Yahoo!ニュース

タイガース・安芸キャンプ 第4クール初日はシート打撃《2/17》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
右肩痛のため別メニューでのキャンプとなった原口選手ですが、このクールで一歩前進。

阪神タイガースのキャンプは第4クール突入。16日の休日に新井選手と守屋投手が沖縄へ移動し、歳内投手と西田選手が安芸へ来ています。その前に、左肩の亜脱臼で離脱した陽川選手も、です。その陽川選手は休日だった16日に大阪で検査を受けたようで、不思議な器具で左腕全体を固定されていました。

昔は三角巾で吊っていましたけど、曲げたヒジで三角のクッションみたいなものを左手で抱く格好。確かに、これだと上下だけでなく前後にも動く心配はありませんね。かなり不便でしょうけど、陽川選手いわく「大学4年の時に一度(左肩亜脱臼を)やっているので…。クセにならないようにするためのもの」だそうです。

きのう17日からリハビリを開始して「痛みはありません。動ける範囲で、下半身を使ってのトレーニングをしました。利き腕は使えるのでネットスローとかもやっています」とのこと。せっかくの沖縄キャンプスタートだっただけに無念でならないでしょう。でも、とにかく早く完治させることが先決。クセになったら大変です。それで現役を諦めた選手もいましたからね。

また、右足首を痛めていたルーキー・植田選手は本隊に復帰。実はバッティングメニューに名前がなくて心配したんですけど、単に抜けていただけで、選手用のメニューには“手書き”で入っていたと笑っていました。植田選手も、黒瀬選手もシートバッティングに参加しています。

原口が両手での打撃練習を再開

片手でのティー打撃に続き、この日初めて両手で打った原口選手。
片手でのティー打撃に続き、この日初めて両手で打った原口選手。
その様子を見に、古屋監督が安芸ドームへ。
その様子を見に、古屋監督が安芸ドームへ。

原口選手はキャンプインから別メニューで、第2クールから始めたティーバッティングも、患部である右肩に負担がかからないよう左手だけで打っていました。15日にチームドクターからバッティングのOKが出て、きのう17日はまず両手でのティーを開始。安芸ドームの中で、トスを上げてもらって、まず片手で50球、両手で40球、真横から放ってもらって20球、最後はワンバウンドのボールを20球。合計130スイングです。

途中で古屋監督が安芸ドームを訪れ、原口選手のバッティングをじっと見ていました。仲野トレーナーも、練習メニューが増えたことに笑顔です。キャンプ中に屋外でのフリーバッティングというのはまだ無理かもしれませんが、打ちたくて仕方なかった原口選手にとって、ようやく一歩前進と言えますね。

シート打撃にベテラン勢も登板

シート打撃に登板した渡辺投手。
シート打撃に登板した渡辺投手。
同じくシートで投げた高宮投手。
同じくシートで投げた高宮投手。
2安打を放った俊介選手。
2安打を放った俊介選手。
一二三選手は安藤投手から中前打。ナイス!
一二三選手は安藤投手から中前打。ナイス!
関本の中前打、横田が捕ってショート植田へ。下へ続く
関本の中前打、横田が捕ってショート植田へ。下へ続く
植田から小豆畑へ。生還を阻止…したかどうかは未確認。
植田から小豆畑へ。生還を阻止…したかどうかは未確認。

午後にはメイングラウンドでシートバッティングが行われ、安藤投手(27球)、渡辺投手(39球)、高宮投手(22球)の3人が登板。守備は、前半がキャッチャー岡崎選手、内野はサードが関本選手で、他は坂選手、黒瀬選手、西田選手が入れ替わりで守っていました。

打撃内容は以下の通りです。

◆安藤

【横田】左飛

【田上】左前打

【小豆畑】右翼線二塁打

【狩野】左翼線二塁打

【藤井】遊ゴロ

◆渡辺

【俊介】左前打

【一二三】空振り三振

【植田】二飛

【藤井】三ゴロ

【横田】左飛

◆安藤

【小豆畑】三ゴロ

【田上】左前打

【狩野】二ゴロ失策

【俊介】左前打

【一二三】中前打

◆渡辺

【植田】右翼線二塁打

【岡崎】二ゴロ

【黒瀬】右飛

【関本】三ゴロ

【坂】左飛

◆高宮

【西田】空振り三振

【岡崎】遊ゴロ

【黒瀬】中飛

【関本】中前打

【坂】三ゴロ

【西田】左越え二塁打

安藤「順調じゃないですかね」

シートバッティング登板を終え、安藤投手は「初実戦(形式)だったけど、まあ順調じゃないですかね。試すことは試せたし、ダメな部分を出せる場でもあるので、そこからまた調整していけますし。ブルペンではわからないこと、バッターとのタイミングとかがどうかというのも見たかったので」と話しています。

シートバッティングに登板した安藤投手。
シートバッティングに登板した安藤投手。

「きょうはそんなに球種を使っていません。真っすぐのタイミング、フォークのタイミング、新球のチェンジアップのタイミングを試して反応を見ましたが、改良の余地があるから、またブルペンで調整していきます。次は試合になると思うので」とのことでした。また「7割くらいでは投げられているかな。もうちょっといけるかなという感じ」だそうです。

西武戦のオーダーなど

古屋監督の話はまず18日の出場選手についてです。「横田が1番。6イニングの予定で関本がサード。狩野はDH。5番に西田でセカンド。植田は途中からショートで、坂がサードに。21日はオーナーが来られるので植田はショートでスタメンの予定。でも、あすはケガが治ってすぐだからね。向こうは高橋光成が先発だとか。対戦はないかぁ。残念だけど。内野手が足りなくて俊介にセカンド守らせたのはかわいそうだったよ。1軍で守ることのないポジションをやらせるのは申し訳ないよね」

話している途中で西田選手が通りかかり、「西田5番。高橋光成と当たるよ」と古屋監督。すると西田選手は「5番でいいんですかぁ?」と嬉しそう(笑)。「クリーンアップ♪」と言いながら去っていきました。

「シートで投げた3人が21日の試合(ハンファ戦)に登板しますよ。キャッチャーは藤井で」とのこと。きょう18日の春野へは藤井選手や黒瀬選手など、まだ万全の態勢でなくても動ける選手は行くと古屋監督は言っていました。よって、安芸にはゲームに入っていない投手陣と香田投手コーチ、そしてリハビリ中のメンバーが残っています。

高宮投手から右越え二塁打を放った西田選手。お尻も太腿もガッチリしましたね!
高宮投手から右越え二塁打を放った西田選手。お尻も太腿もガッチリしましたね!

岩崎120球!横山も変化球解禁

ブルペンでは岩崎投手が、15日の90球に続いて120球の熱投!かなり投げましたね~と言われ、微笑みながら淡々と「上げていくつもりだったので」。この日に解禁した変化球は「何球かまじえました。カーブとスライダーです。感覚を確かめる程度で」とのこと。感触は?「最初なので、こんなものかなという感じですね。シーズン中に比べたら、まだまだです」

古屋監督は、23日あたりにフリー打撃で投げて、キャンプ後に鳴尾浜でシート打撃登板、そして3月3日から6日の遠征(教育リーグ広島戦・由宇、ソフトバンク戦・雁の巣)の雁の巣あたりかなあと、岩崎投手の予定スケジュールを話していました。「そうなんですか?23日ですか。何回かブルペンに入って上げていきます。球数もそうですけど、精度も。今は真っすぐ中心だけど球種もいろいろ混ぜながら」。だいぶ青写真はできつつありますね。

久保投手コーチは「徐々に進んでいます。2月、3月はシーズンに入る準備段階。ちょっとの遅れを気にすることはない。早い人もあれば遅い人もある」と、なんら焦る必要はないことを強調。また横山投手については「順調にきている。真っすぐは申し分ない。このあと変化球をもっと入れ、球数を投げて、そして実戦。順調です」と、最初と最後に“順調”がきました。

その横山投手も18日のブルペンで、初めて変化球をまじえて35球。「スライダー、カーブを投げました。いつも通り。普通です。真っすぐがきょう良かったですね。段々と腕が振れてきていますし、いい時の感じがあります。今までで一番よかったです」。視察された中村GMの、クロスファイヤーでくる球がよかったというコメントを聞き「そこは武器なので」とニッコリ。古屋監督いわく「岩崎、横山、いよいよ左ピッチャーの逆襲が始まるか?」という安芸。楽しみです。

松田「真っすぐで勝負!」

きょう18日に春野球場で行われる西武との練習試合は、松田投手、田面投手、藤原投手、玉置投手が登板予定です。先発と予想される松田投手は2イニングの予定で「この前は打たれたので、この前の課題をクリアしながら、今やっていることを継続して、任せられた以上はゲームを作らないと」と、これは間違いなく先発としてのコメントですね。課題は?「ボール先行になったり、ゾーンで勝負しなきゃいけないのに際どいところ狙いすぎてカウントを悪くしたり」。藤井選手からも言われたんですね?「真っすぐで押していくタイプなんだから、際どいとこ狙うより、ファウルを打たせてカウントを楽にしていった方がいいと」。なるほど。それも踏まえて「しっかりゾーンで勝負できたらと思う」と松田投手。

なおブルペンでピッチングの途中、久保コーチから何か言われていたのですが「それはあした試すので。あしたできたら、こういうこと変えたとお伝えしますので」と、とっても自然にかわされました。遼馬くん、会見の達人になったねえ!「いやいや、そんな」と照れまくったあと、ドラフト1位ルーキーと投げ合うのを「イヤやなあ。緊張してきた」と苦笑い。ビシッと先輩の貫禄を見せときましょう!

横田選手に目標を聞くと「まず1本打って、次に2本打ちます!」という答え。つまり…ヒットを2本打つって意味なのかな?植田選手には、途中出場の予定らしいねと言ったら「途中から頑張ります!」。これまた不思議なコメントでした。同い年の高橋光成投手とは当たらないけど。「そんな意識するタイプじゃないので」。盗塁も「あしたは決めます!」と、ここは力強く宣言しました。最後は小豆畑選手に締めてもらいます。

「あしたも投手のために」……カッコええやん!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事