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中谷選手が約50日ぶりの逆転2ラン!でも再逆転されて…阪神ファームは6連敗

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

きのう19日は鳴尾浜に首位のソフトバンクを迎えた阪神。ウエスタン・リーグも残り少なくなり、阪神はこの日が90試合目でした。あと19試合しかないんですねえ。さて先取点を許したものの、早々に中谷選手が2ランを放って逆転してくれた試合。しかし終盤に再逆転されて負けました。これでソフトバンク戦の今季負け越しが決定。5月4日以来、今季2度目の6連敗で6月6日以来の借金3です。

なお大和選手が1軍昇格へ向けての最終段階でフル出場、と思っていたら8回の時点で(本人も知らないうちに)公示が出て、大急ぎで京セラドームへ行きました。終盤には代走から守備と試合にも出て、まさに速攻の復帰劇!忙しくて長い一日だったでしょうねえ。

《ウエスタン公式戦》8月19日

阪神-ソフトバンク 21回戦 (鳴尾浜)

ソフ 010 000 021 = 4

阪神 002 000 000 = 2

◆バッテリー

【阪神】岩本-●鶴(1勝4敗)-久保田-高宮‐山本‐伊藤和 / 藤井-清水(7回~)

【ソフ】山田(6回)-○岡本(1勝1敗)(1回)-岡島(1回)-S江尻(1敗10S)(1回) / 山下

◆本塁打 中谷6号2ラン(山田)、江川4号2ラン(鶴)

◆三塁打 牧原

◆二塁打 大和、江川、山下

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]左:柴田  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .262

2]中:大和  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .333

〃中:横田  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .183

3]三:陽川  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .251

4]指:狩野  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .277

〃打指:西田 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .234

5]一:原口  (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .263

〃打:緒方  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .295

6]二:黒瀬  (2-0-0 / 1-1 / 0 / 1) .253

〃打:森田  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .277

7]遊:北條  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 1) .244

8]捕:藤井  (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .500

〃捕:清水  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .172

9]右:中谷  (3-1-2 / 1-0 / 0 / 0) .180

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

岩本   6回 88球 (5-4-3 / 1-1 / 3.12)

鶴   1.1回 29球 (3-1-0 / 2-2 / 3.73)

久保田 0.1回 16球 (1-1-1 / 0-0 / 7.00)

高宮  0.1回 7球 (0-0-0 / 0-0 / 2.45)

山本  0.1回 9球 (3-0-0 / 1-0 / 2.14)

伊藤和 0.2回 4球 (0-0-0 / 0-0 / 7.56)

逆転2ラン!でも再逆転2ランで負け

岩本は1回、2番の松田にカーブを左前打されますが、藤井が盗塁阻止。続く牧原をセカンド黒瀬のエラーで出すも、またまた藤井の盗塁阻止!3人で終了しました。しかし2回は先頭・江川に初球のカーブを左翼線二塁打、猪本への死球などで2死二塁としたあと山下に中前タイムリー。先に失点します。3回も先頭の亀澤に初球を中前打され、松田に四球を与えたものの無失点。

すると打線はその裏、先頭の藤井が右前打して中谷がレフトへ6号2ラン!一気に逆転成功です。続く柴田も中前打し、大和の犠打で二塁へ進みますが後続を断たれて2点止まり。そして岩本は4回をわずか6球で三者凡退!5回は1安打のみです。6回2死から塚田を振り逃げで出し、猪本に四球を与えて一、二塁としたあと自身の牽制で塚田を刺して終了。6イニングを投げ5安打1失点でした。

7回は鶴と清水のバッテリー。山下の右翼線二塁打を許しながらも他はキッチリ打ち取って無失点だったんですが、8回は1死後に牧原の右中間三塁打を浴び、続く江川にレフトへ逆転の2ラン…。ここで鶴が降板します。代わった久保田は塚田に中前打され、三振で2死としたあと暴投と四球を与えて交代。次の高宮も暴投で2死二、三塁としましたが山下を三ゴロ。何とか2点で食い止めています。

しかし9回、山本が先頭の安田に自身のグラブをはじく強襲内野安打、犠打で二塁へ。代打・勧野の打球がショート内野安打となり、さらに北條の一塁送球が逸れるエラーで安田を還して4点目です。続く牧原に左前打を許したところで山本が降板。最後は伊藤和が江川を遊ゴロ併殺打に仕留め、追加点は阻止しました。

打線は4回以降、6回に陽川の中前打と原口の四球などで2死一、二塁としたのが唯一のチャンス…というか、それ以外は誰ひとり出塁すらしていません。4、5、7、8、9回とすべて三者凡退。そのうち7回は岡本に2三振、8回は岡島(鳴尾浜で岡島秀樹投手が見られるなんて!)に2三振、9回は江尻から西田、緒方、森田の代打3人が揃って空振り三振に倒れ、試合終了です。

大和は鳴尾浜をあとにしました

大和選手は2番センターで先発出場し、1回の1打席目で山田の初球を打ってレフトフェンスまで到達する二塁打!3回は1死一塁で投犠打を決めました。6回の3打席目は左飛。そして8回の守備中、15時を過ぎた時にスタンドのファンの方が「大和、登録されてる」と。なんのこと?え、まさか…あちこちで動きがあり『出場選手登録・大和、抹消・田上』を確認。長い8回の守備を終えて戻ってきた大和選手は、自分が昇格したことを知っていたんでしょうか?

そのまま引き上げるのかと思っていたら、その裏の攻撃で打席に立ち安田の好守備に阻まれて中飛。大和選手の打席中からキャッチボールをしていた横田選手が9回の守備について交代、よって3打数1安打という結果です。まさか「1試合フル出場して」と言っていた、その試合が終わるまでに出場登録とは…とビックリしました。驚いたのは大和選手も同じだったようで、引き揚げながら「登録されてます?」とニヤニヤしていたものの「8回に(打席を終えて)ベンチへ帰った時に言われました。なんで交代なんやろ?って思った」と笑います。

「バントをする機会もあって、いい準備ができました。バッチリです。守備は何の心配もなく全部できることをやれた。(早い復帰は)トレーナーさんのおかげだと思います。チームに貢献できるようにしたい」と大和選手。大急ぎで京セラドームへ向かいました。そして7回に福留選手の代走で出て三盗を決め、捕手のエラーも誘って生還。朝から練習をして試合にフル出場して「明日から1軍で頑張る」という予想を描いていたはず。まさか、そこにナイターが追加されると思わなかったでしょうねえ。でも嬉しい誤算かな?

また、この試合で実戦に復帰した藤井選手は「久しぶりだったんでバテました」と苦笑い。それでも初回から盗塁阻止を連発。さすがですね。「体は問題ないです。暑さに慣れていかないと」と話していました。

勝ちは逃すも好投の岩本

雨天中止で何度か先発の機会を流し、先月30日の広島戦以来の登板となった岩本投手。その時は6回無失点、2点リードで交代したものの直後に追いつかれ、最後は小嶋投手がサヨナラ満塁ホームランを浴びて負けた試合です。今回も2対1と同級生の中谷選手が逆転2ランを打ってくれ、勝ちの権利を持って6回で交代。でもまたチームが逆転負けを喫しました。6月10日の4勝目以降、白星から遠ざかっていますね。でも5安打1失点、ナイスピッチング!

「よかったです。登板間隔が空いたのも問題ありません。真っすぐも走っていたと思うし、スライダーで空振りやカウントを取れたので、それは大きかった」。序盤でスローカーブを打たれた点は「欲を言えば、もう少し低く投げられたらよかったかなとは思うんですが…全体的に考えれば、あれを見せられたのでよかった。それだけでも違う。結果的には打たれたけど、うまく使っていけたら」と話しています。

尻上がりによくなっていったのでは?「調子自体はそんなに。たまたま3人で終わる回があったりして、流れに乗れたかなとは思います」。雨で予定が何度も飛んだことは「投げられたらいいですけど、そんなに」と淡々。そして「しっかり準備して、呼ばれたら勝てるように。やることはできています」と岩本投手。久保投手コーチは「ワインドアップを入れて、グッと力を集約して投げる。バッターと少しタイミングがずれてきたら、真っすぐを速く感じさせられる。よくなってきたよ。次も期待しています!」と評価しました。

中谷は6月以来の1発

9回に登板した山本投手は、牧原選手に許した左前打を「あれは悔しいですねえ。スライダー。甘かったです。ローボールヒッターではあるけど、もう少し低めに投げればよかった」と反省しきり。そのあとを受け、併殺で片づけた伊藤和投手は「ずっと調子はいいですね」と納得の表情でした。球速は2月の頃にまだ戻っていませんが「暑すぎるんですかね」と笑います。それならナイターの1軍へ行かないと。「そうですね。今なら1軍でも」。その笑顔に、戻ってきた自信が感じられます。

最後に、一時は逆転となる2ランを放った中谷選手です。久しぶりのホームラン。「そうですね、小郡で打って以来ですね」。第5号は6月28日、地元・小郡でのソフトバンク戦なので約50日ぶりでした。「真ん中高めのシュートです」。打った瞬間にいったと?「はい。いい感じで上がってくれたんで、いったなと思いました」。なかなか打率は急上昇しないけど…。「頑張ります!」というやり取りで終了。途中で平田監督が戻ってきたので、ちょっと遠慮気味のコメントだったかもしれませんね。

きょう20日も鳴尾浜でソフトバンク戦が行われます。先発は二神投手の予定。相当な暑さなので日よけと熱中症対策を忘れずに、無理のない観戦をお願いします。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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