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フェニックス・リーグ参加メンバー発表  実りの秋に向けて出発!《10/4 阪神ファーム》 

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
フェニックス・リーグ開催球場の1つ、KIRISHIMAサンマリンスタジアム。

3日に行われた『ファーム日本選手権』でウエスタン・リーグ4連覇のソフトバンクが、6年ぶりにイースタン・リーグを制した巨人を下し、2年ぶり3度目のファーム日本一に輝きました。スコアは2対0、ソフトバンクの岩嵜投手と東浜投手が完封リレーです。打ちまくるイメージの強い小鷹でしたが、ことしは厚い厚い投手陣の層も見せつけられた気がしますね。

写真は昨年のものですが、ことしも宮崎県4市の球場で熱戦が繰り広げられます。
写真は昨年のものですが、ことしも宮崎県4市の球場で熱戦が繰り広げられます。

ファーム日本選手権は、KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎で3年連続の開催。その宮崎で、あす5日から秋季教育リーグ『みやざきフェニックス・リーグ2015』が始まります。参加するのはNPB12球団(イースタン7、ウエスタン5)、韓国プロ野球3球団(斗山ベアーズ、ハンファイーグルス、LGツインズ)、四国アイランドリーグplusの計16チーム。10月5日から26日までの22日間で計144試合が予定されています。試合開始は一部を除いて12時半ですが、すべて入場無料なので練習時間も見学可能です。ぜひ、朝からガッツリとご覧になってください。

参加メンバー発表、ただし変更あり

阪神タイガースの面々も、きょう宮崎入りして開幕に備えています。きょうの午後、球団から発表されたフェニックス・リーグ参加メンバー22人はこちら。

【投手】榎田、横山、筒井、秋山、藤原、守屋、松田、二神、田面、トラヴィス

【捕手】清水、小豆畑

【内野手】北條、上本、西田、森越、陽川、荒木

【外野手】横田、中谷、田上、緒方

「なお、フェニックスリーグ中にメンバーが変更される場合もあります」という注釈がついていましたが、この他に数日遅れで行くメンバーもいるので、確実に変更ありでしょう。また1軍の選手が参加するかどうかでも変わってきますし、昨年のように後半だけという選手がいるかもしれません。とりあえず上記の22人のうち、野手陣はきょう宮崎へ移動しました。ピッチャーは流動的ですね。名前があってもまだ行っていない人とか、名前はないけど近いうちに行く人とか…。宮崎まで出かけようとされている方に確実な情報をお伝えできなくて申し訳ないです。

「結果を残すしか道はない」

2年ぶりのフェニックス。1年目のように結果を残して来年へ、と意気込む緒方選手。
2年ぶりのフェニックス。1年目のように結果を残して来年へ、と意気込む緒方選手。

話を聞けた選手は限られていますが、その意気込みなどをご紹介しましょう。緒方選手はまず「試合にたくさん出たいです」という言葉。ファームにも外野手が多く、ことしは投手の左右で交代することも結構ありましたからね。「左ピッチャーの時、打席に立ちたい」と言っています。「1年目のフェニックスでは、結果を残してアピールして秋季キャンプでもアピールして、来年1軍キャンプ!という目標をしっかり持ってやった」結果、翌年の2月には沖縄キャンプ参加。

昨年は9月16日に右ひざを手術したので、ことしは2年ぶりのフェニックスです。秋季キャンプ、さらには来年のキャンプでアピールするため「まず、とにかく結果を残したい」と力を込めました。そして「もう、ここで取り組む課題とか言える立場じゃない。とにかく結果を残すしか道はないんです。1年目のようにしっかりと」と緒方選手。数か月後には始まる4年目のシーズンへ、もう照準を合わせています。

蚊もボールもつかまえて!?

いつもは打撃のことを言わない小豆畑選手ですが、フェニックスは2割5分打つと。
いつもは打撃のことを言わない小豆畑選手ですが、フェニックスは2割5分打つと。

小豆畑選手は「フェニックスも公式戦も紅白戦も、すべて同じスタンスです。いつもピッチャーのために」と素晴らしいセリフ。そのあと「僕は常に、これが最後の試合というつもりでやっています。悲壮感漂う顔でそう話した…と書いておいてください」と。あ、書いておいてくださいってのは書かなくてよかったんですかね。ごめんなさい。

この時期は夕方になると、寮やウエートルームへの通路で蚊が増えるため、選手は腕や足を掻きながらの立ち話です。ちょうど足に寄ってきた蚊を見事な一撃で退治した小豆畑選手は「蚊はつかまえられるのに、なんでボールは捉えられないんだろう」とポツリ。これ、なかなかの名言でしたねえ。最後に「フェニックス、2割5分打ちます!」と珍しく打撃についての目標を掲げています。

「1打席、1打席」と陽川、北條

陽川選手は、打ち損じを減らすことも課題の1つに挙げます。
陽川選手は、打ち損じを減らすことも課題の1つに挙げます。
1打席、1打席の内容にこだわっていきたいと北條選手。
1打席、1打席の内容にこだわっていきたいと北條選手。

2年目の陽川選手は「フェニックス、キャンプと続くけど、まずフェニックスでしっかり1打席、1打席集中して、凡打でも内容よく、と思っています。1打席、1打席を大事にしていきたい。課題は見つけながらやっていきますが、今のところは打ち損じが多いこと、真っすぐに対してファウルが多いこと。フェニックスで取り組んでいきたいです」との抱負。掛布DCから強化指定を受けており「ありがたいこと。しっかり聞いてやっていきたい」と話しています。

また「追い込まれてから外角を引っかけずにライトへ打つ。それが課題のひとつ」と2日の練習試合後に言っていた北條選手も、陽川選手と同じく「1打席、1打席で内容があるようにしたい」というコメントでした。

やってきたことを固める時期に

4年目を終える西田選手はバッティングについて「来年2月1日まで、スイングはこうやっていこうとかいうのは、ずっと続けていきたい。それを無意識にできるように、試合でもっと強い打球をどんどん打っていかないといけないので。ころころ変えんと、やってきたことをしっかり固めたいですね。変えるんじゃなく付け加えるのはいいと思うけど」と、今シーズン継続してきたことを結実させる意向。

「守備はいろんなとこをやって、言われた場所をしっかりと守る。空いている時間を見つけてサードやショートで球を受けたりもしたいと思います。走塁は、相手のミスとかワンバウンドスタートとか、できることを積極的にやる。フェニックスだから、失敗しても怒られてもいいので。ただし暴走や凡ヘッドは避けたいですね」

西田選手はバッティング中心ながら「守備も走塁も時間を見つけて」と話していました。
西田選手はバッティング中心ながら「守備も走塁も時間を見つけて」と話していました。

そう言って再度「バッティング中心になると思います」と言っていました。話を聞いたのは2日のオリックスとの練習試合後で、バットを2本持っていたんです。1本は少し見慣れない配色というか…ヘッド側半分は木の色で、グリップ側半分が黒いもの。この反対はよくありますよね。西田選手によれば「上が白いとヘッドが走るような気がするので、色だけ変えたんです。このバットを使っている人、中日の野本選手とかが打つ時は守ってて嫌な感じしますもん」とのこと。

そしてもう1本は、この日の練習試合に出場していたオリックス・駿太選手のバット。「駿太さんにもらったんですよ。どんなん使っているか興味あるじゃないですか。それで」とニコニコ。これには理由があって「駿太さんみたいな打球を打ちたいなー。コースなりに、逆らわずパチッ!と打ちたい。ライナーで強い打球を」というわけでした。でも、どうやってもらったの?「え、バットくださいって言いました」…なんとまあ、見事な直球だわ。もともと話せる間柄だからこそですね。駿太選手バット、宮崎にも持っていったのでしょう。

初フェニックスの2人は…

昨年参加できなかった悔しさをバットにぶつけてほしい横田選手。
昨年参加できなかった悔しさをバットにぶつけてほしい横田選手。

昨年は9月末に腰痛を発症し、途中からのフェニックス・リーグ参戦を目指して頑張った横田選手ですが、残念ながら宮崎へは行けず。ことしが初めてとなります。どう過ごすか尋ねると「打率は3割、ホームランも打って盗塁もする!とにかく数字を残したい。結果を出すこと」と力強い返事です。もう2年目が終わるのか~、早いねえと言ったら「まだ終わりませんよ。これからですよ!」と素早く訂正されました。そう、実りの秋はこれからですね。

初フェニックスの植田選手は「守備の形をよくすること」がテーマです。
初フェニックスの植田選手は「守備の形をよくすること」がテーマです。

植田選手も、もちろん初のフェニックス。名前はありませんが、数日遅れで宮崎へ行くと思われます。「やっぱりバッティングより守備。エラーをしないということではなく、守備の形を良くすることに取り組みたいですね」という意気込み。楽しみかと聞いたら「楽しみです!」とすぐに答えが返ってきました。守備や走塁でも非凡なところを見せたルーキーが迎える、初めての秋に注目しましょう。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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