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開幕カード白星なしも…“越越コンビ”が連続二塁打、板山マルチ!《3/17 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
6回、森越選手の右中間二塁打に続いて、左翼線へタイムリー二塁打を放った江越選手。

今季の阪神タイガースのウエスタン開幕は、鳴尾浜に中日を迎えての3連戦。初戦は9対2と大差をつけられて完敗。2戦目はいったん追いつきながら8回に勝ち越し点を与え、3対2の僅差で敗れています。そして、きのう17日の3戦目は中盤に5点を失ったあと、1点返したものの逆転には至らず。開幕カード3連敗という結果でした。平日にもかかわらず多くのお客様がスタンドを埋めてくださった中、3試合で計5点は少し寂しいですね。

でも!きょう18日のオリックス戦で掛布監督初勝利となりました。原稿を書くのを途中で休止し、その瞬間だけでも見に行くつもりだったのですが…先発・メッセンジャー投手の見事なピッチング(7回1安打無失点、62球)のおかげで2時間20分で試合終了。おまけに横山投手、金田投手も1イニングずつを完ぺきに抑えて1安打完封リレーですよ。すごい!

とはいえ、それだけで勝ったわけではありません。中谷選手のタイムリー、陽川選手の2ラン(はや3号!)とタイムリー、岡崎選手のタイムリーで計5点。坂選手を除く先発野手7人が計11安打、今季初の2ケタ安打も記録しています。まあ三振も2試合連続で2ケタの10個ですけど。ちなみにオリックスの1安打は岩崎選手でした。雨で流れなくて本当によかったですねえ。しっかり打った打線にとっても、もちろんメッセンジャー投手にとっても。

開幕カードは3連敗でした

3連勝に沸くドラゴンズ。小笠原監督は…真ん中あたりです。
3連勝に沸くドラゴンズ。小笠原監督は…真ん中あたりです。

では、その初勝利の試合でなくて恐縮ですが、きのう17日に行われた中日戦の詳細をお届けします。中日の先発・小熊投手に対して1番から8番までの8人で計10三振を喫し、そのうち6回から7回にかけては2番から5者連続!おまけに9回の武藤投手も含め、四死球が1つもなかったんですよね。いや~もう、よく完封を免れたなあというくらいで。試合結果と経過、コメントの順にご紹介します。コメント、かなり多くてスクロールが大変かも。すみません。

《ウエスタン公式戦》3月17日

阪神-中日 3回戦 (鳴尾浜)

中日 000 410 000 = 5

阪神 000 001 000 = 1 

◆バッテリー

【阪神】●田面(1敗)-筒井-岩本-山本-二神 / 原口-清水(9回表)

【中日】○小熊(8回)-武藤(1回) / 松井雅

◆二塁打 森越、江越

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中:江越  (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .250

2]一:荒木  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 1) .125

3]指:ペレス (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .250

4]三:陽川  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .231

5]左:柴田  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .333

6]右:板山  (3-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .667

7]二:坂   (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .000

8]捕:原口  (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .375

〃走遊:植田 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

9]遊:森越  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .167

〃捕:清水  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

田面 5回 92球 (7-2-4 / 5-5 / 9.00) 142

筒井 1回 20球 (2-1-1 / 0-0 / 0.00) 142

岩本 1回 8球 (0-1-0 / 0-0 / 0.00) 144

山本 1回 15球 (1-0-0 / 0-0 / 0.00) 132

二神 1回 11球 (0-0-0 / 0-0 / 4.50) 142

試合経過

4回に4点、5回も2点失ったところで、掛布監督(右)がマウンドへ。
4回に4点、5回も2点失ったところで、掛布監督(右)がマウンドへ。
6回は筒井投手。1死満塁で0点に抑えています。
6回は筒井投手。1死満塁で0点に抑えています。
岩本投手は7回に、昨年9月21日以来の試合登板。
岩本投手は7回に、昨年9月21日以来の試合登板。
9回は二神投手がビシッと三者凡退。
9回は二神投手がビシッと三者凡退。

先発の田面は1回に堂上の中前打、2回は1四球で走者を出しますが無失点。3回は三者凡退といい立ち上がりでした。しかし4回、1死から左前打された松井佑をボークで二塁へ進め、4番・ナニータは中前打、福田にストレートの四球で満塁として古本の左前タイムリー。続く三ツ俣は右翼線への2点タイムリー。この時、中継のボールを受けた荒木が悪送球して三ツ俣も二塁へ。3点入ってなおも1死二、三塁で松井雅の二ゴロ(坂がよく飛びついて捕り、一塁へ送球)の間に1点を追加されました。

5回は先頭の堂上に四球を与え、ナニータの右前打などで1死一、二塁として福田が右前タイムリー。ここで久保コーチではなく、掛布監督がベンチを出てマウンドへ!声をかけ肩をポンポンとたたいて戻ってきたら、田面は2球ストライクで追い込み古本を遊ゴロ併殺打に打ち取っています。効果てきめんでしたね。田面は4回と5回だけで6安打3四球5失点だったものの、公式戦では自己最長となる5イニングを投げて交代です。

6回は筒井が登板。1四球と連打で1死満塁とされましたが、後続を断って無失点。そして7回は岩本が今季初の実戦マウンドに上がり、ナニータを二ゴロ、福田は空振り三振、古本は二飛と、わずか8球で三者凡退です!続いて山本も今季初登板。先頭の三ツ俣に左前打され犠打で二塁へ進めるも、友永の遊ゴロは森越が捕り三塁へ送って2死一塁、溝脇は中飛で無失点でした。9回は二神が堂上、松井佑、ナニータをすべて内野ゴロで片づけ三者凡退。

6回、先頭の森越選手が右中間へ二塁打を放ち、江越選手が適時二塁打(冒頭の写真)。
6回、先頭の森越選手が右中間へ二塁打を放ち、江越選手が適時二塁打(冒頭の写真)。
左翼線へタイムリーを放って二塁へ到達、江越選手。
左翼線へタイムリーを放って二塁へ到達、江越選手。

さて打線は冒頭でも書いたように、中日・小熊をなかなか打てません。5回までの出塁は、2回2死から右前打、5回1死から中前打を放った板山のみ。四球も失策もなしです。しかし6回、先頭の森越が右中間二塁打を放ち、続く江越の左翼線二塁打でようやく1点返しました。ところが以降は荒木、ペレス、陽川と3人揃って三振。さらに7回の柴田と板山も三振で5者連続…。坂は投ゴロで7回も三者凡退です。

8回に先頭の原口が左前打したものの森越の三ゴロで併殺、江越も三ゴロと結果的に3人で片づけられ、9回は武藤に対し、やはり三者凡退で試合終了。スタメンで三振しなかったのは森越ただ1人でした。

監督談話

掛布監督はまず「田面は、途中であきらめさせたくなかったから『マウンドで逃げちゃダメだよ』と言いにいった。そしたらダブルプレーだったねえ。ちょっと遅かったかな」と振り返りました。遅かったというのは、監督自身がそれを伝えにマウンドへ行くのが…という意味だろうと思います。そして「5回までよく投げたと言ってあげたい。今までストライクが入らなくて苦労していたんだから。5回投げきったことに意味がある。去年までの田面を思えばナイスピッチング」と監督らしい言葉。

そのあとは野手の話で「板山は1軍でもやっていたし、気持ちが強いよね、彼。同世代の活躍とか刺激になっていると思うよ。使いたい選手ですよね。的を絞りづらいピッチャーだったけど、打席の中である程度は勝負できた結果が2本のヒットにつながった。江越はあした、どういう結果になるか。あしたは江越にとって大きな(意味を持つ)試合になると思う」と話しました。

なお、きのうの試合後に記者陣から「勝つかと思いました」と言われた掛布監督。「オレもそう思った。そうは問屋が卸さないか」と返しています。でも相手が変わって、きょう18日のオリックス戦で初勝利となりましたね。おめでとうございます!監督がウイニングボールを受け取るところ、撮りに行けなくて残念です。

森越、江越の連続二塁打で1点

6回、先頭でヒットを放ち、二塁に滑り込んだ森越選手。
6回、先頭でヒットを放ち、二塁に滑り込んだ森越選手。

5回まで板山選手の2本しかヒットを打っていなかった打線。しかし6回に森越選手が右中間二塁打を放ち、得点につなげました。もと同僚でもある小熊投手について「まとまってたんじゃないですかね、きょうは」という感想です。カウント1-1から136キロの真っすぐを打った森越選手。「真っすぐを待って変化球に対応するのがチームのテーマなので、その真っすぐです」

二塁打だったものの「たまたま飛んだところがよかっただけ。しっかり振れたのはよかったですけど」と控えめなコメントです。5回にまだ追加点が入りそうなところ、古本選手のショートゴロで併殺にし、8回も友永選手の打球を捕り三塁へ送って走者をなくしたり。守備も貢献したねと言うと「ありがとうございまーす」とニッコリ笑顔でした。

江越選手の二塁打で生還し、ベンチでみんなとタッチ!
江越選手の二塁打で生還し、ベンチでみんなとタッチ!

その森越選手に続いて左翼線へ二塁打を放ち、完封負けを阻止してくれた江越選手。「打ったのはスライダーです。対応したというか、狙っていました。あれだけ真っすぐが来なくて全体的に変化球ばかりだったら、打っていかないと配球が変わってこないので」。なるほど。そういう意図もあるわけですね。

18日はオリックスの先発が左の松葉投手だから、そこでいい結果を出したらチャンスだと掛布監督も言っていました。左投手は意識しますか?「いや、意識はないです。相手が誰であろうと結果を残してアピールしたい」。その松葉投手から、きょう2安打しています!さてどうなるのでしょう?

ファームでも毎日が勉強

5回、小熊投手から2本目のヒットを打った板山選手。
5回、小熊投手から2本目のヒットを打った板山選手。

板山選手は15日が大学の卒業式で欠席、2戦目は9回の代走のみ。よって、きのうが公式戦初打席で初安打でした。しかもチーム5安打のうち2安打。「特にそんな意識せず、いつも通りいきました。練習試合でも少し緊張しますけど、いい緊張感の中でやれたと思います」。2打席目の中前打は102キロのカーブを打ったもの。「ノーツ―(ツーボール)からの真っすぐを待っていて手が出なかったんで、次の球を打ったろう!と(笑)。真っすぐを待って、という中でいい対応ができたかなと思います」

1打席目は131キロのフォークを右前打しましたね。「あれも真っすぐを待っていたんですけど、積極的に打ちにいっていい対応ができた。自分の良さは積極性だと思うので、そこだけは続けていきたいです」。1軍のオープン戦で、高山選手や横田選手という同年代の外野手が活躍しているのは刺激?「それは当然ありますね。きのう(16日)は2人とも3安打して、きょうも打ったみたいで」。そりゃもう、ものすごく刺激でしょう。ただでさえ負けず嫌いですから。

これは3打席目、インコース攻めのあと空振り三振で、この悔しげな表情。
これは3打席目、インコース攻めのあと空振り三振で、この悔しげな表情。

でも「ファームにいるからこそ、今のうちにいろいろ試してレベルアップしていきたい。ライバル心を持って」と板山選手は言っています。心がけていることは「強く振ることが大前提。その中でいかに、待っていないボールに対応するか。空振りもOKだと思っています。変に当てに行かないようにと。ファームでも同じように、きょう1打席目と2打席目に変化球を打ったら、次はインコースの真っすぐで来たので。いろいろ勉強しながら毎日やっています!」。負けず嫌いに加えて、とても前向きなルーキーでした。

田面は公式戦初の5イニング

今季公式戦初先発の田面投手は、一巡目までよかったと言われて「そうですね。その通りです」と苦笑い。ボークは影響した?「リズムが狂ったのは多少ありましたけど、そんなに。4回は連打の中にフォアボールも絡んだし。中でも1死一、三塁で(福田選手に)フォアボールってのもダメだし」。これで1死満塁となり、連続タイムリーにつながった場面を悔やみます。「切れなかった。もったいない」

とはいえ3回まで1安打無失点、5回を投げ切りました。
とはいえ3回まで1安打無失点、5回を投げ切りました。

5回に直接マウンドへ行った掛布監督は、何と?「この回は任せたから、投げきれよと言われました。しっかり投げきろうと思った。間を取ってもらって、しっかりバッターに投げ込めたってのはあります」。そのあとのストライク2球、そして遊ゴロ併殺打はお見事!「もともとスライダーもフォークもボールが高くて、2巡目はそこを捉えられたと思います。カウントが良くても決めきれなかった。5回投げきれたのはよかったけど、4点は…」。次の課題ですね。

でも、昨年のフェニックス・リーグでは3試合すべて先発で、すべて5イニング投げました。そこから台湾のウインターリーグへ行き、掛布監督が安芸キャンプ初戦『2.11』の先発を決めたわけです。もちろん公式戦では初めての5イニング。しかも開幕3試合目。掛布監督ではありませんが、それまで制球難に苦しんでいた田面投手を思えば、真っすぐ中心で勝負する姿も頼もしく見えました。

「まじめさが出た」と久保コーチ

グラウンド整備中に引き揚げる田面投手。ブルペン入口で迎える久保投手コーチ。
グラウンド整備中に引き揚げる田面投手。ブルペン入口で迎える久保投手コーチ。

おそらく監督と同じ思いの久保投手コーチですが、あえて注文をつけます。「1つのボール、1つのボークが大量点になってしまった。そういうとこで経験の差がね。もう少し“楽に点をやってほしい”。勝負にいってるような、いっていないようなボールを投げず、あそこはまだ勝負してほしい。先発ピッチャーは6回くらいで2、3点なら合格。そこで何とかしよう、いいとこへ投げようとしすぎるから1イニングで4点になってしまう。防ぎにいくのはいいけど、割り切りが必要ですね」

2巡目で捕まったのは「ボールの高さが揃い始めてしまったから」だそうです。違う変化球を投げても「同じテンポ、同じ球種に感じる。相手からすれば、いらっしゃい!やね。幅や緩急がなくなって、相手に嫌な球もなくなるわけ」と久保コーチ。「これはバッテリーの作業ですね。配球も偏って、困ったらスライダー、真っすぐになってしまう。そこに経験の無さが出る。1点取られてもいいのに、頑張りすぎてしまうんですよ」。そして少し笑いながら、こんな表現をしました。

「田面と原口、2人のまじめさが見えるでしょう?超まじめな野球をしている」

原口がピッチャーから学ぶこと

では、“超まじめな”原口選手にも聞いてみましょう。8回まで守って「こんなに長くマスクをかぶったの、久しぶりだった」とポツリ。そういえば2月の安芸キャンプで本格的にキャッチャーを再開して、試合でマスクをかぶったのが1年半ぶり、スタメンマスクは2013年10月21日のフェニックス・リーグで行われた練習試合以来だと、キャンプ中の記事でも書いています。その時が9回フル出場だったので、8イニングというのもそれ以来、2年5ヶ月ぶりですね。

三塁側カメラ席直撃のファウルで動揺したため、すぐあとの中前打の写真が撮れず…
三塁側カメラ席直撃のファウルで動揺したため、すぐあとの中前打の写真が撮れず…

久保コーチの言葉を伝えると「スコアを見せてください」と言って、4回の回顧を始めました。「先頭(堂上選手)のセンターライナーで、ちょっと嫌な感じはしたんです。次はカーブが入らなかったから、スライダーでいった。スライダー打つんですよねえ~松井さん」。その松井佑選手の左前打で1死一塁。「ナニータ。ここが僕のターニングポイントでした。ボークで一塁が空いた。厳しいところへいこうと思ったけど投げきれなかった。いえ、投げきれさせられなかった」

そこまで降り返ったあと、6回以降のスコアを指差しながら「先発が大事ですね」と原口選手は言いました。「前半と同じようにサインを出し、後半はかなり首を振られたんです。あきら(岩本投手)も先頭のナニータのとこで首振って、それで打ち取ってる。リリーフ陣は全力で、自信のある球で勝負してくるから。やっぱり前半。先発ですね。そこが大事。もっと頑張ります」。どこまでもまじめな原口選手でした。まじめはいいことです!

戦列に戻ってきた岩本と山本

次に、実戦復帰した2投手のコメント。岩本投手は「結果的によかった。いえ、間違えました。結果がよかったです(笑)。思ったより真っすぐがいってたかな」と、昨年9月21日のウエスタン・オリックス戦(神戸サブ)で先発して以来となる、今季初の実戦登板を振り返りました。「腕が、今のベストでは振れていると思います。最初だから何とも言えませんけど。まずはしっかり投げることから、なので。スタートとしてはよかった」

投げ終えてベンチへ戻りながら、少しずつ表情が緩んできた岩本投手です。
投げ終えてベンチへ戻りながら、少しずつ表情が緩んできた岩本投手です。

昨年は初めて開幕ローテ入りを果たした岩本投手。少し出遅れましたが、ことしも1軍の先発枠に入らないと。「まだそんなに先は考えていませんね。きょう投げるまで、どんなかわからなかった。シートバッティングでも投げていないし。でも久しぶりの感じはよかったです」。右肩の不安は?「ずっとあります」。つき合っていくということ?「そうですね」

3アウト目、古本選手を二飛に打ち取った球が最速の144キロでした。「指にかかっていたのでよかった。きょうに関してはセットもクイックもないので、そのへんはこれからですね」。確かに三者凡退で終わったので、しかも8球だし、すべてを確認するには至っていません。とはいえ、力強い投球が見られて安心しました。

同じく今季初実戦だった山本投手は、昨年9月1日の中日戦(鳴尾浜)以来。「よくないですねえ。ダメですねえ」と浮かない表情でした。「球速どうこうより、球がよくない。普段の練習通りに全然投げられなかった。修正する以前に、納得いく球が1つもなかった。力んでしまって、今までやってきたのと真逆のことをやってしまいました。それを試合中も修正できなくて…」。次から次へと反省の言葉が出てきます。

ことし初ゲームの山本投手ですが「納得できる球はなかった…」と肩を落としました。
ことし初ゲームの山本投手ですが「納得できる球はなかった…」と肩を落としました。

それでも0点に抑えたので。「いや~、内容も0点でした」。目の前で猛省中の人に不謹慎ですけど、うまい!と言っちゃいました。すると少しだけ微笑んで「やっていることをしっかり出さないと」と。そのあと記者陣に「すみませんでした。すみませんでした」と繰り返して引き揚げた山本投手です。

岩崎は“第2段階”に突入です

最後に、試合後のフリーバッティングで登板した岩崎投手のコメントもご紹介しましょう。ブルペンで30球、続いてグラウンドで打者に対して48球を投げました。どうだった?「普通です」。違和感なく?「そうです」。課題は?「きょうで言うならバラつきがあったので、そのへんですかね。変化球もひと通り投げました」。今後について聞かれると「開幕は正直まだ…。いつ呼ばれてもいいような状態で、できるだけ早くしっかり準備をして」とのこと。

久保コーチは「これが第2段階ですね。きょうは様子見。もう一度しっかりフリーかシートで投げて、その次にゲームと思っています。いまのところ、慌てても1軍が佳境に入ってきているので、そこへいくのは難しいかなと。何かで穴があいた時に、しっかり入っていけるように準備していければ」と話しています。ここへ来て投手陣の復帰が相次いで、顔ぶれも揃ってきましたね。戦いはまだまだ、これからです。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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