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安芸キャンプ エラーか?ヒットか?高山選手の実戦デビュー《2/21 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
21日の練習試合で実戦デビューした高山選手。5回に投手の足元を襲う打球を。

きょう22日は四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスとの練習試合が行われた、阪神タイガースの安芸キャンプ。高山選手が3打数3安打と気を吐きました!しかし…すみません。その詳細は次の記事までお待ちください。ここでは、きのう21日の韓国のハンファイーグルス戦の結果をご紹介します。

きのう21日の安芸いいお天気で、試合開始直後まではポカポカした陽気だったのですが…少しずつ傾く太陽の動きとともに日陰が増えてきて、バックネット裏はもう寒いのなんの!おまけに北風がそこそこ強くて、チャート担当のピッチャー陣も震え上がっていました。試合が終わったのは16時近く。2対2というスコアの割には長かったですね。両チームとも8個ずつ、計16個もあった四球のせいでしょうか?

なおハンファは11日の対戦が1軍キャンプメンバー、今回は2軍キャンプメンバーということでしたが、スタメンには韓国代表でもあるような1軍選手が並び(イ・ヨンギュ、ジョン・グンウ、キム・テギュンなど)、2打席ずつ立っています。では試合結果と経過をどうぞ。

《練習試合》2月21日

阪神- ハンファ (安芸)

ハン 000 001 100 = 2

阪神 000 020 000 = 2

※9回引き分け

◆バッテリー

【阪神】青柳-桑原-筒井-トラヴィス-小嶋 / 鶴岡-原口(5回~)

【ハンファ】 キム・ギュンテ (3回1/3)- ジョン・ジェウォン (3回1/3)- ヨ・スンチョル (1回2/3)- イム・ソクヒョン (2/3回) / イ・ヨンソク- ジョン・ギョウン(6回~)

青柳投手vs先頭のイ・ヨンギュ選手。
青柳投手vs先頭のイ・ヨンギュ選手。
3回から2イニングを投げた桑原投手。
3回から2イニングを投げた桑原投手。
3人目は筒井投手。6回に1点を失いました。
3人目は筒井投手。6回に1点を失いました。

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]左右:高山  (2-1-0 / 1-1 / 0 / 0)

2]中:柴田   (0-0-0 / 0-2 / 0 / 0)

〃打右:俊介  (1-0-0 / 0-1 / 0 / 0)

3]三:坂    (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

〃打左:一二三 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

4]指:狩野   (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

〃打指:小豆畑 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

5]右二:板山  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

6]捕:鶴岡   (1-0-0 / 0-1 / 0 / 0)

〃走捕:原口  (1-0-0 / 1-1 / 0 / 0)

7]一:西田   (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

〃打:清水   (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

8]二三:森越  (2-1-0 / 0-2 / 1 / 0)

9]遊:植田   (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0)

◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ

青柳 2回 35球 (0-2-2 / 0-0) 141

桑原 2回 32球 (2-2-1 / 0-0) 143

筒井 2回 47球 (4-3-1 / 1-1) 135

トラ 1回 27球 (1-2-2 / 1-1) 140

小嶋 2回 39球 (2-2-2 / 0-0) 136

試合経過

トラヴィスは7回に登板して1安打1失点。
トラヴィスは7回に登板して1安打1失点。
最後は小嶋投手が2イニングを投げ無失点です。
最後は小嶋投手が2イニングを投げ無失点です。

まず先発の青柳は1回、いきなり連続四球を与える立ち上がりでしたが、3番のキム・テギュンは真っすぐで遊ゴロ併殺打、4番は空振り三振に仕留めて事なきを得ます。2回は三者凡退!2四球は与えたものの2イニングで無安打、2奪三振の無失点でした。

ついで桑原が登板し、3回は簡単に2死を取りながら1番に四球、2番にはショートの後ろ、レフト前に落ちるヒットを許しますが、キム・テギュンから3球で空振り三振を奪い無失点。4回は1死後にショート内野安打、しかし鶴岡が盗塁を阻止して2死となり、最後は空振り三振。

こちらの打線も似たような展開で、1回は高山と柴田が揃ってストレートの四球を選びましたが坂は一邪飛、狩野は初球を打って三ゴロ併殺打。2回は三者凡退です。3回は先頭の森越が中前打!植田はバント失敗の三振、高山は見逃し三振で2死となったあと、柴田への初球で森越が盗塁成功したものの、やはり得点にはつながりませんでした。4回は1死から板山が右前打、ここで投手交代。鶴岡は四球(代走・原口)を選ぶも西田の二ゴロ併殺打で無得点です。

5回は筒井が登板して簡単に2死を取ったあと9番に中前打、続いて四球で一、二塁。2番に2-2からボール、ここで原口が三盗を阻止!と、記者陣はみんな思っていたんですけど…次の回にハンファの攻撃が、この打者でなく3番から始まったため、2番打者は見逃し三振だったのだと、最後のはボールでなくストライクだったのだと知りました。いや~ボールだったと思いますねえ。だから原口も三塁へ投げたのでしょう。

高山選手の2打席目。打った!その次が、タイトルの写真です。
高山選手の2打席目。打った!その次が、タイトルの写真です。
ピッチャーの足元を抜けていき、これをショートが捕ったものの
ピッチャーの足元を抜けていき、これをショートが捕ったものの
一塁へ悪送球して、森越選手が生還!高山選手も二塁へ。
一塁へ悪送球して、森越選手が生還!高山選手も二塁へ。
森越選手(中)が2度、三邪飛を好捕!2つ目はファインプレーやなと筒井コーチ(右)
森越選手(中)が2度、三邪飛を好捕!2つ目はファインプレーやなと筒井コーチ(右)
9回2死一、二塁で空振り三振を喫し、悔しがる植田選手。
9回2死一、二塁で空振り三振を喫し、悔しがる植田選手。

いずれにしても0点に抑えた直後の5回裏、先頭の森越がストレートの四球を選んで、続く植田は左打席へ!結果はフルカウンまで一度も振らず、結果投ゴロで1死二塁。続く高山は2球目を打って、打球はピッチャーの足元を抜けます。拾ったショートが一塁へ悪送球。これを見て森越はホームイン!高山も二塁へ。記録はエラーランプのみ。ただし試合後にあちこち聞き込んだところ『ピッチャー内野安打とショートのエラー』のようです。高山は初安打、ただし生還はエラーによるもので打点はありません。

さらに暴投で三塁へ進んだ高山。代打・俊介は四球で続く代打・一二三への2球目に俊介が二盗をしかけるもアウト。その間に高山が還って2点目が入ります!俊介が阻止されたためホームスチールとはならず、いわゆる「送球間の進塁」ってことみたいですね。結局、一二三はフルカウントの末に見逃し三振で攻撃終了。

2対0と先制した阪神ですが、6回に筒井は2死を取ってから3連打で1点返されました。7回はトラヴィス。連続四球や盗塁などで1死一、二塁として3番に中前タイムリー。後続は断って1点止まりです。ついで小嶋が登板。8回はヒットと四球などで1死一、二塁として、ここで森越が三邪飛をナイスキャッチ!次は遊ゴロで無失点。9回も、先頭に右前打され犠打や四球、原口の捕逸などもあり2死一、三塁のピンチでまたまた森越のファインプレー!やはりファウルフライを、今度は三塁側の投球練習場に踏み込んでキャッチしました。

一方、後半の阪神打線は6回が板山と原口が連続三振を喫するなど三者凡退。7回は2死から植田が、ショートへの内野安打!左打席2度目でヒットです。しかし高山は初球を打って中飛。8回は三者凡退。そして9回、1死から原口が四球を選び、投手交代。代打・清水は空振り三振でしたが、森越はストレートの四球で2死一、二塁。ここも左打席に入った植田はフルカウントの末、6球目でフォークを空振り三振…。ネクストの高山には回らず試合終了です。

監督監督 試合後の談話

試合後の話は、まず掛布監督からご紹介します。高山選手の初実戦について「タイミングはまだだね。でも雰囲気はあるよね、打席内での。立ち遅れというか、始動が遅いところはあったけど」と言い、結果的には内野安打となったものの試合中はエラーのランプが点いた当たりに「あれはヒットやな(笑)。まあもっと、きれいなヒット打てると思うよ」とのこと。そして「あすも1番。あすはもう少し落ち着いて立てるだろう。野球をやるのは久しぶりだと思うから。体が思い出してくるでしょう。打つに越したことはないけど、最後まで出たことが大きい。数多く打席に立たせるよ、これからも」と話していました。

2対2で迎えた9回裏、2死一、二塁でネクストに高山選手。惜しくも回って来ずです。
2対2で迎えた9回裏、2死一、二塁でネクストに高山選手。惜しくも回って来ずです。

9回裏、回らなかったですね。「2アウト満塁で高山が決めるかなと思ったけどなあ。でも(植田)海にしても、左で1本出たのはでかいしね。板山も対応していた。内容は悪くなかった。いい形で点は入らなかったけど、それなりのゲームになったと思う。バッティングカウントになった時の内容が寂しいんだよな。バッティングチャンスになって狙いにいった時、もっとガツンとね。それはチーム全体に言える。真っすぐをちゃんと、打とうというテーマでやってる。アウトにしても、もうちょっといい内容のものが欲しいってのはある」と試合全体を振り返っています。

青柳投手に話がおよび「フォアボールは出したが、腕を振れてたと思う。左打者から高いボールで三振も取ったし、苦手としていたファーストへの牽制、セカンドの牽制もやりきれたし。ランナーが出た時に、牽制を入れろと言ったんだよ。2つともそれなりに投げてたね」と掛布監督。1軍でも通用しますか?「きょうのボールを見ると、やっぱりいいね。ああいうタイプのピッチャーいないしね。そのために牽制をやらせた。合格だよね」と言ったあと「1番のフォアボール、ストライクだよね」と笑いました。

バットを短~く持って左打席に入った植田選手。
バットを短~く持って左打席に入った植田選手。

なお予告通り、きのうの試合は選手がサインを出して行われたようです。監督は「そうそう。海も自分で(3回)バントをやろうとしたり。柴田がバントしたりしてフォアボールを選んだけど、彼の打つ技術などを考えると、もうちょっと攻撃的でもよかったかな。無難な選択をした(笑)。カウントを作って仕掛けにいっても、おもしろかったかな。でも自分たちでやったことだから、いいんだよ」と笑顔でした。「あいいうとこを見ると、ベンチがやる上でもやりやすくなるよな。今度は我々がやらせてあげればいいんだからね」

最後に、スイッチヒッター挑戦中の植田選手のこと。実は掛布監督が高橋慶彦さんに「スイッチの練習はどんなことをすればいい?」と聞いたら「バットを一握り短く持ち、グリップの太いタイプを使った方がヘッドは出てきやすい」という返事をもらったそうで、それを伝え聞いた植田選手は早速バットを発注したと言います。

「きょうは合っていなかった」と高山

では高山選手のコメントをご紹介しましょう。4か月ぶりの実戦に「グラウンドに立てたことももちろん良かったですし、実際に試合に出て流れも。参加できたので良かったです」と明るい表情でした。5回の当たりはエラーから一点、内野安打となったと聞き「ほんとっすか?」とのこと。掛布監督やお客様のように「あれはヒットだろ~」とは?「思わなかったです!」。これは真顔で答えています。

反応も良くなってきたのでは?「そうですね。まあやっぱり最初の1打席目とか、目と体と頭が…。ちょっと差し込まれるというか、足を上げるタイミングでボールが通過したり。ちょっと合ってないなと思いました。4打席立たせてもらったので、ありがたい一日でした」。あすも?「結果にこだわらないと言っても実際、試合に参加するとなると結果を出したいと思うので、その中で…何というんだろう…難しいですけど…」と言葉に迷ったあと「きょうは合ってなかったですね」とまとめました。

最後、自身の前で終わったことは「あそこで回ってきたらよかったですねえ!」と笑います。試合後も特打、特守、ウエートと多忙な一日。「声をかけていただくのはありがたいです。その毎日がいつか実を結ぶと思います」。嬉しくなるような、ルーキーのコメントでした。

植田が左打席で初ヒット!

そして左打席で初ヒットとなるショート内野安打!
そして左打席で初ヒットとなるショート内野安打!
一塁で平野コーチとグータッチ。
一塁で平野コーチとグータッチ。

植田選手は試合で初めて左打席に立ちました。「まだ変化球についていけていない感じはありますね。でも三遊間に打った(ショート内野安打)ようなのを、これからも打てるようにしたいです」。最後、9回は打ちたかったね。「はい!」。空振りしたときの顔が物語っています。

この日もかなりバットを短く持っていましたねえ!と言ったら「短く持たないと振れないので、気にしてないです」という返事。なお新しく発注したバットは1ヶ月後くらいに届くそうです。また選手がサインを出していたという試合で、3回無死一塁でのバントは「自分でやりました」とのこと。

4回に右前打を放った板山選手は「うーん。何とも言えませんが…。コーチからは1打席目のファウルが、真っすぐを待っていても振りにいけているのがいいから、続けようと言われました。それで仕留めないと」と少し不満が残る様子。6回からはセカンドの守備につき「集中しました!」とのことです。

自信につながる初先発・青柳

最後は先発した青柳投手。「初回は緊張してしまったんですけど、一、二塁からツーシームで打ち取れて、鶴岡さんからも『真ん中でいい』と言ってもらって、あれで楽になりました」。4番はインコースで空振りを取っていて「意識は低めで、高めにいったけど結果が三振でよかった」とニッコリ。ただし「前回同様、きょうもボール、ボールで入って連続フォアボールだったので、2回のピッチングを最初からやれるようにしたい」と課題を挙げています。

帽子を飛ばす力投の青柳投手。ちなみに帽子は、このあと自分でキャッチしました!
帽子を飛ばす力投の青柳投手。ちなみに帽子は、このあと自分でキャッチしました!

相手の3番がロッテにもいたキム・テギュン選手だったと知っていた?他にも代表メンバーがいたけど。「終わってから聞きました。僕がベンチに入った時はもうスタメン発表されていたので」。なるほど。まあ知らなくてよかったかもしれませんね。

お客様も多かったでしょう?「これだけ多いのは初めてですね」。フォアボールの時の溜め息も聞こえた?「いえ、その時は緊張していて」と苦笑いです。2イニングを投げての手応えを問われ「きょうは真っすぐの感じがよかった。振り遅れもあって、前に飛ばされなかったのは自信になりました」と答えています。次も楽しみですね。

なお久保投手コーチは「順調です。第一歩はある程度、無事に進んでいる。もうちょっと長く投げさせたいですね。もちろん先発!ロングイニング!たくさん経験させたいと思います」と、先発で使い続けることを明言しました。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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