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タイガース・安芸キャンプ練習試合《2/18》西武・高橋光成の152キロに衝撃!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
1回表、西武のルーキー高橋光成投手に空振り三振を喫した先頭打者・横田選手。

きのう18日、阪神タイガースの安芸キャンプ組は、高知県立春野総合運動公園野球場で西武B班との練習試合に臨みました。西武のドラフト1位・高橋光成(こうな)投手が先発を“予告”されていたので、平日の割にはお客様が多かったですね。昨年2月11日に春野球場で行われた練習試合は祝日で、やはりドラフト1位ルーキー・森友哉選手を見ようと朝から大変な賑わいだったことを思い出しました。その森選手はことしA班なんですね。

西武のドラフト1位・高橋光成投手が実戦デビュー。今月18歳になったばかりです。
西武のドラフト1位・高橋光成投手が実戦デビュー。今月18歳になったばかりです。

11日も安芸で対戦した西武ですが、その時は13対0の大勝。今回は一転、1対0の試合になりました。西武投手陣は全部で9与四死球とあって、阪神の1点も押し出しの四球です。四球は俊介選手が2、西田選手が3(1つは死球)、坂選手2、田上選手2で5番から7番の3人で7つ!ヒットは西武の9本に対して阪神は5本だけなんですけどね。藤井選手も15日のJR四国戦に続いて1安打しました。21日のスタメンマスクに向けて準備万端と言えるでしょう。

《練習試合》

西武-阪神 (春野)

阪神 000 001 000 = 1

西武 000 000 000 = 0

◆バッテリー

【阪神】松田-玉置‐田面‐藤原 / 小豆畑-岡崎(7回~)

【西武】高橋光成(1回)-佐野(1回)-田中(2回)-佐藤(3回)-松下(1回)-大石(1回) / 星-中田(5回~)

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]中:横田  ( 5-0-0 / 2-0 / 0 / 0 )

2]左:俊介  ( 3-1-0 / 0-2 / 0 / 0 )

3]三:関本  ( 2-2-0 / 0-0 / 0 / 0 )

〃打遊:植田 ( 3-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )

4]指:狩野  ( 2-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )

〃打指:藤井 ( 3-1-0 / 1-0 / 0 / 0 )

5]二:西田  ( 1-0-0 / 0-3 / 0 / 0 )

6]遊三:坂  ( 2-0-0 / 0-2 / 0 / 0 )

7]右:田上  ( 2-0-1 / 0-2 / 0 / 0 )

8]一:一二三 ( 4-0-0 / 2-0 / 0 / 0 )

9]捕:小豆畑 ( 3-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

〃捕:岡崎  ( 1-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )

◆投手(安-振-球/暴投-失策/失点)

松田 2回 37球( 2-1-1 / 0-0 / 0 )

玉置 2回 36球( 2-3-1 / 1-0 / 0 )

田面 3回 48球( 5-3-0 / 0-0 / 0 )

藤原 2回 22球( 0-2-0 / 0-0 / 0 )

1点のリードを守り切って4連勝

西田選手vs高橋光成投手はセンターフライでした。
西田選手vs高橋光成投手はセンターフライでした。

1回、高橋光成に対して横田は空振り2つでカウント2-2となり、最後は147キロを振って三振。5球とも真っすぐです。続く俊介への3球目(ファウル)で152キロを計測!打球の速さかと思ったけれど、どうやら球速で間違いないとのこと。俊介は四球、関本は0-2からの3球目をピッチャー返し!セカンドベースを掠める中前打を放ち1死一、二塁としますが、狩野は左飛、西田はファウル5球のあとの中飛で無得点でした。

そんなドラ1ルーキーに触発されたかどうか、ちょっとボールは多かったものの真っすぐをバシッと投げ込む松田。時おり後ろをチラチラ振り返っていたのは、もしかして球速のチェックかしら?(笑)。1回に渡辺直の右前打、2回は星の左安打を許しましたが無失点。最速は148キロです。

「ことし初マスクですよ~」と岡崎選手。サードやセカンド、お疲れ様でした!
「ことし初マスクですよ~」と岡崎選手。サードやセカンド、お疲れ様でした!

打線は2回以降、小刻みに代わる西武投手陣の前に、2回は坂の四球、3回は関本がショート内野安打、3回は西田の四球と毎回ランナーを出しながらチャンスを作れず。5回は三者凡退です。ようやく6回、俊介が四球、代打の植田は初球を打って一邪飛、代打・藤井の空振り三振(これが暴投で俊介は二塁へ)、西田は背中への死球、坂の四球で2死満塁。続く田上も四球で押し出し!なおも満塁で一二三は佐藤のチェンジアップに空振り三振。しかし先取点、結果的には決勝点が入りました。

7回は2死から俊介が右前打するも盗塁失敗。8回は藤井の中前打と西田、田上の四球で2死満塁としますが…ここで一二三が初球を打って捕邪飛。9回は1死から横田がピッチャーの送球エラーで出て、2死後に植田の左前打で一、三塁!でも藤井は一邪飛に倒れて1点のみです。

松田のあとは玉置が登板して、3回は9番・水口の右前打と盗塁、四球があったものの2三振を奪うなど0点に抑えています。4回は星の中前打と暴投で1死二塁としながら、投ゴロでランナーを挟み、その間にアウト2つ。結局3人で片付けたわけです。やはりチェンジアップとスライダーが有効でしたね。

「うぉりゃあ!」という声が聞こえてきそうな藤原投手。2回パーフェクト締めです!
「うぉりゃあ!」という声が聞こえてきそうな藤原投手。2回パーフェクト締めです!

5回からは田面が3イニング。5回に2死から連打、6回も2死後に1安打、7回は1死から連打があったのですが、後続をしっかり断って無失点。そして残り2イニングは藤原が登板。三振2つに内野ゴロ3っ、内野フライ1つで完ぺきに抑えました。前回15日の試合後に課題として挙げていた“力強い球”、この日はドーンと決まっていたと思います。

工夫が欲しい、と古屋監督

試合終了後はミーティングのあと、グラウンドでランニング、素振り、トレーニンングなどをしてから引き揚げました。古屋監督は「ピッチャーがよかったね。田面、藤原も去年なら潰れちゃうところを0点に抑えて。打線は関本が2安打、藤井が1安打、俊介1安打…もうちょっと工夫しないと」と少し渋い顔。それでも「植田が(守備で)二遊間を抜けそうな打球、よく捕った!ハンドリングもいいし、スローイングの速さは大したものだよ。その直後(9回)にレフトへヒットも。実戦に強いのかな。21日はショートでスタメン」と、久しぶりに出場したルーキーの光るプレーに頬が緩みます。

高橋光成投手については「体の大きさにビックリしたねえ。この時期に高校生が(試合で)放れるのが大したもの。『絶対打ちますよ!』なんて横田は言ってたけど、当たらへんやん(笑)。横田も踏ん張りどころ。ピッチャーのクイックとか、予測できる部分の対応がまだ。そこを勉強も工夫もしていかないと」と注文は多々ありました。

練習試合はこれで4連勝となりますが「勝負だから負けない方がいいけど、勝ちってのはあとからついてくればいいもの。内容がね。去年までバッティングコーチだったこともあって、どうしても打つ方が気になってね。一二三もチャンスだったのに、自分で自分にプレッシャーかけてしまった。強い球を打つんだ、くらいの気持ちで打席に入ればいいんだけどね」と、悩みの種は尽きないのでしょう。「あと2試合、打つ方も元気出して気を引き締めてやります!」とのことです。

「手応えのあるボールがあった」

2年ぶりの先発で「緊張する~」と言っていた松田投手。最速は148キロでした。
2年ぶりの先発で「緊張する~」と言っていた松田投手。最速は148キロでした。

松田投手はきのう、プレートの立ち位置を三塁側から一塁側へ移動させていたようで、それに関して「悪くはなかったかなと思う」との感想。「1つ1つの変化球にしても精度を挙げられたら。カウントを悪くすることが多かったので、ストライク先行でいけたら」と今後の課題を口にしながらも「まだまだですけど、手応えのあるボールはありました。それを多くしていきたい」と語っています。

久保投手コーチに松田投手のことを聞くと「いいのと悪いのがまだあるね。あと変化球がなあ。カーブ、スライダー、フォーク、この3つを何とかゾーンの中で勝負できるようにしないと。自分ではゾーンの中へいこうとしているんだけど、精度がね。速い球を生かせるシチュエーションを作ること。でも悪くはないですよ。暖かくなってきたら、もっと球速も上がるでしょう」という話でした。

続けて「藤原、よくなったよねえ!スピード表示以上に打者に対しての迫力があった。一心不乱によく練習してる。田面もよかったでしょう?フォアボールなしで、打たれたも無失点で。よく踏ん張ってくれた」と後半の2投手を絶賛する久保コーチです。

「前とは違う気持ちで投げられている」

田面投手は3試合目の登板で初の被安打でしたが、まだ7イニング無失点です。
田面投手は3試合目の登板で初の被安打でしたが、まだ7イニング無失点です。

早くも練習試合で3度目の登板だった田面投手。11日は1イニング、14日は3イニングでともにノーヒットでした。よって今回が初の被安打ということになります。「5本も打たれて、去年までなら心配で仕方なかったのに、ことしは大丈夫だと思える」なんて失礼極まりない感想を述べたんですが…「そりゃ失礼ですね」と言いながら「確かに」と笑います。この3試合を合わせて、7イニングで安打5、三振8、四球2で無失点という内容。

「徐々によくなってきています。気持ち的にも。スライダーでカウントを取れているので、いい結果になっていると思いますね。打たれて、ああいうケースになっても、いろいろ考えられる。自分だけがピンチなのではなく、相手もそうだとか。前とは違う気持ちで投げられている感じがします」。この気持ちの変化、そしてスライダーの質が上がったことなどの技術面、両方がうまく作用したのは大きいのでしょう。投げるテンポも本当によくなりました。このままオープン戦までいってほしいですね。

タイミングを逃し、藤原投手の話が聞けなかったのは痛恨の極みですが、次もまた好投してじっくり取材できることを願っています。今回はすみません。

最後でバスに乗る横田と植田

最後は2年生と1年生のコメントをご紹介します。まず横田選手は、2試合連続ヒットがなく「まだ全然ダメなので、次は頑張ります」と言葉少な。高橋光成投手については「思ったよりメッチャ速かった!」と脱帽でした。掛布DCから試合開始前に「タイミングが合えば初球から全部いけ」と言われていたそうで、確かに初球から振っていましたが「始動が遅かった」と反省しています。

14日に右足首を痛めて2試合欠場した植田選手は、6回に関本選手の代打で出場。一邪飛、二邪飛という2打席で、9回に大石投手の初球、真っすぐを打って左前打でした。「よかったです。初球を振れたんで。その前は振れなかった」。2打席目は2球見逃して追い込まれていたからでしょう。そして監督もほめていた8回の守備は「(打球を)待ったら無理やと思ったので、前に行きました」とのこと。

3試合ぶりの植田選手。好守も安打もありました。ただし写真は一邪飛のものです。
3試合ぶりの植田選手。好守も安打もありました。ただし写真は一邪飛のものです。

なんせ一番年下ですから、先輩方がバスに荷物を積むのを手伝ったりしなくてはなりません。しかも植田選手にとっては初めての“遠征”なので、段取りも何もわからない状態。その合間を縫っての質疑応答なので、1フレーズずつの分割払いです。横田選手は慣れたもんで、バッグを積みながら質問に答えていましたねえ。さすがセンパイ!

その横田選手は、植田選手の初仕事をちゃんと見届けてあげてから自身も乗り込んだのですが「しっかり最後に確認しろよ」な~んて、ちょっと先輩風を吹かせていました。ぷぷっ、可愛いものですね。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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