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阪神タイガースの新人合同自主トレ打ち上げ いざキャンプへ!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
新人合同自主トレ最終日の30日、揃ってブルペン入りした竹安投手(右)と青柳投手。

きのう30日、ことしの新人合同自主トレが終了。前日の雨でグラウンドは湿っていたため土の部分は使えず、芝生も水気が多かったようですね。それでも午前中は風が弱くて、練習する選手も見ているスタンドのお客様もかなり過ごしやすかったと思います。そして午後は安芸キャンプに向けて荷物出しが行われ、寮生以外の選手やコーチ陣もスーツケースを抱えて訪れました。

トラックに積まれたバットケース。赤い『123』と板山選手の『63』はピカピカ!
トラックに積まれたバットケース。赤い『123』と板山選手の『63』はピカピカ!

トラックに積み込まれる荷物で、背番号が入っているリュックは全員お揃いで新しくなったようです。一二三選手のリュック、バットケースも『123』に変わっていました。あす2月1日にはユニホームの『123』もお披露目ですね。また新人選手たちの荷物は、当たり前ですが全部ピカピカ!すぐわかります。最近は新人選手による荷物出しと積み込みのお手伝いがないので少し寂しい、と思うのは私だけでしょうか。

そうそう、思いのほか軽装でやってきたペレス選手は「嬉しい。またやろうという気持ちになった。キャンプでは、シーズンに向けて100%の体を作りたい」と抱負を語りました。外国人選手が6人で争う“1軍出場枠”にも「みんなより(自主トレを)やってきたという自信があるので、それを継続したい」と気合い十分です。ことしは奥さんも来日するらしく、去年よりパワーアップ?と聞かれて「そうですね!」と笑顔いっぱい。

最終クールは外に出られなかった望月投手も、安芸で巻き返しです!(写真は22日)
最終クールは外に出られなかった望月投手も、安芸で巻き返しです!(写真は22日)

さて、きのうは最終日ということもあり、荷物出しの前に新人4選手が取材に応じてくれました。ただし風邪のため27日から静養と別メニューだった、ドラフト4位・望月惇志投手は取材なしです。でも室内ではしっかりトレーニングできており、ちょうど荷物を持って出てきたところで会ったら「もう大丈夫です!」と元気いっぱいでした。ご安心ください。

筋肉もバットも準備OK

高山俊選手は最終日のメニューを終え「やりたいことをやれたし、やらなきゃいけないこともできた」と振り返りました。昨年10月に骨折、手術をした右手も順調に回復。この日も室内でストレートマシンでの打撃練習をしています。「きょうまで3日間、真っすぐを打ちました。2分×5セットです」。掛布ファーム監督によれば「今はいい感じで打っていますよ。第1クールの3日目が終わってからシートや実戦の判断をする。それまでは屋外で打たない」そうです。

何種類か試しているバットは、もう固まりつつあるのでしょうか?「外でバッティングをしていないですし、まだ断言はできませんが、ある程度はって感じです。考え中です。理想は色々ありますけど、一番は持った感じです。表しづらいんですが」。キャンプには?「種類は減らして持っていこうと。2、3タイプくらいですね」。キャンプのテーマを聞かれると「一番はケガをしないことです。いままでケガせずにきたからわからなかったけど、今回怖さがわかったので」とのこと。

安芸キャンプでいつから屋外フリー打撃ができるか、楽しみな高山選手。
安芸キャンプでいつから屋外フリー打撃ができるか、楽しみな高山選手。

体重は?「ウエートもやり始めて、ずっと88キロと変わらないです。大学の時より増えていますが、重くは感じていません」。落とさない工夫をしている?「ここへ来てからプロテインとか飲み始めました。ウエートをやって、より筋肉をつけることを考えて。いままでウエートトレをしていなかったし、プロテインも飲んでいなかったので」。では大学時より増えた分はきっと筋肉ですね。

前回、持っていくものを質問された時は「万全にした自分」と答えた高山選手。今回は「特に考えてはいません。野球をやるために野球道具は考えますけど」と、やっぱりクールな返事でした。キャンプでのリラックス方法は?「空いた時間にストレッチします」。なるほど。

初ブルペンで手応えあり

自主トレ最終日に初ピッチングを行った竹安大知投手。「きょうの朝、言われました。順調に来たらキャンプの前にという話もあって、順調だったので入れたという感じですね。周りの目もある中で、しっかり自分のフォームで力を感じながら投げられたのでよかった。30球くらいです。ちょっと強めに20球」。傾斜を使って投げたのは昨年の12月上旬以来で「思っていた以上にいい状態で投げられたと思います。傾斜の感覚とプレートの感じも悪くなかった」と話しています。

実は前日が雨だったためキャッチボールをブルペンで行いました。ただ「立ち投げというわけではなく、マウンドの感覚も特には…。いつも通り50メートルを投げているキャッチボールの感じで力を入れて投げた」と、単に場所がブルペンだっただけと言っていたのです。とはいえ受けた藤井彰人さんは「いい球を放るね。回転もいい右の本格派。故障明けやから、また上がってくるんちゃう?雰囲気あるよ。二神に似てるかな」との感想でした。

なので“初ブルペン”ではなかったわけですが「きのうは気持ち的にもキャッチボールで、きょうは投げるぞって思って入ったから全然違いました」とのこと。前日の様子を見てGOサインが出たのかどうかはわかりませんが、竹安投手いわく「キャッチボールでも結構力を入れて投げられていたし、もう入っても大丈夫だろうとのことで」というので、もしかしたら雨が奏功した可能性も?

青柳投手と一緒にランニングをしていた竹安投手。いい笑顔ですね。
青柳投手と一緒にランニングをしていた竹安投手。いい笑顔ですね。

竹安投手はおととし年末に右ヒジを手術し、昨秋に実戦復帰しています。その復帰時と比べて「トミージョン手術のあと肩を故障することが多いと聞きますが、肩やヒジは問題ない。入団前より柔軟性も強くなってきたので、いい状態だと思います」と好感触のよう。また手術のあと球速がアップする場合もあるそうですね。「手術前、この力ならこれくらいのスピードというのはあったんですが、今まで以上に出たことがありました。また(入寮して)トレーナーさんに体の使い方を教えてもらって下半身が使えているので、もっと出るのかなと。出てほしいなという感じです」

最後に自主トレを振り返り「最初はこういう環境で練習したことがなかった緊張感からか、いつもと違う疲れ方をしたりしたけど、キャンプに向けて体を作れました。ウエートも、他の人とは追い込み方が違いますが次の日にしっかり筋肉痛がきたので。いい合同自主トレだったと思います。体重は入寮から1キロ増えました」。食事で?それとも筋肉?「半々くらい…。栄養士の方にスポーツに関する栄養学も教えてもらったので。あとはサプリメントも」

まずブルペンで投げた最初の一歩に続いては?「次の一歩としては、キャッチャーに座ってもらって投げる、強度を上げていって全力投球をする、バッターに投げられるところまでいきたい。また全力でやれない練習があるかもしれないので、その時間はしっかり1人で体を作って準備して、行くぞという時いけるようにしておきます」。これがキャンプに向けての意気込みでした。

キャンプは野球一色で

既に何度かブルペンに入っている青柳晃洋投手は、最終日も藤井さん相手に投げて自主トレを締めくくり。「きょうは45球で、その前に立ち投げが20球くらい。今までで一番多いですね。前が立ち投げも入れて40球くらいだったので」。背番号50の前任者ですね。「そうですね。藤井さんには初めて受けてもらいました。最初は緊張したけど、3~4球投げたら緊張はなくなった。もちろん上手なので、自分のボールの軌道が見やすかったです」

なお、藤井さんが「もっとシュートするかと持っていたら意外と素直で、クロスに来ていたし良かったと思いますよ」と話していたことを聞き「横からや下から投げるとシュート気味になるようですが、自分の真っすぐはパーンと伸びるボールを意識しています。逆にシュートするのは良くない時だと思う。藤井さんが見て、そう言ってもらえてよかったです」とニッコリ。

グラウンドでのランニングを終えた青柳投手。竹安投手との会話で大笑いしたところ。
グラウンドでのランニングを終えた青柳投手。竹安投手との会話で大笑いしたところ。

合同自主トレが終わり「大学や高校と違い、常に周りの人の目がある中での練習で、緊張感がありました。まだ完璧ではなかったのでキャンプ前半で仕上げられたらいいなと思います。変化球を少し前から投げ始めたばかりで、フォームがまだ安定していないし、いい時と悪い時がある。いい時を多くしたい」と青柳投手。変化球に関しては前日にも聞いていて「自分の中では真っすぐがしっかり投げられてから変化球と思っていて、この前あたりからいけるかなと思って投げ始めた」そうです。

「自主トレ中に万全なところまでと考えていたから、イメージより少し遅いくらいですね」。では自分でOKという真っすぐの基準は?「球数というよりはボールの質。手元で伸びるか、回転が悪くて落ちるか。伸びるボールが8~9割くらい投げられたら感覚がよくなったという感じです」。変化球は今、スライダーとツーシームだけを投げていて「カーブとチェンジアップはまだです。遅いボールは腕の振りが緩くなるので、とりあえず自分は速いボールから入るようにしています」とのことでした。

安芸に持っていく物は?「初キャンプなので何が必要かわかりませんけど、今回は野球のものだけでまとめてみました」。まとめたのね?「はい(笑)」。所蔵のマンガは置いていくそうで「本を持っていこうかと。野村さん、金本さん、掛布さんの本があって、まだ読み切れていないので読もうと思います。またキャンプでは動画も撮ってもらえるので、それを見たり。空いている時間も野球につながることをしたいです」。野球一色?「そうですね。キャンプは」

安芸は初めて?「はい。四国も初めて…あ、徳島には行ったので、高知が初です。食べ物がおいしいみたいで。食事も楽しみです」。2月11日の練習試合はシート打撃の登板については現時点で何も言われていないという青柳投手。どこに照準を合わせるというのでなく「一日も早く沖縄へ行きたいので、そのためにも自分でしっかり仕上げていきます」と、ここはキリッと締めました。

外野もセカンドもやります!

板山祐太郎選手は「大学でずっとやってきたし、追い込むところは追い込んで、ならすところはならして充実した1か月を過ごせました」と、合同自主トレの感想を述べています。「一番意識したのは体を作ること。体重が伸び悩んだりしたんですけど、今は82~83キロあって人生で一番重いです。バットを振っても力がついたと思うし、外で打つのが楽しみ」。人生で一番重いんですね(笑)。

板山選手は内野用のグラブも持参。がんがんアピールします。
板山選手は内野用のグラブも持参。がんがんアピールします。

新聞等でも“二刀流”と表現されている、セカンドの守備について「自分は基本的には外野がいいですけど、試合に出るには与えられたポジションで、そういう選択肢もあると言われた」ことも踏まえて「グラブも持っていきます。外野の少し小さめの物しかなかったので、キャンプで必要になるからとメーカーさんにお願いして、お店に置いてある(既製品の)グラブを持ってきてもらった」そうです。

もちろん初体験ではなく「大学2年まで内野でセカンドとサードをやっていたし、そこから外野にいったので」と板山選手。もちろん外野で勝負したい思いは大きいでしょうし、主は外野だとしても経験があります。内野でノックを受ける様子は首脳陣も視察済みで、掛布監督も「彼はセカンドもやってたんでしょ?2つくらい守れたらチャンスが増えるから。見てみたいね」と期待の言葉でした。

いよいよキャンプインで板山選手は「準備はしっかりしてきたつもり。一番アピールしなきゃいけないところ。遠慮することなく、どんどんアピールしていきたい」と言い、1軍については「甲子園でプレーしたい気持ちが強いのでアピールしていかないと。そのための準備はできました。がんがんアピールしていきたい」と決意表明。ドラフトの指名順も、キャンプのスタートが安芸でも関係ありませんよね。勝負はここからです。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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