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陽川のHRなどでカープに連勝!昨年より5試合早い50勝到達《8/29 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
ファームの試合でもカープレッドに彩られる、阪神鳴尾浜球場の一塁側スタンド。

きのう29日の阪神鳴尾浜球場は、試合開始前から入場が制限されるほどの賑わいでした。甲子園のナイター・ヤクルト戦の前に小虎の様子をチェック!という方も多かったんでしょう。夏休みももう終わりだし、甲子園では縁日も行われているし、朝から夜までご家族でタイガース三昧だったかもしれません。帰りに甲子園の縁日を覗いてみたら、試合が始まる直前まで、いや始まってからも長い長い列でした。きょうの最終日も、雨が上がって本当によかったですね。

さて、きょう30日は姫路でのウエスタン・広島戦だった阪神ファーム。その模様はこの次の記事でご紹介しますが、その前に遅ればせながら29日の試合結果をご覧ください。松田投手が先発登板して3イニングを1安打無失点の好投!1対1と追いつかれた直後の5回に、陽川選手のソロホームランや代打・原口選手のタイムリーなどで3点取って、終盤にジワジワと追い上げられながら1点差で逃げ切りました。

なお28日の試合で外野フェンスにぶつかった横田選手については、山下トレーナーから「背中にちょっとした痛みがあるようですが、室内で動いてみたら動けています。でも、ぶつかりのスピードがスピードだったので様子をみて、姫路も行かずに残留」と説明がありました。心配した首も問題はなく、あとは顔の擦り傷ぐらいで、その顔の腫れも一晩でひいたと山下トレーナーも驚きの表情。1日にはもう合流する模様です。若き鉄人?

《ウエスタン公式戦》8月29日

阪神-広島 26回戦 (鳴尾浜)

広島 000 011 010 = 3

阪神 100 030 00X = 4 

◆バッテリー

【阪神】松田-歳内-○岩本(4勝2敗)-加藤-田面-藤原-桑原-S榎田(1敗1S) / 小豆畑

【広島】●久里(2勝5敗)(5回)-辻(2回)-池ノ内(1回) / 白濱-中村亘(7回裏)-倉(8回裏)

◆本塁打 陽川2号ソロ(久里)、シアーホルツ3号ソロ(岩本)

◆二塁打 柴田

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中:柴田  (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .367

2]遊:北條  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .252

3]指:関本  (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .375

〃打指:原口 (2-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .223

4]左:ペレス (4-0-0 / 3-0 / 0 / 0) .325

〃左:田上  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .267

5]右:中谷  (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .300

6]二:森越  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 1) .295

7]三:陽川  (3-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .211

8]一:西田  (3-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .222

9]捕:小豆畑 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .214

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

松田  3回 42球 (1-3-0 / 0-0 / 3.38) 149

歳内  1回 13球 (0-0-1 / 0-0 / 7.97) 142

岩本 1.2回 46球 (6-2-1 / 2-2 / 3.89) 144

加藤 0.1回 8球 (0-0-0 / 0-0 / 1.20) 136

田面  1回 14球 (1-1-0 / 0-0 / 2.70) 144

藤原 0.0回 5球 (0-0-2 / 1-1 / 4.26) 144

桑原  1回 15球 (0-0-1 / 0-0 / 2.74) 142

榎田  1回 19球 (0-0-1 / 0-0 / 2.20) 145

<試合経過>

前日同様、1回に先取点を挙げた阪神。1死から北條がショート安部のエラー、関本の左前打で一、二塁。ペレスが三振して2死となったあとに中谷の左前タイムリーでした。

先発の松田は1回、2回を三者凡退!3回は2死から9番・庄司の中前打を許しますが堂林は三ゴロ。予定の3イニングで42球を投げ、無失点で終えました。4回は歳内が、四球の天谷を自身の牽制で刺すなど3人で片付けています。

ついで岩本が登板。5回はシアーホルツ、下水流、岩本に3連続で右前打を浴び、いきなり無死満塁。白濱は三ゴロで本塁封殺、しかし庄司の右前タイムリーで1点。なおも1死満塁のピンチはしのぎ、逆転は許しません。

すると5回裏、先頭の陽川がレフトへ勝ち越しの2号ソロ!西田は中前打、小豆畑が送って、さらに暴投で三塁へ進んだ西田は2死後、代打・原口の左前タイムリーで生還!2死一、三塁となって、また九里の暴投。北條も還り、この回3点を追加。

6回も続投した岩本は、2死を取ってからシアーホルツにレフトへホームランを許します。続く下水流はショート内野安打、岩本には四球を与え、ここで岩本が降板。代わった加藤は2死一、二塁の場面で代打の代打・美間を二飛に打ち取っています。

見事なスライディングキャッチでピンチを救い、柴田選手(右)と戻ってくる中谷選手。
見事なスライディングキャッチでピンチを救い、柴田選手(右)と戻ってくる中谷選手。
皆が拍手で迎えるベンチが近づくにつれ、笑顔がドヤ顔に変わってきましたよ。
皆が拍手で迎えるベンチが近づくにつれ、笑顔がドヤ顔に変わってきましたよ。
試合後、全員整列して陽川選手の「ありがとうございました!」で客席に一礼。
試合後、全員整列して陽川選手の「ありがとうございました!」で客席に一礼。

7回は庄司をセカンド森越のエラーで出し、加藤は交代。ついで田面が堂林を遊ゴロ併殺打で2死。安部には右前打されるも、天谷から空振り三振を奪って無失点でした!ナイスピッチングです。しかし8回の藤原はロサリオにストレートの四球、シアーホルツには死球と、わずか5球…しかもストライクなしで降板となりました。

代わった桑原は1死を取ったあと岩本に四球を与え満塁。続く代打・中東を遊ゴロ(三塁封殺)に仕留めますが、1点を失って4対3。なおも2死一、二塁で庄司がライトへ打ち上げ、これを中谷がスライディングしてスーパーキャッチ!ピンチを救いました。試合後に中村外野守備走塁コーチは「ナイスプレーですよ!素晴らしい!いい選手に恵まれました」と大絶賛。

打線は7回に柴田の二塁打と辻の暴投で2死三塁としますが、ここは追加点なし。6回と8回は三者凡退でした。9回は榎田が登板して、先頭の堂林に四球を与え犠打で二塁へ進めるも、天谷は遊ゴロで三塁タッチアウト。ロサリオは鋭い打球を三塁線へ飛ばしたものの陽川がキャッチ!試合終了です。

「逃げるより打たれて勉強」と松田

「きょうは先発をさせてもらったんで、バッターとの駆け引きというか、こう投げて、こう打ち取ろうってことを考えて投げました」と松田投手。最速は149キロをマークしましたが「スピードが出たというよりは、自分の中で感覚的よかったので、そういうのをなるべく多く投げられたらいいなと思う」と話しています。

松田投手は5月17日以来の先発で、ちょっと嬉しそうにも見えました。緊張したかな?
松田投手は5月17日以来の先発で、ちょっと嬉しそうにも見えました。緊張したかな?

1軍クラスのバッターも多かったですね。「外国人選手と対戦すると1発があるので、ストライクを振らせるという狙いでいって、狙い通り反応してくれたと思います」。何か変えたことは?「気持ちが変わったかも。逃げるより打たれて勉強することがあるので、思いきりゾーンに投げてバッターの反応を見たりできました」

今後への課題も自ら挙げています。「変化球自体がきょうはよかったけど、1試合だけではダメ。次も変化球でストライクを振らせたりできればいいですね。セットになったのは1回だけですが、セットになって球が抜けたりしたので、まだまだ練習していかないと。それに、よかったのは2試合ですし」と言ったところで、ニヤニヤしたと思ったら「小豆畑さんのリードもよかったです!」と。ちょうど歩いてくる小豆畑選手が見えたようです。

陽川は2ヶ月ぶりのホームラン

6月27日のオリックス戦(舞洲)以来となる、今季第2号を打った陽川選手は「ツーシームかチェンジアップか、甘くきた球。完璧でした!」という第一声。初球からいきましたね。「今までずっと結果が出ていなかったので、この試合は割り切って初球からいこうと決めていました。それがいい形になって出てよかったです。とにかく自分のスイングをしようとだけ考えて」

おそらく最後の高守備について藤本コーチに何か言われ、笑いを隠す陽川選手(右)。
おそらく最後の高守備について藤本コーチに何か言われ、笑いを隠す陽川選手(右)。

それと9回表2死一塁で、ロサリオ選手が放った三塁線への強烈な打球をガッチリ捕って二塁へ送球、ゲームセットとなった場面。藤本内野守備走塁コーチが「よかったですよ。久々に“芯”で捕ったんじゃないですかね(笑)、パチーンと」と嬉しそうでした。リードは1点ですから、三塁線を抜かれていたら大変なところ。陽川選手は「打球、速かったっすねえ!でもベンチの指示通り(ベースの方に)寄っていたんで」と笑っていました。上の写真、藤本コーチに何を言われたのか気になりますねえ。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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