Yahoo!ニュース

5年ぶりに鳴尾浜で開幕するウエスタン・リーグ《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
開幕投手を務める島本投手。写真は安芸キャンプで誰かの声に照れ笑いしたところです。

きょう15日から、2016年のウエスタン・リーグ公式戦が始まります。ことしは久々に鳴尾浜で開幕を迎える阪神タイガース。昨年は雁の巣、2014年は神戸サブ、2013年も神戸サブ、2012年はナゴヤだったので、2011年以来5年ぶりということになりました。掛布監督にとっても記念すべき初公式戦ですから、大勢のお客様に加えてマスコミも多いでしょうね。好天の中、いいスタートが切れそうな予感がします。

ウエスタンは2006年から6年連続で本拠地開幕だったし、その前も鳴尾浜が多かったので、5年ぶりというのに少し驚きました。それを調べたついでといっては何ですが、ここ10年ほどの開幕戦を振り返ってみます。そういえば昨年も、開幕戦で2ケタ安打したため、それが2003年以来だという記事を書いたんですよね。もしかして毎年振り返っているかもしれません。お付き合いくださいませ。

ここ10年の開幕戦を簡単にご紹介

ウエスタン・リーグが5チームとなった2005年はイースタン・リーグとのファーム交流試合が始まった年でもあり、阪神は3月26日(土)に初めてジャイアンツ球場へ遠征して巨人と2試合を行いました。開幕から交流試合というのは、この時だけですね。初戦は杉山投手と野間口投手の先発、喜田選手と藤原選手にホームランが出て8対6で阪神が勝っています。

2006年は3月25日(土)、ソフトバンクを鳴尾浜に迎えて3対3の引き分けでした。ソフトバンクに1本、阪神に2本(庄田選手、桜井選手)のホームランが出ています。阪神の先発はダーウィン投手で、スタメンの2番ショートが『前田大』。大和選手ですね。2007年3月24日(土)も鳴尾浜で、やはりソフトバンクとの顔合わせ。こちらは庄田選手がソロを放ち、相手には2発を浴びて8対5でソフトバンクの勝ち。先発は中村泰投手で、8番ショート『大和』選手です。

2008年は3月22日(土)、これまた鳴尾浜でのソフトバンク戦。下柳投手と和田投手の投げ合いで始まり、4対0でソフトバンクが勝ちました。ソフトバンクには10安打され、こちらは2安打のみ…。2009年からは金曜日の開幕が少し続き、この年は3月27日(金)に中日を鳴尾浜に迎え6対1での勝利です。野原祐選手とバルディリス選手にホームラン、小嶋投手が勝ち投手となりました。

2010年は3月19日(金)が開幕日で、鳴尾浜でのソフトバンク戦。4対0と3安打完封勝ち、今度は和田投手に黒星をつけています。阪神の先発は鶴投手でした。2011年3月18日(金)も鳴尾浜でソフトバンクと対戦。蕭投手と杉内投手が先発で3対1の勝ち。このあとからビジターでの開幕が続きます。

2012年は火曜日の開幕。3月20日(火)にナゴヤ球場へ遠征しての中日戦で、白仁田投手と辻投手の先発。3対0で勝ちました。2013年はまた金曜日に戻って、3月22日(金)に神戸サブ球場のオリックス戦で開幕です。先発は小嶋投手と中山投手。4年ぶりにホームラン(中谷選手2ラン、伊藤隼選手2ラン)が出て、6対3で阪神の勝利。

2014年も神戸サブで3月21日(金)に開幕。雪やあられが降る、寒い寒い一日でした。歳内投手と山崎正投手の先発、5対1でオリックスが勝っています。そして昨年、2015年は3月17日(火)に雁の巣へ遠征してのソフトバンク戦で始まりました。先発は岩本投手と笠原投手。伊藤隼選手がソロホームランを放つなど、5対1で阪神の勝ちです。ちなみに昨年は、こんなスターティングメンバ―でした。

1]中:横田

2]二:西田

3]一:中谷

4]右:伊藤隼

5]指:狩野

6]三:岡崎

7]捕:清水

8]左:一二三

9]遊:植田

そうなんです。キャンプでケガが相次ぎ、内野手の足りない事態になって『6番サード・岡崎選手』。でも岡崎選手のファーストはもちろん、サードもありますからね。見ている分には違和感がなかったでしょう。

ことしの先陣は島本投手

さて、ことしの“開幕投手”は島本投手が務めます。しかし単なるファームのオープニングではなく、10日後に開幕する1軍の先発枠を狙う登板でもあり、そのために長いイニングを投げるとのこと。これまでウエスタンの開幕戦でリリーフ登板もなかった島本投手。その先発というだけでも大役だったであろう2年前とは、もう立場が全然違いますね。ゆうべ、意気込みを聞いてみました。

ことしのウエスタン開幕は、先発・島本投手の投げっぷりに注目しましょう。
ことしのウエスタン開幕は、先発・島本投手の投げっぷりに注目しましょう。

「あすは開幕ですし、そこを掛布監督に任せていただいて、ありがたい気持ちが強いです。だから、しっかりゼロで抑えて結果で応えたいと思います!」

何回まで投げるかは言われていないらしく「最後までいくつもりで、でも1イニング目から全力で投げます!」と気合い十分。自分自身への課題は?「カウント負けしないこと。それと1軍で投げているつもりで1球1球、意図のあるボールを投げていきたいです」。素晴らしいでしょう?このコメント。入団して6年目、体重は16キロも増えたという島本投手ですが、それ以上に内面も大きく成長しました。

昨シーズンの多くを1軍で過ごし、何が必要で何が足りないかを体感してきたからですね、きっと。きょうの開幕戦を1つのステップとして、ことしは1軍での先発という夢をかなえてください。鳴尾浜では見納め、ぐらいの気持ちで応援させていただきます!

ユニホームも新しくなります

原口選手の旧バージョンユニホーム。
原口選手の旧バージョンユニホーム。
一二三選手も、このスタイルは見納めです。
一二三選手も、このスタイルは見納めです。

見納めといえば、きょうから原口選手一二三選手のホーム用ユニホームのズボンが長くなります。一二三選手がなかなか変えないので、聞いたら「変えますよ。開幕から」とのこと。一方、原口選手はビジター用を既に長いバージョンにしていたんですが、ホーム用は変えないんだろうと勝手に思っていました。でも同じく「開幕から下ろしますよ」と言います。

そういえば安芸キャンプ中に、みんな採寸していましたね。やはり短いとヒザ付近が窮屈で動きにくかったみたいです。というわけで、ストッキングを上げた旧バージョンを13日の試合中に撮っておきました。見納めってのも変ですけど。

おまけで緒方選手のズボンの裾。足が伸びた?ズボンが縮んだ?
おまけで緒方選手のズボンの裾。足が伸びた?ズボンが縮んだ?

それともう1枚は、このあとコメントを紹介する緒方選手の足元です。見えますか?ズボンの裾。折ってある部分がほどかれているのを。おそらくクリーニングの繰り返しで縮んだんだろうと思いますが、もしかして緒方選手の足がグッと伸びたのかしら?そんなこと考えながら撮っちゃいました。緒方選手もきょうから新しいユニホームなんですかね。すみません、思いっきり脱線しています。

緒方選手「負けたくない!」

ではお待たせしました。きのうの続編です。13日に行われた教育リーグ・ソフトバンク戦(鳴尾浜)での緒方選手のコメントをご紹介します。12日に続いて2安打、しかもタイムリー2本と大活躍。関東遠征の荷物を甲子園に持っていく前に話を聞きました。

「ファームで2試合出てこいと言われて、また戻れる保証はなかった。もし打てなくて他の外野手が打ったら、そっちを使うことになるんじゃないかというプレッシャーがありました。その中で結果を残せたので、この2試合は自分にとって価値あるものになったと思います」

13日のソフトバンク戦、7回に2本目のタイムリーを放って藤本コーチとグータッチ。
13日のソフトバンク戦、7回に2本目のタイムリーを放って藤本コーチとグータッチ。

そんなにプレッシャーが?「周りの外野手が、すごい結果を出しているので。やっぱり負けないようにというか、負けたくないから。他の人が活躍すれば、自分はもっと活躍する。常にそういう負けん気を持っています。大切な時期に入っているので、あしたからまたしっかりと、きょうはきょうでもう切り替えてやっていきたいです」。緒方選手らしいですね、この負けん気。

なお盗塁に関しては前日同様にノーサインだったそうですが、この日は2本目のタイムリーのあと二盗失敗。チェンジになって三塁付近で平野コーチから何か話しかけられていたのは?「走った時、坂さんが打ってセンターフライになった直後で『そんなにすぐ行かなくても、息を整えてからでよかったのに』と(笑)」。そうだったんですね。また「スタートは悪くないから、どんどん走っていけ」と言われたとか。あすからのオープン戦でも颯爽と盗塁を決めてきてください。

平野コーチから「息を整えてから走ってもいいのに」と言われているところ、かな?
平野コーチから「息を整えてから走ってもいいのに」と言われているところ、かな?

それと、1軍のオープン戦(3月4日)で死球を受けた右ヒザは大丈夫ですか?と聞いたらキョトンとした顔。あの金本監督「骨か?肉か?」に緒方選手が「肉です」と答えた、ぜひとも流行語大賞にノミネートしてほしいような会話があった時の。「ああ!はい。きのう2本打ったんで、もう大丈夫です。やり返しました!」と爽やかに笑います。きのう2本?やり返した?確かにソフトバンク戦だったけど。投げていたのは…

帰宅後に調べたら加治屋投手でした。なるほど、それで!12日の試合は先発・加治屋投手から2打席連続安打で、しかも先制タイムリー。おまけに2つも盗塁を決めています。そりゃあ完ぺきに「やり返した」でしょう。もしかして金本監督、それを知っていて緒方選手を鳴尾浜に送ったとか?まさか、それはないですね。とはいえスッキリした顔で「やり返した」と言うもので笑ってしましました。どんだけ負けず嫌いやねん、と。

岡崎太一選手は頼れる男です

13日の鳴尾浜で打席に立つ岡崎選手。こんな構えでしたっけ?久々だったもんで…。
13日の鳴尾浜で打席に立つ岡崎選手。こんな構えでしたっけ?久々だったもんで…。

最後に、ことし初めてファームのゲームに出た岡崎選手です。13日に5回までマスクをかぶり、4回には犠飛も放ちました。4年ぶりの沖縄キャンプ、またオープン戦でも結果を残して、開幕1軍どころか開幕戦のスタメンマスクも?という状況。それでも「調子いいというか…。悪くはないですけど、内容より結果が欲しいですからね」と言います。まだ足りない、もっともっと。そんな気持ちなのかもしれません。

最初で書いたようにファーストやサードの守備も、ここという時のバッティングも、岡崎選手は本当に頼れる存在でした。それが1軍で見られるなんて、鳴尾浜のファンの皆さんはすごく喜んでいらっしゃいますよ。「太一が打った!」って。もう一花と言わず、満開の花を甲子園で咲かせてくださいね!できるだけ長く。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事