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フェニックス・リーグ 4日ぶりの試合で巨人に惜敗 《10/18 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
18日に先発した望月投手。前回同様、アイビースタジアムでの巨人戦でした。

みやざきフェニックス・リーグは、きのう18日から第4クールに入りました。早いもので、このクール3試合と第5クール3試合、そして21日の練習試合を残すのみ。なのに…またお天気がグズグズしていて、きょうも朝から雨が降ったり止んだり。どんよりとした空です。

第3クールも15日、16日と連続で中止になりましたが、再び宮崎に来た18日は問題なく試合が行われたので、雨女と攻められずに済んでホッ。この日は、今リーグで3試合ある巨人との2戦目でした。最終クールにも、もう1試合あります。前回の10日も同じアイビースタジアムで、同じ望月投手が先発だったんですよね。違っていたのは巨人のスタメンに何人か、1軍経験メンバーがいたことでしょうか。

そのあたりはしっかり抑えた望月投手。でも前回と同じく下位に打たれて、しかもホームランとタイムリー三塁打で2点を失っています。岩崎投手が9回1イニングを三者凡退で、中止があったものの5試合連続の登板をまた無失点。打線は少し寂しく、4安打(うち2本が横田選手)で1点のみでした。

《フェニックス・リーグ》10月18日

阪神- 巨人 (アイビー)

巨人 001 000 100 = 2

阪神 000 000 100 = 1

◆バッテリー

【阪神】望月-岩崎 / 梅野-小豆畑(9回表)

【巨人】桜井(4回)-長谷川(1回)-戸根(1回)-高木勇(2回) / 宇佐見-田中貴(8回~)

◆本塁打 松崎

◆三塁打 宇佐見

◆二塁打 松崎、横田

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]二:板山  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 1)

2]遊:植田  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0)

3]右:江越  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

4]左:横田  (4-2-0 / 0-0 / 1 / 0)

5]指:陽川  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

6]中:緒方  (3-1-1 / 1-0 / 0 / 0)

7]三:森越  (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0)

8]捕:梅野  (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

〃捕:小豆畑 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

9]一:荒木  (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

〃打一:西田 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ

望月 8回 90球 (7-4-1 / 2-2) 150

岩崎 1回 14球 (0-2-0 / 0-0) 145

<試合経過>

初めてのフェニックス、3試合目の先発・望月投手。
初めてのフェニックス、3試合目の先発・望月投手。
巨人の先発もルーキーの桜井投手。4回パーフェクトでした。
巨人の先発もルーキーの桜井投手。4回パーフェクトでした。

望月は1回、2回を三者凡退と上々の立ち上がり。しかし3回1死から8番・松崎に許した初安打が、なんとセンターバックスクリーンへ飛び込むホームラン。初球の真っすぐを打たれたもので、先に1点を失います。続く和田恋に中前打されるも、1番・吉川の二ゴロ板山が捕り、走者にタッチして送球するナイスプレーで併殺!追加点を阻止しました。

4回は1死から、その板山の捕球エラーで3番・立岡を出したものの後続を断ち、4回で40球という球数。5回は2死からまたしても松崎に右中間二塁打を浴び、四球で2死一、二塁としますが、吉川は右飛で無失点です。

チーム初ヒットは5回、先頭の横田選手が左翼線二塁打。
チーム初ヒットは5回、先頭の横田選手が左翼線二塁打。
陽川選手はセカンドファウルフライ。
陽川選手はセカンドファウルフライ。
ここは空振り三振の緒方選手ですが、7回にタイムリー。
ここは空振り三振の緒方選手ですが、7回にタイムリー。
2死後に四球を選んだ森越選手。
2死後に四球を選んだ森越選手。
梅野選手はサードベースに当たる内野安打!満塁となるも得点なし…
梅野選手はサードベースに当たる内野安打!満塁となるも得点なし…

一方、こちらの打線は4回まで投げた巨人先発・桜井の前に1人の走者も出せずじまいでした。しかも3回まで9人全員が内野ゴロとライナーのみ!4回に先頭の板山が打ち上げた中飛が、初めて外野に飛んだ打球です。そのあとも植田が三振して江越は遊ゴロという内容。

5回は長谷川に対して、先頭の横田がチーム初ヒットの左翼線二塁打を放っています。陽川と緒方が倒れるも、森越が選んだ四球と梅野の内野安打(三塁線への打球がサードベースに当たって上に跳ねる)で横田は三塁セーフ!2死満塁と攻めましたが…荒木は初球を打って一ゴロ。まだ無得点です。

6回の望月は2番・橋本を空振り三振に、続く立岡に左前打を浴びるも牽制で誘い出してアウト。4番・岡本は真っすぐで見逃し三振!3人で片づけました。その裏、阪神打線も長谷川の前に1番からの3人が凡退。1対0のまま試合が進みます。

望月は7回、1死後に途中出場の川相に右前打。10日の対戦でも、先発だった望月が3安打され、3人目の島本もヒットを許して4打数4安打だった川相は、これで阪神戦5打席連続安打です。さらに7番・宇佐見に右中間へタイムリー三塁打。2点目を与えました。とはいえ次の田島から147キロの真っすぐで空振り三振を奪うなど、1点でとどめました。

するとその裏、巨人3人目の戸根から横田がサード内野安打、すかさず二盗!1死後に緒方の中前打で生還します。でも緒方は返球で挟まれてタッチアウト、森越は二ゴロで1点止まり。

岩崎投手は9回を2奪三振の三者凡退に。
岩崎投手は9回を2奪三振の三者凡退に。
試合結果を示すスコアボード。
試合結果を示すスコアボード。

8回は簡単に2死を取ったあと途中出場の高橋洸に右前打された望月ですが、梅野が盗塁阻止!8回で90球を投げ、7安打2失点でした。そして9回は岩崎が登板。4番・岡本と5番・辻から連続で三振を奪い、最後は川相を中飛に打ち取って三者凡退です。

ただし打線は8回から登板した巨人・高木勇の前に梅野、代打・西田、板山がすべて三振。9回も植田が三振して4人連続。以降は江越の遊ゴロ、横田の中飛で、ここも三者凡退で1点及ばす試合が終わりました。

これから望月が背負っていくもの

掛布監督は試合後、望月投手について聞かれ「投げるたびにいい部分が感じられる。ストライク先行していくし。ホームランは、まあね。でも(7回、タイムリー三塁打を打たれて)サードへ行かれた時に、意識して三振が取れたり。評価できるよ」と振り返っています。

もっと上を目指せと掛布監督が期待を寄せる望月投手。
もっと上を目指せと掛布監督が期待を寄せる望月投手。

「真っすぐと変化球のバランスだろうね。変化球はまだ甘さがあるけど、精度を上げようとして真っすぐがおろそかになるより、真っすぐを最優先で投げる方がいいんじゃないかな。これはフェニックス・リーグの中でもこと。岩崎も、(巨人の)高木勇だって見下ろして投げてるから。桜井も新人でしょ?すごいやん。高木はことし1軍で打たれてるのに、ここに来たら全然違う」

それを踏まえて、掛布監督はこう締めくくりました。

「これから望月が何を背負っていくか。勝敗も含めてね。ここでこれだけ投げるのは最低限のこと。これを“いい”と言うのはどうかと思うよ。そのあたりを考えると。普通なんじゃないかな。今を評価する必要はないと思う。来年、開幕1軍くらいの気持ちでやっていかないと。11月は秋季キャンプに行くだろうし、(1年目の)強化指定選手でしょう?来年が楽しみだね。金本監督もおんなじ」

明確な課題を持って次回へ

6回、2三振など3人で片づけ、笑顔で戻る望月投手。
6回、2三振など3人で片づけ、笑顔で戻る望月投手。

8回を投げ切って90球という球数だった望月投手。3回の初ヒットがホームランだった点は「初回から、アウトになる打球が強かったですね。全体的に球も高かったし。だから偶然アウトになったり、飛んだところがよくてアウトというのが多かった。そのまま修正できずにいって、(ホームランは)初球の入りが高かったかなと思います」と反省。

長打で2点を失ったものの、それ以外は抑えるところをしっかり抑えていた印象。でも本人は「高橋コーチに『ランナー一塁のクイックの時に連打とか、安打されることが多い』と言われました。自分でも、シーズン中に思っていたので、これからも意識して練習していきたい」と課題を挙げています。

5回、2死から二塁打と四球で迎えたピンチ、梅野捕手(右)にお尻をポンと。
5回、2死から二塁打と四球で迎えたピンチ、梅野捕手(右)にお尻をポンと。

フェニックスで3試合に先発して、数字的にはいい結果だったのでは?「数字としてはいいですけど…。前回の時も言ったように、その球の意図を考えている中で、意図している球が投げられないのは技術。きょうも目立ちましたし。キャッチャーの人と話し合いながら、そのボールを投げていかないといけないので、まだまだ練習しないと」

来年、開幕を1軍で迎える気持ちでと掛布監督が言っていました。「そこは今一番の目標でもありますし、ことし最後で投げさせてもらってので、それを無駄にせず生かしていければ」

岩崎「走者を1人も出すつもりはない」

続いて、中止もありましたが5試合連続での登板だった岩崎投手です。試合を振り返って「特に、普通です」というコメント。「きょうは全部スライダーでした。空振りを取った球は。ボール球になることもあったけど、変化球でカウントを取ってやろうとしていたので。もう少し精度を上げていきたい。それが課題です。フォークも機会があれば使っていきたいと思います」

9回を三者凡退に切って取り、小豆畑捕手(右)とベンチへ戻る岩崎投手。
9回を三者凡退に切って取り、小豆畑捕手(右)とベンチへ戻る岩崎投手。

リリーフ登板での雰囲気が出てきましたね?「シーズンに入れば連投、連投になると思いますが、まだ中継ぎの難しいところはやったことがないので、わからないですね。イニング途中からってのも、まだないですし」

それでも、ここまで無失点で「マウンドに上がったら走者を1人も出すつもりはないです」とキッパリ言った岩崎投手。頼もしいですねえ!「金本監督が7回、8回をゼロに抑えるピッチャーがほしいと言っているので、期待に応えたい」とのこと。守護神に?と振られて「外国人がいるから」と答えたんですけど、なかなか似合っていますよね。本人は「いや~」と、ここは苦笑いでした。

これからも走りたいと横田

試合後のティーバッティング。汗だくでバットを振る横田選手です。
試合後のティーバッティング。汗だくでバットを振る横田選手です。

最後に、二塁打と内野安打、そして今リーグ3つめの盗塁を決めた横田選手は「いい感じでうまく打てました。塁に出たら走りたいと思っていますし、よかったんじゃないですかね。これからも盗塁とか目標にやっていきたい」と話しています。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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