福玉まきの感想。「さすが阪神ファンだなと思いました」

【藤谷洸介投手】 結婚して気持ちも新たに

 ことし何を“学びたい”?「体の使い方を学んでいきたいです」。具体的に言うと?「フォームの中でボールに力を伝えることだったり、ピッチングにつながる体の動き、すべてですね」。トレーナーの方に聞いて?「いろんなトレーナーや、それ以外にも矢野さん、福原さん、安藤さん、いろんな方に聞きます。自分より絶対、知識があるので。その方々に聞いて、これからも学んでいきたいです」

 福原コーチ、安藤コーチにはどんな話を?「下半身メインですね。上はそんなに言われないので。下半身の体重移動や、前に出る前だったり、前に出てからだったり、すべてです」。ことしのキャンプでテーマに掲げるのは?「今やっているフォームを、しっかり自分のフォームにして、真っすぐの精度や質を高めていきたい」

 結婚して学んだこと。変わったこと。「自分ひとりの野球人生じゃないってのは、よく感じます。家事に専念してくれているので、自分は稼ぐだけっていう感じなので、そこは変わりましたね」。1軍登板は今季の目標?「第一の目標です!」。時期は早い方が?「とりあえず今やれることをやって、一日でも早くという感じですね」

全員で並ぶとやっぱり大きいですね、藤谷投手は。ことしは1軍で投げましょう!
全員で並ぶとやっぱり大きいですね、藤谷投手は。ことしは1軍で投げましょう!

 キャンプに持っていくもの。「護摩行の時にもらったお札を。いつも寝る時に置いているので。それは常に持っていくようにしています」。社会人時代から毎月通っている護摩行。プロ入り前後は忙しくて行けず、さらに1月の新人合同自主トレでケガをしてしまったため、外出が可能になった5月から再開しました。「ことしは1年を通して大きなケガがないようにしたいですね」

 その護摩行もパナソニックの先輩で、藤谷投手が尊敬してやまないオリックス・近藤大亮投手に誘われて始めたもの。社会人1年目には敬語のイロハから教えてもらった師匠です。2年目を迎えて、何か激励はあった?「はい。お互いに頑張ろうと言っていただきました」…近藤投手、ご覧になっていますか?『いただきました』ですよ!いや~素晴らしい。

     <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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