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阪神タイガース契約更改 筋力アップで1年間戦える体を!と松田投手《11/20》 

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
来季は5年目の松田投手。「やれるやれないより、やらなくちゃいけない」

阪神の契約更改交渉は11日が秋季キャンプ宿舎、16日は鳴尾浜の虎風荘、18日は球団事務所で行われました。18日に更改した10人は結果のみ書いておきます。

【小宮山】12年目  1280→1200

【小 嶋】  9年目  900→800

【島 本】  5年目  420→720

【岩 本】  5年目  650→800

【荒 木】  5年目  700→800

【柴 田】  7年目  1000→950

【桑 原】  8年目  1000→900

【岩 崎】  2年目  1500→2000

【江 越】  1年目  1000→1600

【歳 内】  4年目  1100→1600

そして、きのう20日は第4弾として球団事務所で5選手が交渉を行い、全員サインしました。清水選手、鶴投手、梅野選手がダウン、伊藤隼選手、松田投手がアップです。ではそれぞれのコメントをご紹介しましょう。いつものように年数の右側の数字は、今季の年俸→来季の年俸、金額は推定です。

【清水】1軍捕手陣の競争に勝てるように

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9年目 1300→1150

サインは?「しました」。増減は?「減です」。少し?「ことしは試合に出てないですし…」。球団からの話は?「必ずチャンスが来ると思うので。そのチャンスをものにできるように頑張ってくれと言われました」。アピールするところは?「すべてそうですけど、自分はキャッチャーなので、守りのことを一番にしていきたい」

納得いかない1年だった?「打つことにすごい課題が出て…打てなかったのは自覚しています。秋季キャンプからいろいろ課題克服に向けてやってきたので、それを継続して、来年はことしできなかった分、やり返したいと思います」。その来年の目標は?「キャンプが一番。そこに万全の状態でいけるようにやっていきたいです」

オフは?「まず打つことをメインに、体力もつけて。シーズンオフしかできないこともあるし、個人の練習にしっかり時間を取れるので、そのへんをしっかり」。1年通して1軍に?「そうですね。鶴岡さんや梅野がいますけど、競争に勝てるように頑張っていきたいです」。レギュラーを取る気持ちで?「もちろんです!はい!」

【鶴】球児さんに負けない厳しさを持って

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10年目 1600→1400

サインは?「しました。ダウンです。毎年下がっている中で、ことしは特に(1軍で)投げる機会も少なく、それがまず一番のダウンの理由です」。自分で振り返って。「ことしに関してはスピードや球のキレに手応えを感じていますし、来年は何をすべきか明確になっています。それを継続した上ででパワーアップしたい」。すべきことは?「全部といえば全部ですね。いろいろと一から見つめ直したシーズンでもありました。トレーニングとかも含めて、やるべきことは多いと思います」

自主トレを一緒にしている藤川投手の阪神復帰が決まって、嬉しい?「まあそうですね。一緒にまたユニホームを着て同じチームでできるのが、すごく嬉しいです。一緒にやれる喜びと、厳しさもある。アドバイスをもらいながら、まだ成長する部分があると思います。球児さんに負けない厳しさを持って取り組んでいきたい」

オフにやることは?「本当に全部なんですけど、足回りとか、可動域を広げるトレーニングをしていこうと」。やるべきことが明確に見えた1年だったと?「そこは例年にはなかったところです。来年、勝負を賭けるという意味では、やってやろうという気持ちです」

ことしの自主トレで藤川投手から課せられたノルマ(勝ってお立ち台に上がったら歌うという約束のことでしょうか)は達成できませんでしたが…と言われると「それはそれで、よかったなと思います」と笑う鶴投手。でも「球児さんからの気持ちだったし、内心はやりたかった。来年、何らかの形で応えたい」そうです。じゃあノルマを設定していただけるなら大歓迎?との問いに「それはそれで、まあ」と吹き出していました。

【伊藤隼】来年は必ずレギュラーに定着

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4年目 1500→1700

サインは?「しました」。金額は?「アップです。上げ幅は想像にお任せします」。今季を振り返って「出場試合数は多少増えたけど途中でケガもあり、シーズンを通して1軍で戦力になれなかった後悔というか、満足していない部分が大きいですね」。球団からは?「今のような話をしました。凡打の内容や試合中の落ち着きが出てきたと、そういうところも評価してもらったかなと思います」

秋季キャンプは?「例年より短かったんですが、とても充実した期間だった。手応えもあったし、課題も見つかったのでよかったと思います」。課題とは?「バッティング、守備、走塁に関してトータルなレベルアップです」。オフは?「基本的に秋季キャンプ後も休まずにトレーニングは続けていますし、続ける方向です。走ったりウエートトレーニングの量も多くなると思います」

外野はメンバーも入れ替わり、また争いも激しくなりますが「もちろんチャンスはあると思うし、逆にチャンスを失うこともある。他の人との兼ね合いより、まずは自分自身のレベルアップを第一に目指してやっていきたい」と言います。来年に向けては「毎年、毎年同じようなことを言っていますが、来年は監督も変わってチームも変わる。その中で自分自身も大きく変わって来年こそはレギュラー定着を目指して、というよりは必ず定着するんだという強い気持ちを持って頑張っていきたい」とのこと。

ここまでがテレビ用のインタビューで、以降は記者陣による囲み取材のコメントです。

再びアップの額を聞かれ「想像されている範囲です。上がると思っていなかった、正直。試合数は増えましたけど、自分の中ではやったという感じではなくて。現状維持でもサインするつもりだったので、上げていただいたのは意気に感じますね」と伊藤隼選手。レギュラーを取れと?「もちろんチャンスは他の人にもある。その中から出てきてほしいと言ってもらいました」

秋季キャンプでの手応えについて「守備、走塁に関しても、ここまで出来るんだと。今までチャレンジしていなかった。積極的にやることで自分の可能性が広がる。バッティングでも今まで波が大きかったので、それをなくす。よくなっていくための方法を、つかんだとまではいかないけど、つかみつつあるのかなとは思います」

1月の自主トレはやはり沖縄で?「一緒にやっていた方が監督になられて(巨人の高橋由伸監督)、メンバーも少なくなりますが、場所も手伝ってくれる方もあるので例年通りやるつもりです。あの場所に行ったら、由伸さんとどんなふうにやったか思い出されるかなと。追い込める環境があるのはありがたいことです。一緒に練習して、ことし40歳であんなにも練習するのかと、自分があの年になってあれだけ動けるかなと思いました。技術的なことを聞いてもポンポン教えてくださったり、引き出しが多い。尊敬し、目標とする人でもあります」。そんな高橋由伸監督に来年は恩返し?「成長して嫌がられるようになればいいですね」

【梅野】ことしの悔しさを来季のプレーに

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2年目 1800→1500

「サインしました。300万ダウンです」としっかり答えた梅野選手。ことしは初めてファームも経験しました。「落ちた時は悔しかったですが、這い上がるために何をしようかと考えて、今思えばすごくプラスになった。その点で、この1年は勉強になったシーズンです。去年はなかった気持ちを、ことしそういうことを経験したからこそ1軍でプレーする難しさも感じた。また優勝争いの緊張する中でもファームでやったことを思い返し、キャッチャーとして自分なりにできたかなと。優勝争いを経験できることは幸せだなと思いました」。

秋季キャンプは?「充実していたし、本当に厳しい中で明るくというテーマに沿って、厳しかったけど明るく野球ができたし、数も多くやれた。いいキャンプだったと思います。1つのミスに対しての緊張感とや1つのプレーに対する緊張感、これまで味わったことがなかったですね。1球1発の難しさを練習の中で感じられました。リレーとかはきつかった。みんな負けず嫌いってのが出ていて(笑)。でも、すごく楽しくできたと思う」

どういう点を課題に?「もちろんキャッチャーのことです。こういう時期じゃないとできない、ワンバン、スローイングなどを重点的に。バッティング練習では、強い打球、強いスイングを意識してやりました」

キャッチャーは横一線とのこと。スタメンマスクを勝ち取るには?「なるべく試合に出たいという気持ちは去年と変わらずあります。スタメンで開幕からいけるよう、今はトレーニング中心でやっています。キャンプからアピールできるよう気持ちと体を作り上げてスタートしたい」。来年の抱負は?「横一線ということで、自分がやれることをアピール。自分というものを練習から出し、チームの一(いち)キャッチャーとして開幕にマスクをかぶって出られるよう頑張っていきたいです」

続いて囲み取材のコメントをご紹介します。

思ったより下がったのでは?「悔しさはありますが、この悔しさをプレーにぶつけてくれと言われたので、そうします」。ことしは自分でも物足りなかった?「プレーというか、やっぱり試合数が。勝っていても負けていても、途中で行かせてもらうことが去年より少なかった。試合数に関してはすごく悔しかったですね」

“横一線”について「逆に言えばチャンスもあるけど、自分がことしできなかった。矢野コーチも『与えるものではない』と。奪い取れるようにやっていきたいです。バッテリーコーチが変わって、キャッチャーの中での勝負も大事になってくる。勝敗にこだわりを持ってやるつもりです」

和田監督が「ことしは梅野で」と言っていたことで油断したわけでは?「油断はないですが、1つ1つのプレーを一生懸命やって、結果この成績…。自分で受け止めています。この悔しさを来年に向けていきます。ただ、マイナスなことはありません。ファームにいたことも思い返せばプラスなので。そのあと勝てた喜びが忘れられない。去年できなかったことが、ことしできたとプラスにとらえているので、来年頑張ります!」

オフは?「体力作り中心にやろうと思う。ケガしない、さらに力強く、ドンとしておけるような。体でカバーできる部分もあると思うので、トレーニング中心でやっていこうと思っています」。体重もアップ?「今は77キロで」と言ったところで、ある記者が「90キロに?」とすかさず言ったため、梅野選手は「いや…そんなに(笑)」と答え、一同爆笑。改めて「シーズン中に80キロくらいでいけるように。3キロでも大変なことなので。戦っていくためのは必要かなと思います」と続けました。

【松田】1年間フルに戦える体力をつける

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4年目 1040→1200

サインは?「しました」。増減は?「上げてもらいました。一応、30試合投げたと。でも1年間(1軍に)いなかった、とは言われました」。2013年の27試合を超える、自己最多の30試合に登板した今季を振り返って「言われた通り、1軍で1年間やることを目標にして、最後につまずいてしまった。そこで課題が…。でもことしはケガがなかったので。野球を1年間やったのは初めてでした」と答えています。

最後に見つかった課題とは?「1年間やる体力だったり、真っすぐだけ投げてそれを打たれたりとか。真っすぐを投げるならどこへ、というような考える力がなかったと思います」。秋季キャンプでは?「明るく、みんな声を出してやっていて自分もついていきました。香田コーチとファームなどの課題に取り組んで、いいキャンプだった」。オフは?「しっかり走り込んで体を大きくして、真っすぐのスピードやキレをレベルアップしたい。またバッターをよく見て、頭を使って打ち取れるように」。来年の抱負を。「ケガなく1年間、1軍でやれるとようにトレーニングしていきます」

ここからは囲み取材の様子です。

記者陣がテーブルの前に集まっていくと、椅子を片づけて立ち上がった松田投手。どうしたの?「みんな立っているのに自分だけ座っていたら申し訳ない」。あらまあ!そんな気遣いを…。どんな話があった?「試合数は30だったけど、1年間しっかりやってほしいと言われました。前半だけでなく」。1年間やるにはどうすれば?「もう5年目なので、やれるやれないより、やらなくちゃいけない。しっかりやってやろうという気持ちです」

体を大きくしたい?「筋肉を増やせば体重も増えると思うので、そういうトレーニングを。秋季キャンプでもトレーニングジムの講習会があって、教えてもらったので継続していきたい」。今の体重は?「93か94キロ」。ここで梅野選手の時と同じ記者が「100キロ?」とまた絶妙の間で聞き、松田投手は「いや~100までは…」と苦笑い。「しっかり締めて筋肉で2、3キロ増やす」という目標だそうです。

筋肉をつければ球速もアップ?「この4年間、真っすぐはそんなに変わりがない。何を変えるかと考えて、まずは体を変えていきたいなと思いました。秋季キャンプの講習会で話を聞いて」。じゃあ筋トレをみっちり?「オフしかみっちりできる時間がないので」。食事も?「筋トレだけではあまり増えないから、食事面でも取り組んでいきたい」。好き嫌いは?と聞かれ「ないです」と答えたので、小さな声で「あるよ~嫌いなもの」とつぶやくと、こっちを見ながら「ないです!」と断言しました(笑)

「真っすぐが急に速くなることはないし、毎年打たれるようになっているので何かを変えようと思ったんです」。変化球は?「変化球も大事で全体的にレベルアップも必要だけど、ピッチングの基本は真っすぐだから」。最速は何キロ?「152です。152キロでも十分なんですけど、その中でも質とかが大事だと思うので」。空振りを取れる真っすぐ?「はい!」。力強い返事です。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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